【シンガポール=青木伸行】中国が東南アジア諸国への装備売却を加速させている。欧米の装備に比べ価格が安いうえ、技術移転にも積極的で、装備の更新、近代化を推進する東南アジア諸国の需要を巧みに吸い上げている。南シナ海の領有権問題で東南アジア諸国との連携を強化する米国を見据え、中国は装備の分野でも相互依存度を高めることで、東南アジア諸国をつなぎ留める戦略だとみられている。これに危機感を抱く米国は、装備売却の動きを強め巻き返しに出ている。 装備調達の多くを米国に依存してきたインドネシアに、中国は携行式地対空ミサイルQW1、短距離対艦誘導ミサイルC802Aなどを売却。122ミリロケット砲などをインドネシア国内で共同生産することも検討している。 米国は1999年、東ティモール紛争でのインドネシア軍による人権侵害を受け、インドネシアへの兵器輸出を停止、2005年に禁輸措置を解除した経緯がある。この間に同国