ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (534)

  • 「毒ガス」をまき散らす病める巨龍

    北京市は今月7日、深刻な大気汚染に対して「赤色警報」を発令した。中国が最高レベルの赤色警報を出すのは初めてだ。 中国政府は13年に汚染が続く予測日数に基づき、大気汚染のレベルを「青色(24時間)」「黄色(48時間)」「オレンジ色(72時間)」「赤色(72時間以上)」の4つに分類した。しかし今月7日の前には一度も赤色警報を出したことはなかった。 今回の深刻なPM2・5の発生は先週に始まり、先月30日に政府はオレンジ色警報を発令。ニュース記事によれば、北京の空気中に含まれるPM2・5の微粒子は1立方メートルあたり900マイクログラムを超えた。この数字は、WHO(世界保健機関)の定める上限値の25マイクログラムを大幅に上回っている。PM2・5の状況があまりにひどいため、庶民は政府の警報発令基準に疑いを持つようになった。政府はこれまで何度も特に華北地域のひどい大気汚染問題をなんとかする、と請け負っ

    「毒ガス」をまき散らす病める巨龍
  • 日本企業が「爆売り」すれば、爆買いブームは終わらない

    殿様商売ではダメ 中国経済減速もあって「いつ終わるか」への関心が高まるが、それよりも企業努力をもっとするべきだ Issei Kato-REUTERS 2015年の「新語・流行語大賞」が発表され、プロ野球の「トリプルスリー」とともに「爆買い」が大賞に選出された。だが、そもそも爆買いとはなんだろうか。なぜ中国人は爆買いするのか、爆買いはいつまで続くのかをここで考えてみたい。 「爆買い」は当初は海外資源買収を指していた そもそも爆買いとは、「海外からの旅行客が日で大量に買い物をすること」との意味だそうだが、主に中国人観光客をイメージしている。2014年秋以降に中国人観光客が激増、2015年の旧正月でこの言葉が定着した感がある。 それ以後、日のデパートや家電量販店では中国人需要を確保しようと、中国風の飾り付けをしてお出迎え。今年10月1日の国慶節(建国記念日)には、ある家電量販店に「祝国慶節」

    日本企業が「爆売り」すれば、爆買いブームは終わらない
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/12/04
    “日本の製品、サービスに対して高い信頼性があることは事実だが、ドイツや米国と比べて上だというわけではない。日本というよりも、先進国全般に対する信頼と憧れだ”
  • 中国の「テロとの戦い」は国際社会の支持を得るか

    複雑な国際問題に 中国当局からの弾圧を逃れて推定3万人のウイグル人がトルコに亡命しているといわれ、中国政府はトルコを批判しているが(2015年7月、イスタンブール) Osman Orsal-REUTERS 「テロとの戦い」は複雑怪奇な連鎖反応を示している。 10月31日のロシア機墜落、11月12日のレバノン・ベイルートでの連続自爆テロ、そして翌13日のパリ同時多発テロなど、相次ぐ事件は世界に大きな衝撃を与えた。欧州では難民受け入れの是非を問う声が高まったほか、フランス軍によるイスラム国への空爆、トルコによるロシア軍機撃墜、さらにはシリアの反政府武装勢力によるロシア軍ヘリコプターへの攻撃と連鎖反応を引き起こし、情勢はさらに混迷の度合いを増している。 シリア、イスラム国、そして欧米の情勢に注目が集まるなか、中国も「テロとの戦い」に名乗りを挙げているのはご存知だろうか。中国の王毅外相は15日、G

    中国の「テロとの戦い」は国際社会の支持を得るか
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/11/27
    寄稿しました “世界的にテロへの注目が高まる中で、ウイグル人に対する弾圧、支配強化に対する大義名分を手に入れたい。それが中国の動機だろう”
  • 「中国は弱かった!」香港サッカーブームの政治的背景

    訳ありサッカーブーム 中国の国歌演奏時には「香港は中国ではない(Hong Kong is not China)」や「ブーイング(Boo)」が掲げられた(11月17日) Bobby Yip-REUTERS 今、香港でサッカーブームが起きている。 11月17日、サッカーW杯アジア2次予選の香港代表対中国代表の一戦が行われた。香港代表のホームである香港・旺角大球場のチケットは、早々にソールドアウト。発売日前から行列を作っていた人から抗議の声が上がったほどだ。街中では各所でゲリラ的なパブリックビューイングが開催され、多くの人々がテレビに釘付けとなった。 試合も人々の期待に応える熱い展開となった。実力的には上の中国代表が圧倒的にボールを保持し攻め立てるが、香港代表は堅いブロックを形成して必死に防戦。幾度も決定機を作られるが体を投げだしてゴールを守る。さらにカウンター攻撃をしかけ、中国代表のゴールを脅

    「中国は弱かった!」香港サッカーブームの政治的背景
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/11/19
    “2万校のサッカー特色学校は日本の部活動を参照したものだが、激烈な受験競争が繰り広げられる中国では、スポーツをしている暇があったら勉強して欲しいというのが親の願い”
  • 台湾ではもう「反中か親中か」は意味がない

    それでも選挙は 馬英九の後継者として来年の総統選挙に出馬する与党・国民党の朱立倫は、中台首脳会談の評価がどうであれ劣勢が見込まれている Pichi Chuang-REUTERS 2015年11月7日、シンガポールで、台湾の馬英九総統と中国の習近平国家主席の会談が行われた。中華人民共和国成立から66年で初となる中台首脳の会談という歴史的舞台となったが、来年1月の選挙で野党転落がほぼ確実視されている、レームダックの国民党政権が主導した会談に意味があるのか。対中接近を警戒する台湾の人々は、馬英九の最後っ屁のような中台首脳会談を支持しないだろう。そう思われた方も多いのではないだろうか。 ところが意外や意外、各種世論調査では中台首脳会談支持の回答が50%を超えている。「台湾市民は対中接近に批判的なはず」という思い込みでは理解できない結果となった。馬英九の最後っ屁を支持する台湾市民、この状況はどのよう

    台湾ではもう「反中か親中か」は意味がない
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/11/13
    “意外や意外、各種世論調査では中台首脳会談支持の回答が50%を超えている。「台湾市民は対中接近に批判的なはず」という思い込みでは理解できない結果となった”
  • 知られざる「一人っ子政策」残酷物語

    ひとりひとりの物語 30年以上続いた一人っ子政策の廃止が決まったが、この悪法は多くの家族に一生消えない傷を残した(1979年から2014年まで生まれ年ごとに1人ずつ上海で撮影した写真作品) Carlos Barria- REUTERS 10月29日、中国は一人っ子政策廃止の方針を発表した。あまりに遅すぎた方針転換と言うべきだろう。一人っ子政策によって中国は超スピードでの高齢化や性別人口のアンバランスという難題を抱え込んでしまった。また多くの人々、家族に一生消えない傷を残している。 巨大な罰金利権が一人っ子政策を存続させた 中国全土で一人っ子政策が導入されたのは1980年のこと。人口急増が続けば糧不足、資源不足が深刻化するとの懸念が動機となった。もっとも、人口抑制は中国のみならず、世界的なトレンドでもあった。国連は1974年を世界人口年に指定し、各国に人口抑制を促している。日も人口抑制を

    知られざる「一人っ子政策」残酷物語
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/11/05
    “(中絶によってお腹から取り出された)姉の遺体はトイレに捨てられたそうです。病院のトイレは死んだ赤ちゃんでいっぱいだったと言います”
  • SDR狙いで進む?中国の金融自由化

    中国人民銀行(中央銀行)は追加金融緩和と預金金利の自由化を実施しました。前者は景気対策であり、後者は金融改革と位置付けられています。預金金利自由化の歩みは2014年11月以降スピードアップしました。2015年8月11日の人民元対米ドル基準レートの算出方法の変更と併せて、その根底には、中国が熱望する人民元のSDR(特別引出権)採用に向けたIMF(国際通貨基金)に対するアピールがあったと見ています。 中国人民銀行は10月24日、追加金融緩和を実施しました。1年物貸出基準金利は0.25%引き下げ4.35%に、1年物預金基準金利は0.25%引き下げ1.50%としました。利下げは2014年11月以降6回目です。金融機関の預金準備率は0.5%引き下げられ、大手行の預金準備率は17.5%となりました。 中国人民銀行は、今回の利下げは景気下振れリスクと物価下落を考慮したとしています。7月~9月の実質GDP

    SDR狙いで進む?中国の金融自由化
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/10/30
    "人民元のSDR採用を目的に、中国は様々な制度変更。しかし、多くの場合は「表面的に」という注釈。掛け声とは裏腹に、監督・管理のグリップは緩めない、これが中国の基本路線"
  • 海賊版天国だった中国が『孤独のグルメ』をリメイクするまで

    『孤独のグルメ』中国版 オリジナル番組制作という世界的潮流に合致し、利便性においても日に先行する中国の動画配信サービス 孤独的美家-YouTube 日ではインターネットの動画配信サービスが変革期を迎えつつある。米大手ネットフリックスの日進出、在京民放5社による番組配信サービスTVerのスタート、さらにYouTubeの有料サービスも日展開が近いと伝えられる。動画配信サービスの変化は世界的な潮流だ。 日同様、世界からは切り離されていた中国も今、大きな変化を迎えており、しかもそのスピードは日をはるかに上回る。変化を引き起こしたのは、無料の海賊版という強すぎるコンテンツによる圧力だ。 日アニメ進出の唯一の窓となった動画配信 アジアITライターの山谷剛史氏は中国のインターネットの現状を「ネット鎖国」だと評している。グレート・ファイヤー・ウォール(GFW)と呼ばれる検閲システムによって

    海賊版天国だった中国が『孤独のグルメ』をリメイクするまで
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    kinbricksnow 2015/10/30
    海賊版コンテンツ見放題の新興中小サイトが次々と登場。アニメやドラマだけではなくベトナムやタイのニュース、アラビア語チャンネルというニッチなコンテンツもカバー
  • 中国の最近の資本流出は「正常」、資本逃避ではない ── 外為当局高官が会見で表明

    10月22日、中国国家外為管理局(SAFE)の王副局長は会見で、8月の人民元改革は大規模な介入ではなく、通常の政府の措置と述べた。2010年12月撮影(2015年 ロイター/Petar Kujundzic) 中国国家外為管理局(SAFE)の王副局長は22日の会見で、最近の中国からの資流出は「正常」な動きであり、キャピタルフライト(資逃避)の兆候はないとの認識を示した。 政府は、中国経済の見通しは明るく、今後も国際収支の均衡を維持できると確信していると述べた。 最近の資流出について、企業と個人の外貨保有意欲の高まりに加え、企業が外貨建て債務の構造を調整し、海外への投資を増やしていることが主な要因と指摘した。 王副局長はまた、最近の外貨準備の減少は制御可能な範囲にとどまっており、8月の人民元改革を含む第3・四半期の政府の対応は大規模な介入ではなく、通常の措置と説明。 人民元改革は、国境を

    中国の最近の資本流出は「正常」、資本逃避ではない ── 外為当局高官が会見で表明
  • 【マニラ発】中国主導のAIIBと日本主導のADBを比べてわかること

    AIIBとの違い 日主導でありながら、設立当初から国際的な銀行となり、持続可能性も担保されていたアジア開発銀行(ADB) Cheryl Ravelo-REUTERS フィリピンの首都マニラ――。SMメガモールというアジア最大級のショッピングセンターから少し大通りを進むと、背の高い柵の中に巨大で重厚な薄い褐色の建物が見えてくる。セキュリティーチェックを終え中に入ると、そこには木材を基調とした落ち着いた空間が広がっており、まるで西洋の城にやって来たかのような印象をうける。 ここがアジア開発銀行(以下、ADB)の部だ。1966年の設立以来、ADBは融資、グラント(無償支援)や技術協力などを通して、アジアにおける貧困の削減に取り組んできたほか、アジア地域の経済協力を推進してきた。67カ国・地域で構成され、職員3000人を擁し、アジア屈指の規模を誇る国際機関である。 2年前に中国の習近平国家主席

    【マニラ発】中国主導のAIIBと日本主導のADBを比べてわかること
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    kinbricksnow 2015/10/23
    【舛友雄大】
  • ダライ・ラマ効果を払拭した英中「黄金」の朝貢外交

    「黄金期」の犠牲に 2012年のキャメロンとダライ・ラマ14世の会見により始まった史上最悪の英中関係は終わったが(2015年9月、英オックスフォードで会見を開くダライ・ラマ) Darren Staples-REUTERS 「英中の黄金時代が到来した」習近平国家主席は21日、キャメロン英首相との首脳会談で高らかに宣言した。 なるほど、確かに英国にとっては"黄金"の到来だったかもしれない。訪英には多くの起業家が帯同し、無数の提携、契約、商談が取り交わされた。原子力発電所建設や新高速鉄道建設、インフラ整備への出資など、総額は約400億ポンド(約7兆3900億円)に達する。訪英がなくとも実現した契約も含まれているとはいえ、英国人の目には習近平が金の雨を降らせる男、レインメーカーに映ったのではないだろうか。 21世紀の朝貢外交とダライ・ラマ効果 近年大々的に展開されている「レインメーカー外交」だが、

    ダライ・ラマ効果を払拭した英中「黄金」の朝貢外交
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    kinbricksnow 2015/10/22
    “ダライ・ラマ効果」という言葉がある。ダライ・ラマ14世と首脳が会見した国は、その後、対中輸出が2年間にわたり平均8.1%減少する”
  • ドタバタ国民党を蹴散らす?台湾の3匹の子ブタ

    2011年に私は台湾の新聞「旺報」のウェブサイトで漫画コラムの連載を始めた。当時、台湾ニュースを理解するためほとんど毎日台湾テレビを見ていたが、ちょうど12年の初めは台湾総統選挙が行われる時期で、そのすべてのプロセスを関心を持って見守った。この総統選挙は国民党の馬英九と民進党の蔡英文が僅差で競り合い、最後は馬が得票率51・60%で得票率45・63%の蔡を振りきったが、敗戦を受けた蔡の演説は素晴らしかった。「台湾は反対の声が必要だし、チェック・アンド・バランスをする勢力も必要だ」と、彼女は語った。この話は私だけでなく多くの中国人を感動させ、台湾の民主主義へのあこがれが日に日に高まった。中国共産党の「勝てば官軍、負ければ賊軍」式の残酷な権力闘争と比べれば、敗れたとはいえ蔡には尊厳もあった。 またたく間に4年が経過し、台湾ではまた総統選挙が近づいてきた。この4年の間に経済的な結びつきが強くなっ

    ドタバタ国民党を蹴散らす?台湾の3匹の子ブタ
  • 汚職の次は「さぼり」を取り締まり始めた中国

    「ちゃんと働け」 パンダはのんびりしていても許されるが、地方官僚たちの「さぼり」は処罰の対象に VanWyckExpress-iStockphoto.com 13日、日に導入されたばかりのマイナンバー制度をめぐる汚職事件が発覚した。厚生労働省情報政策担当参事官室の室長補佐、中安一幸容疑者が経営コンサルタント企業から現金100万円を受け取った容疑で逮捕された。 日の汚職事件はいつも中国人に新鮮な驚きを与える。「たったこれっぽっちの収賄で官僚が逮捕されるの?」という驚きだ。ちょっとしたポジションにつけば数億円、数十億円の蓄財が当たり前の中国とは次元が違う。 汚職は官僚の専売特許ではない。先日、知り合いの中国人から「ブランド物の財布が欲しいので、日で買ってきて欲しい」と連絡があった。月給3000元(約6万円)程度のコックさんなのによくお金があるなと思って話を聞いてみると、仕入担当となったた

    汚職の次は「さぼり」を取り締まり始めた中国
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    kinbricksnow 2015/10/15
    寄稿しました。反汚職運動の反動として官僚の「不作為」、すなわちさぼりが広がっているという話について。
  • 農民がショベルカーを「土砲」で攻撃する社会

    抗議の手段として 土地収用に抗議する山東省の農民がショベルカーに土砲(追撃弾)を打ち込む映像が注目を集めた From YouTube 2015年9月30日午後、広西チワン族自治区柳州市柳城県で連続爆発事故が起きた。死者10人の惨事となったこの事件は、中国社会特有の「暴力」の問題抜きには語れない。 「個人的な犯行」とされた同時多発爆破事件 犯行には、18個もの時限爆弾を政府庁舎、スーパー、病院など市内各所に送り込み、一斉に爆発させるという大がかりな手法がとられた。爆弾は宅配便荷物に偽装されていた。当初は宅配業者が爆弾を運んだとの噂が流れたが、実際には容疑者人や雇われた人間が運んでいたという。 同時多発爆破事件ということから組織的なテロではないかとも見られたが、中国警察は事件当日の夜には容疑者を特定している。現地農民の韋銀勇という33歳の男性で、経営していた採石場が閉鎖されたことに対する報復

    農民がショベルカーを「土砲」で攻撃する社会
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/10/08
    “中国、とりわけ農村では、爆破事件や土砲による砲撃が珍しい話ではない。そう聞くと、なんとも野蛮な社会のように思われるかもしれないが、彼らの「暴力」はそれなりの合理性を持っている”
  • 中国の成長率は本当は何パーセントなのか?

    中国経済に対する不安感が世界に広がっている理由の一つは中国当局が公表する数字が疑わしいことにあります。中国政府が発表した2015年上半期の国内総生産(GDP)成長率は7.0%。年初に立てた目標値どおりの結果で、決して低い成長率ではありません。ならば中国政府は経済は目標どおり順調に推移しているとして涼しい顔をしていてもよさそうなものですが、実際には2014年11月から15年8月まで5回も金利と預金準備率を引き下げたり、公共事業を積み増すなど景気刺激に躍起になっています。当は中国政府は経済がもっと悪いと思っているのではないかという疑念が広がっても当然です。 私も2015年1-3月のGDP成長率(7.0%)が発表された時にきわめて疑わしいと思い、1-6月の成長率やその他の統計を見てますます疑念が深まりました。私は中国の統計などデタラメだ、という立場に立つものではありませんが、今年のGDP成長率

    中国の成長率は本当は何パーセントなのか?
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    kinbricksnow 2015/10/06
    【丸川知雄】“2015年上半期の本当の成長率が7%より低かったのだとしていったいどれぐらいなのでしょうか。私の推計結果はズバリ5.3%”
  • 反政府デモの「正しい負け方」とは何か?

    あれから1年 黄色い傘を掲げて政府庁舎へと向かうデモ隊だが、参加者は少なく、寂しい光景となった(2015年9月26日) Tyrone Siu- REUTERS 2015年9月28日、香港で「雨傘運動」1周年の記念集会が開催された。1年前には最大で20万人もの市民が政府庁舎前に詰めかけたが、この日集まったのはわずかに1000人。寂しい光景となった。世界の注目を集めた若者たちの抗議活動はいったい何を残したのだろうか。「祭りの後」を振り返ってみたい。 雨傘運動とはなんだったのか まず、簡単に雨傘運動について振り返っておこう。 1997年の香港返還の際、中国政府は将来的に香港特別行政区の行政長官を普通選挙で選出することを約束している。中国政府は2017年の行政長官選出時から普通選挙を導入する方針を固めたが、しかしそれは中国政府の意に沿う候補者しか立候補できないという偽りの普通選挙だった。それで「我

    反政府デモの「正しい負け方」とは何か?
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/10/02
    “歴史を紐解いてみても、街頭運動が短期的な成果をあげることは困難だ。だがそれだけがすべてではない。問題はどのように負けるか、祭りの後に何をもたらすことができるかにある。”
  • 中国は世界最大の「人質国家」

    7月末、有名な現代アーティストのアイ・ウェイウェイが新たにパスポートを取得し、4年をかけてついに出国の自由を獲得した。習近平のアメリカ訪問を前に、有名な学者で政府に批判的な郭玉閃も1年近く拘束された後に保釈された。これとほぼ同時に、アメリカ中国が「赤い指名手配」を出して追っていた汚職官僚1人を中国に送還した。 習近平のアメリカ訪問は、中国メディアが現在最も注目するニュースだ。習近平をめぐる各種記事の中でも興味深い視点は、現在の中国共産党が「人質外交」を行っている、というもの。米ソ冷戦の時代、国境付近で両国の情報要員がスパイを交換するシーンがよく映画で描かれたが、現在、米中の間で釈放されるのはすべて中国人だ。 中国では、いまだに多くの弁護士と政府に批判的な人々が不当に逮捕され、あるいは出国を禁止されている。1人、また1人と親しい友人たちが警官によって夜中に家から連行され、自分たちの身の安全

    中国は世界最大の「人質国家」
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    kinbricksnow 2015/09/26
    【辣椒】“「人質外交」。米ソ冷戦の時代、国境付近で両国の情報要員がスパイを交換するシーンがよく映画で描かれたが、現在、米中の間で釈放されるのはすべて中国人だ”
  • iPhone 6s、中国人は「ローズゴールド」がお好き

    物より早く 深圳ですでに発売されていたニセモノのiPhone 6s(左、販売価格は約1.1万円)とiPhone 6s Plus(約1.2万円) REUTERS 今や年に一度の世界的なお祭りとなったアップルの新型iPhone発売日だが、iPhone 6sとiPhone 6s Plusの発売がいよいよ明日に迫った。中国でも米国や日と同じタイミングで発売される。毎年似たような騒ぎが繰り返されるだけに、原稿を使い回してもバレないのではないかと邪心がよぎるほどの定番イベントだ。来年以降もしっかりと使い回せる、永久保存版の原稿をお届けしたい。 行列 毎年最大の話題となるのが発売日前の行列だ。数日前から行列を作るという強者までいるほか、中国の転売業者が学生やホームレスを動員して行列代行をさせるといった騒ぎもあったほど。中国のアップルストアではもっと大胆な行動に出る者もいた。専用バスで乗り付け、目印と

    iPhone 6s、中国人は「ローズゴールド」がお好き
    kinbricksnow
    kinbricksnow 2015/09/24
    世界的なお祭りの新iPhone発売日。毎年似たような騒ぎが繰り返されるだけに、原稿を使い回してもバレないのではないか。来年以降もしっかりと使い回せる、永久保存版の原稿をお届けしたい
  • 安保法案成立後の理性的な議論のために

    平和を求め、デモという政治参加が行われたのはよいことだったが(9月9日、雨の中のデモ) Issei Kato - REUTERS ■民主主義の新しいかたち 国会のまわりでは、大変なデモが行われています。安保関連法案に私は賛成の立場ですから、それらの人々とは立場は異なりますが、日が民主主義国であり、デモが法律で認められており、選挙以外の方法で自らの主張を訴えるためにも、このような政治参加が行われていることはよいことだと思います。 かつてフランスに一年間滞在して、ときどきパリの街中でデモ隊が行進しているのに出くわして、日でもこういうデモがもっとあればよいのに、と思っていました。確かに2005年には、サルコジ内相の発言に激怒した人々がパリ郊外で暴力的行動をとった事件もありましたが(このときもたまたまパリにいました)、それでもフランスでのデモはおおよそ、平和的で、理性的で、オープンです。成熟し

    安保法案成立後の理性的な議論のために
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    kinbricksnow 2015/09/24
    【オススメ】【細谷雄一】
  • なぜ政権寄りのネットユーザーが増えているのか

    政治に目覚める若者たち 以前は反体制、反共産党が主だったが今は違う imtmphoto – iStockphoto.com 2015年9月11日、中国共産党中央政治局常務委員会で「社会主義文芸の繁栄・発展に関する意見」が可決された。プロパガンダの担い手となる作家の育成、支援を指示する通達だが、その中に「大々的にネット文芸を発展させよ」という文言がある。ネット作家、ネット漫画家、ネット評論家はすでに、中国共産党のプロパガンダを担う重要な一角を占めているわけだ。 筆者はこの9月に、習近平政権のネット世論対策と中国社会の変化を描いた著書『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社新書)を出版した。同書にも詳述したが、ここでは「ネット文芸プロパガンダの今」と「中国ネットのムードの変化」を紹介したい。 ノリと勢いの御用ブロガー 政権によるネット文芸取り込みが満天下に示されたのは

    なぜ政権寄りのネットユーザーが増えているのか
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    kinbricksnow 2015/09/17
    “若者が"政治に目覚める"場合、これまでは基本的に反政府、反体制、反共産党というベクトルに向かっていた。ところが最近では逆に、反・反体制に"目覚める"ケースも少なくない”