国際的にデジタルアーカイブの技術動向として注目されているIIIF (トリプルアイエフ、International Image Interoperability Framework)。画像をはじめとするWebコンテンツを縦横無尽に公開・共有するための枠組みであり、コンテンツを利用した創造と発見の基盤となることが期待されている。仏典のデジタルコンテンツを用いた仏教学、人文情報学の研究を行なう永崎研宣氏は、IIIFはデジタルアーカイブの未来に新たな価値と幅広い可能性をもたらすと言う。IIIFの普及活動に携わる永崎氏に、IIIFとは何か、IIIFの活用事例、課題や展望をご執筆いただいた。 はじめに──IIIFとは何か? 世界各地のデジタルアーカイブで公開された高精細な画像を独自の視点から収集・編集し、注釈をつけて、独自のコンテンツとしてWebに公開する。そのようなことを誰もができるようにする規格が