2016/02/18 時代と分野を越えて「読む」 防災研究所附属地震予知研究センター 加納靖之 助教 文学研究科博士後期課程 橋本雄太 「ある土地で大地震が起こる頻度は百~数百年に一度。地震を理解し、今後の防災に役立てるためには昔の災害が記録された古文書を読み解かなければなりません」と、古文書の解読に取り組む科学者たちがいる。彼らはいま、分野を越えて人文学の研究者たちとともにデジタル技術を活用して解読を加速させつつある。みんなで読めば、困難は乗り越えられる。「読む」ことを通じて越境し続ける研究者たちに、「読む」ことから拡がる知の可能性について話を聞いた。 地震学者と古文書 2015年の初秋、北部構内にある理学研究科セミナーハウスの高い天井の下で、スクリーンに映しだされた古い絵図に頭をひねる人々がいた。スクリーンを前にコの字型に座り、たどたどしく「ゆう…がた、やま…つ…なみ?で、そうろう…」
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