主に母乳を通じたHTLV-1ウイルスの感染から数十年の潜伏期間を経て発症する血液のがん「ATL(成人T細胞白血病)」。ALTのがん細胞は遺伝子の修復する酵素の働きが強いため、抗がん剤による治療が難しく、再発しやすいという特性があります。 そんななか、佐賀大学医学部付属病院の末岡榮三朗教授らの研究グループと日本化薬は、同社が開発中の抗がん剤が、ATLのがん細胞の修復機能を抑制する作用のあることをマウス実験で確認したと発表しました。実験の結果はアメリカの血液学専門誌「Blood」電子版に掲載されています。 末岡教授らの研究班は、開発中の抗がん剤「NK314」と、従来の抗がん剤の有効性を試験管を用いた実験で比較。新しい抗がん剤は、がん細胞が遺伝子を自ら修復させる酵素の働きを抑制し、従来の抗がん剤と比較して、最大で5倍程度の効果がることを確認しました。 この結果を基に、がん細胞を移植したマウスで実