ひとが「魚を見ること」にはどんな意味が秘められているのか。 古代の養魚池文化にはじまり、黎明期の水族館のユニークな展示、植民地支配とのかかわり、SF小説や映画の影響、第二次世界大戦中の苦難、展示のストーリー化、さらにはヴァーチャル・リアリティ技術とのハイブリッド化が進む最新の水族館事情など、古今東西の水族館文化を図版とともに概観、ガラスの向こう側にひろがる水の世界へいざなう。 カラー・モノクロ図版を200枚以上掲載! はじめに ガラスのむこうの「海」 第1章 水族館前史 1 古代人の水族「観」 2 中世ヨーロッパにおける水族「観」 3 「紙の水族館」あらわる――近世~近代ヨーロッパの博物学 コラム1 日本神話における水界と水族のイメージ コラム2 中国・日本における藻魚図と本草学 コラム3 金魚文化の隆盛 第2章 モダンでレトロな近代水族館の世界 4 「アクアリウム」の誕生 5 帝国の水族
著者、伊藤祐靖は自衛隊初の特殊部隊である海上自衛隊の「特別警備隊」の創設に携わり、部隊創設後は先任小隊長として技術の向上に努めた人物である。本書は日本初の特殊部隊を創設した男の半生を綴った自伝であり、自衛隊という国防の最前線のリアルを描いたノンフィクションでもある。 そもそも日本は旧帝国陸海軍の時代から特殊部隊という特殊戦の専門部隊というものを持ったことがない。そんな日本がなぜ特殊部隊を創設する事になったのか。しかも、白兵戦を旨とする陸上自衛隊よりも先に海上自衛隊で。実はその発端となる事件の現場に伊藤祐靖自身がいたのである。 その事件とは1999年3月23日に発生した能登半島沖不審船事件である。イージス艦「みょうこう」は富山湾において「特定電波を発信した不審船の捜索」を命じられる。湾の中にいる何百隻という漁船の中から、北朝鮮の特定電波を発信した工作船を見つけるのである。不可能なように思われ
さらば、シェヘラザード (ドーキー・アーカイヴ) 作者: ドナルド・E・ウェストレイク,若島正,横山茂雄,矢口誠出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2018/06/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見る知られざる傑作、埋もれた異色作を発掘してきて本邦初訳作品を中心に紹介する《ドーキー・アーカイヴ》シリーズの最新刊がこのドナルド・E・ウェストレイクによる『さらば、シェヘラザード』だ。端的に紹介すればポルノ小説家が延々と自作を書いてボツにする内容が”そのまま”記されていく、メタ奇想フィクションである。 内容的にSFっぽいかなと読み始めたのだけれども、SFではなかった(これは別に僕がSF至上主義者であるわけではなく、SFマガジンの海外SF書評欄で取り上げるかどうか判断する必要があるという個人的事情によるものである)。とはいえ、スランプに陥りひたすら金にもならなそうな原稿を書き続け、
小説を評する、分析するといえば基本的には一人の人間が精読することによってそこで用いられている技法や、他の作品との関連、歴史的な意義などをあぶり出していく行為のことである。だが、それだけではなく、統計を通して語句の使用頻度、プロットの盛り上がり、書き出しについてなどを分析する手法も現在では発展してきた。本書『数字が明かす小説の秘密』は、そんな後者のアプローチを古典文学からベストセラーまで幅広く応用した一冊だ。 かつては作家の文章における使用単語の頻度などを調べたい場合、地道に人間が数え上げていく他なかったが、近年はプログラムを組んでテキストデータを流し込めば、お手軽かつ精確に同様の分析を行うことができる。著者らも自然言語ツールキットを用いて、文章を品詞ごとに分解した調査を行っている。この分野に関して、類書として邦訳本だけでもすでに『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリ
人文・社会科学系の大学教育は仕事に「役立っている」のではないか。「役立ちうる」のではないか。「役立っている」とすれば,どのような「役立ち方」なのか。なぜ「役立たない」と思われているのか。 「文系」として一まとめに語られてしまいがちな人文・社会科学系に含まれる多様な学問分野間の共通性と相違に注目しながら,調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討を行う。 本書全体の問題関心は,「いわゆる文系の大学教育は本当に「役に立たない」のか」という問いを,思弁的にではなく調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討することにある。そしてその際には,特に「文系」すなわち人文社会科学系に含まれるさまざまな学問分野――「**学」として一般的に受け入れられている個々の学術領域――の間の共通性と相違に注目する。(第1章より) ●執筆者紹介(*は編者) 本田由紀*(ほんだ ゆき) 東京大学大学院教育学研究科教授 担当
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