◇深谷、酒蔵跡活用 棚を借りて古本屋の店主を体験――。深谷市の「旧七ツ梅酒造跡」の酒蔵を活用した本屋「円の庭」が古本の陳列棚のオーナーを募集したところ、1週間足らずで20棚すべてが埋まった。店主の入江明さん(62)は急きょ10棚を追加、「本好きの人がこんなにいたとは」と驚いている。 酒おけの丸いふたが本棚やテーブルとして生き返り、「円」が強調されている店内。一角に幅55センチの「古本屋」がずらりと並ぶ。「背表紙を見ていると、店主の人柄が浮かび上がります」と入江さん。それぞれに趣向を凝らした書店名も掲げられている。 店主は1カ月500円で棚を借り、売りたい本をディスプレーする。売値は自分で決めても、スタッフに任せてもいい。販売手数料は売り上げの2割だ。 酒蔵跡を保存して街づくりに生かそうと発足した社団法人「まち遺(のこ)し深谷」が運営。同じ敷地には映画館「深谷シネマ」がある。詩が好き
家庭や地域で絵本の読み聞かせを根付かせようと、姫路市太市中の県立こどもの館で6月から「ひょうご絵本の伝承師養成講座」が開講する。週1回計6日で12講座あり、受講者を募集している。 講座は絵本の楽しさを若い保護者らに広げることなどを目的に2010年度から開講。講師は絵本作家の永田萠さん、黒井健さん、童話作家の大内曜子さん、絵本編集者の松田素子さん。作り手の立場から絵本の魅力などを語る予定だ。 開講は6月8日で、7月13日までの毎週金曜日の午前10時10分から午後3時。受講無料で託児所もある。応募条件は県内在住で毎回参加できること。読み聞かせボランティアの人や、絵本に興味のある人を幅広く募集している。修了すると永田さんデザインの「知事認定証」がもらえる。 定員80人。応募多数の場合は抽選。所定の申込書に「私の出会った大好きな絵本」がテーマの400字以内の作文と、氏名、住所、電話番号、メー
◆ニーズは高め 資料費が悩み あなたのまちは暮らしやすいですか――。県内の自治体のサービスを比較する新企画「比べてみれば」を始めます。第1弾は、市街地のにぎわいを取り戻す役割にも期待が集まる図書館を取りあげます。図書館事情から見えてきたものとは。 天井は高く、大きな窓から光が差し込む。ゆったりと座れるソファも。今月上旬、小学生と幼稚園の子ども2人を連れてきた岐阜市の主婦永椎(なが・しい)祥子さん(41)は「きれいで、明るいので来やすい。子ども向けの本がもっとあれば」と話す。 県図書館(岐阜市宇佐4丁目)は資料費にかけるお金は少ないが、利用者は多い。 県の図書館要覧によると、2010年度の図書費を含む資料費予算は2900万円で、全国47都道府県のなかで43位。開館当初の1997年度は資料費は1億円超、管理費も4億円超で、担当者は「全国で上位だったが、県の財政改革を受けて経費削減が進ん
図書館で読める雑誌を増やすため、筑後市立図書館(筑後市山ノ井)が「雑誌スポンサー制度」を始めた。1年分の雑誌を図書館に寄贈した企業や商店は、寄贈雑誌のカバー裏面と書架に広告を掲載できる。 筑後市立図書館では現在、料理や小説、マンガなど64誌を購入している。年間の購入費は約260万円。周辺市の公立図書館では、最も少ない大川市で88誌、最も多い柳川市では291誌を扱う。筑後市は昨年度から6誌増やしたが、それでも少なさが際立つ。 利用者からはここ数年、「もっと雑誌を置いてほしい」という要望が寄せられていた。現在は利用者の中心の30〜40代女性向けのファッションや料理の雑誌などが比較的多いため、ビジネス誌や週刊誌、歴史や鉄道など趣味の雑誌などを充実させたいという。 企業や商店は、寄贈する雑誌を自ら決めて、申し込む。図書館が利用者の要望などをもとに作ったリストから選ぶことができ、すでに図書館が
◆県立大出雲キャンパスにオープン◆ 「静かに」「飲食は禁止」があたり前の図書館だが、県立大学出雲キャンパス(出雲市西林木町)に5日、コーヒーを飲みながらおしゃべりも楽しめる図書館がオープンした。4年制の看護学部の新設に併せて整備した。 本館2階の図書館入り口通路の窓際にカウンター席のラウンジスペース、相談室に使っていた小部屋にグループで討論できるスタディールームを設けた。飲み物の自動販売機と無線LANのインターネット環境、パソコン画面を表示できるプロジェクターも備えた。いずれも利用できるのは大学関係者のみ。 出雲キャンパス担当の山下一也副学長は「看護学部はグループ学習が中心で、看護職が保健医療福祉の現場に出ればチームワークやディスカッションの力が重要になる。大いに語り合って力をつけてほしい」と期待している。(岡田和彦)
文豪芥川龍之介(1892〜1927)や菊池寛(1888〜1948)らの直筆書簡など約250点が宇都宮市内で見つかった。芥川の晩年の生活が垣間見えるものや、菊池が宇都宮で文化活動に尽力したことを示すなど、貴重な資料だとして3日、関係者らが発表した。 文書が見つかったのは、母屋などが国指定重要文化財になっている岡本家住宅(同市下岡本町)。当主の岡本郁男さん(67)らが、昨年の東日本大震災で被災した母屋の修復のため、資料を整理していて発見した。 芥川の書簡は2通あった。1通は、「文芸春秋」創刊時に編集同人だった斎藤龍太郎(のち編集局長)と社員の鈴木氏亨(しこう)に宛てた手紙。日付は4月24日で、芥川が自殺する2年前の1925年のものとみられる。「連日顔の具合わろくどうにもこうにもならないのですが、どうか今度だけは御かんべん下さいませんか。……今夜もこれから人のお嫁さんの話をつけに行かなければ
徳島市立図書館が1日、JR徳島駅前にオープンした。旧図書館よりも交通の便が良くなり、広さも3倍。利用者からは「使いやすい」との声も聞かれた。 図書館は、市民から「交通アクセスが悪い」という苦情が多くあり、徳島市徳島町城内から駅前の商業施設「アミコビル」の5、6階に移転。総面積は約3400平方メートルで蔵書も将来、現在の約30万冊から約50万冊に増やす。本が簡単に借りられる県内初の自動貸し出し機も導入。全国でも珍しいインターネットを利用した電子書籍の貸し出し、閲覧サービスも始まった。 また、子ども向けの本がある5階では毎日2回、絵本の読み聞かせなどの催しが開かれ、隣の子育て安心ステーションでは託児サービスも無料(だだし、保険料として1回につき100円)で利用できる。 この日、子ども2人を連れて訪れた徳島市の看護師原真希さん(38)は「以前はバスを乗り継いでいっていたので、アクセスが良く
◆中津川 休止の延長検討 建設中止の準備で今月末まで工事を休止する新図書館について、中津川市の青山節児市長は23日、休止期間の延長を検討していることを明らかにした。開会中の市議会で建設継続を求める請願が採択される可能性が高いためだ。1月の市長選で公約した「中止」だが、実現に苦しんでいる。 青山市長は2月、建設請負業者に工事休止を要請した。この間、中止で発生する市の負担金を試算。約9億円が必要とされ、現在精査している。この日の定例記者会見で、「3月末で中止決定か」と問われた青山市長は「休止期間を延長する選択肢もあり得る」と答えた。 市民から「建設継続を求める請願」が提出された市議会は、図書館建設派が多数派。採択が濃厚とみられている。このため、青山市長は「中止」を強行しても必要な経費が議会で認められず、立ち往生することを心配している。 青山市長は「建設即中止は一番楽な一つの選択。だが議
東日本大震災後、被災地に仮設図書館をつくる活動を続けてきた足利市の川端秀明さん(38)が、宮城県石巻市の商店街に全国からの寄贈本によるミニ図書館を作った。空き店舗を借り、仮設ではない息の長い活動の拠点にしていくという。その決意を込め、震災2年目が始まる12日に開館した。 場所はJR石巻駅近くの立町大通り商店街。もとは洋服店だった店舗を借り、「みんなのとしょかん」と名付けた。約20平方メートルのスペースに、絵本や漫画など3千冊を置き、テーブルといすを設けて読書コーナーも作った。 川端さんは足利市でイベント会社を経営し、日本青年会議所の栃木ブロック協議会会長も務めている。震災直後の昨年3月下旬から被災地に食料や生活用品などを運ぶボランティア活動をしたが、その際、被災者から「本が読みたい」との希望を聞き、ツイッターで本の寄贈を呼びかけた。次々と本が集まったが、避難所や親類宅に身を寄せている人
東日本大震災から1年を迎えるのを前に、天保4年(1833年)10月26日に山形県沖で発生した地震の様子を記した新発田藩の日誌「月番日記」が7日から、新発田市立図書館で特別公開される。津波の高さが「2丈」(約6メートル)に達したとの記述もあり、大きな被害を受けた様子が生々しく描かれている。 この日誌の正式名称は「御留守御在城行事」で、藩の政務が記録されている。江戸時代中期から幕末にかけての147冊が図書館で保管され、ふだんは公開されていない。 天保4年11月18日の日記には、被害状況を幕府に報告した内容が記され、農家の中には全半壊した家々があり、地震発生から約1時間後に「弐(二)丈余高波四五度」と、 高さ約6メートルの津波が4〜5度押し寄せたと書かれている。 阿賀野川や信濃川の河口、松ケ崎浜(現在の新潟市北区松浜)では漁船の流出・破壊が見られ、漁師の中には死者・行方不明者が出たとの記
36年間、地域の子たちの成長を見守り続けた川崎市麻生区の「私設ゆりがおか児童図書館」が今月末、閉館する。公立図書館が整備されていない時代、個人の熱意から生まれた小さな図書館は、静かにその役目を終えようとしている。 木造2階建ての図書館は、小田急線新百合ケ丘駅から約2キロの住宅街にある。開館日は毎週月、水、土曜日の午後。書架の前に座り込んで本を読む子、友達と楽しく話す子。 いつも笑顔であふれている。 6年前に88歳で亡くなった渋谷益左右(えき・ぞ・う)さんが、自宅近くに私財を投じて作った。子どもの時からの本好き。「退職後の第二の人生を子どもと本のそばで過ごしたい。子どもたちが素晴らしい本の世界に出あえる場をつくりたい」との思いからだった。 開館は1976年8月。ちょうど新百合ケ丘駅ができ、宅地開発が急ピッチで進められていた頃。近くに図書館はなく、子どもたちが集まれる場所も少なかった。
米アップル社のタブレット型多機能端末「iPad」で蔵書が読める武雄市の無料配信サービス「武雄市MY図書館」が開館して、まもなく1年になる。だが、著作権の「壁」をクリアできずに利用可能な図書の数が伸びないこともあって、利用登録者は初年度目標の千人には遠い約370人と足踏みしている。 情報技術の活用を施策で進めている樋渡啓祐市長が「図書館から遠くに住む人たちが手軽に市図書館の蔵書を読めるようにしたい」と昨年4月13日、慶応大の助言を受けながら、実証実験も兼ねて国内初の試みとして始まった。 構想では蔵書約19万冊を3年かけて電子化する。初年度は100冊を目標にし、市は関連予算526万円を投じた。2月末現在、武雄市史などを含め150冊になったが、iPad利用者は目標を下回り、約370人にとどまっている。iPadも台数を増やす方針だったが、当初用意した10台からは増えていない。 利用できるのは
中津川市が建設中止を検討している新図書館について、市民団体が21日、建設継続の要望書を青山節児市長に手渡した。また、市議会の吉村俊広議長には建設を求める請願を提出。賛成する市民ら1万6858人の署名も添えた。 ◆1万6858人署名添え 要望書提出 建設継続を求めたのは、新図書館の建設を希望する市民らでつくる「市読書サークル連絡協議会」と「図書館くらぶ」。この日は代表者らが市役所を訪れた。 要望書と請願は、「市議会の議決に従い建設継続をしていただきたい」「図書館は単なるハコモノと違い、教育施設で子どもたちだけでなく市民の憩いの場、生涯学習の場でもある」などと求めている。 図書館くらぶの桑沢宏康会長によると、署名は今月初めからメンバーや支援してくれる市民らで集めた。2143人の子どもや、市外2265人も含まれているという。 桑沢さんは「新図書館の建設は25年も待ち望んでいた市民の夢。
東京大学が「秋入学」への全面移行案を打ち出した。新潟大も検討組織の設置を表明するなど、県内教育界にも波紋を広げている。秋入学を検討する動きをどう評価し、大学の国際化にどう取り組むのか。県内の主な国公立4大学の学長らに聞いた。 ◇ ■新潟大 新潟大の下條文武学長は今月1日にさっそく、秋入学導入について「前向きに検討すべく、専門部会を立ち上げたい」との考えを明らかにした。 同大は2008年、留学生を増やすことなどを狙って、入学者や企業の意向を把握するため、秋入学を検討するワーキンググループを立ち上げて、情報収集をしたことがある。全国の高校421校を訪ね、同大卒業生が就職した企業63社にアンケートをしたが、「将来の課題とする」との結論にとどまった。 今回、再び検討を始めるのは、「経済、産業界が支援する動きを見せている。見ているだけではなく前向きに検討しようと思った」(下條学長)からだと
障害や高齢のために目が不自由な人に、ボランティアが向き合って本を読む「対面朗読」のサービスが、新潟市内の図書館で広がっている。市立では、中央区の中央図書館(ほんぽーと)しかサービスがなかったが、「もっと増やして」との要望を受け、市は北、秋葉、南、西蒲区の図書館でも昨年12月から利用できるようにした。 ◇ 「それでは、始めます」。外に赤いランプがついた「対面朗読室」で、利用者の正面に座ったボランティアの女性が、はっきりとした口調で分厚い参考書を読み始めた。隣には、同じ本を手にした別のボランティアの女性。声を聞きながら、一緒に目で文字を追い、時折、2人で読み方を確認し合う。 新潟市の対面朗読を支えているのは、市の図書館が養成したボランティアだ。市内各地に住む約30人が登録していて、事前に予約が入ると、都合のつく人に図書館側が声をかける。 目の不自由な人のために点字の本や、CDやカセット
◆本で漫画で時間旅行 鳥取市立中央図書館の館長室は、机やテーブルの上に本が山積み。マンガも多く、海外のマンガ雑誌から、鳥取市出身の漫画家・谷口ジローさんが描き、フランスだけで出版された作品までがずらり。「僕にとって宝物」と、館長の西尾肇さん(58)。自宅は5部屋が本で埋まっているという。 11月に県内である国際マンガサミットを機に、県は今年を「まんが王国とっとり建国イヤー」と位置づけ、イベント企画などをするプロジェクトチームを立ち上げた。西尾さんはそのアドバイザーの一人だ。「マンガ本来のおもしろさ、芸術として優れた点を伝えていくのが務め」と話す。 鳥取市生まれ。小学生時代、創刊間もないマンガ雑誌「少年サンデー」や「少年マガジン」を読みふけった。手塚治虫の「勇者ダン」や「ゼロマン」に夢中になり、卒業文集に「将来は漫画家に」と書いた。高校では三島由紀夫らの小説に夢中になり、文芸部で小説を
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