― 音楽知覚認知システムの解明 ― 発表のポイント 劇場で観客間に類似した感情が一斉に喚起される「集合的感情」現象が、観客の生理的応答の信頼性に依存することを、音楽刺激を用いた実験で発見した。 音楽による心拍同期の程度は、「曲の好み」や「その日の気分」よりも、音楽の情報処理を担う認知システムの信頼性により説明されることを実証的に見出した。 この結果は、観客の認知システムが示す応答の信頼性を高める仕組み(劇場環境や視聴デバイス)が、音楽で生じる感動体験の再現性に寄与する可能性を示唆している。 概要 劇場では、観客の間に類似した感情が一斉に生じ、強い一体感が生まれます。こうした集合的感情の基盤に、同じ舞台表現を鑑賞する複数の観客の生理的状態が揃う、同期現象があるとこれまで考えられてきました。早稲田大学人間科学学術院の野村 亮太(のむら りょうた)准教授は、音楽への生理的応答の信頼性という観点か
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