ある日本語を学んでいる外人から、こんな質問を受けた。 本当に日本語は常に否定疑問文を論理的に答えるのか? 例えば、「多くない?」って聞かれたときはどう答えるんだ。 はて、これはどうしたことか。私は今まで、日本語は常に否定疑問文を論理的に答えると考えていた。しかし、「多くない?」という疑問文に対しては、目的物が多くなかった場合、 うん、多くないね。 いや、多くないよ。 と、両方答えることが可能であるし、目的物が、多い場合にも、やはり同様に、二種類の答え方が可能だ。 はて、これはどうしたことだろう。常日頃、「英語はなんて非論理的な言語だ。日本語を見よ」と笑っていたのが、急に恥ずかしくなってきた。 ところが、どうも思うに、「多くない?」という文章は、私の感覚からすると、肯定疑問文にも、否定疑問文にも、受け取れるのだ。事実、英語のように非論理的に答える場合、私は肯定疑問文だと解釈している。とすれば