欧州大陸とアフリカ大陸を隔てるジブラルタル海峡。以前から計画されてきた、この両岸を結ぶ海底鉄道トンネルの実現に向け、スペインとモロッコとの交渉が新たな段階へと進む兆しを見せている。実現すれば、両国間の移動時間短縮や輸送コストの削減などが図れ、双方にメリットがあると期待される。スペインのラケル・サンチェス運輸相は「ヨーロッパとアフリカにとって”戦略的”なもの」と実現に向けた意欲を示している。 ジブラルタル海峡のトンネル建設計画は、1979年の「スペイン・モロッコ共同宣言」の調印までさかのぼる。その後、世界銀行、欧州投資銀行、アフリカ開発基金などから融資の提案を受けていたにもかかわらず、両国間の外交問題により長らく棚上げとなっていた。しかし、最近の外交関係の改善に伴い、このプロジェクトが息を吹き返してきた。スペインは2022年3月、西サハラ紛争に関し、モロッコの自治計画への支持を表明。これを踏