豊島 将之さん とよしま・まさゆき/1990年生まれ。4歳で将棋を始め、5歳から関西将棋会館の道場で学ぶ。史上最年少の小学3年生で奨励会入りを果たし、高校2年生でプロ棋士に。破竹の勢いで勝ち進み、若い世代を牽引する存在となった。2019年5月に名人、12月に竜王の二大タイトルを獲得。今年は初の防衛戦に期待がかかる。 豊島将之さんは、平成生まれの中で最初のプロ棋士です。昨年は、竜王・名人という二大タイトルを獲得し、「令和初の竜王・名人」誕生として話題になりました。この二冠を同時に保持するのは、羽生善治九段、谷川浩司九段、森内俊之九段に次いで史上4人目です。豊島さんと将棋との出合いは、どのようなものだったのでしょうか。 「4歳のとき、テレビで見たのが最初です。対局終盤の場面で、秒読みの緊張感が印象的でした。母がルールを教えてくれ、『王様を取ったり取られたりする』のが子ども心にスリリングだったん