ある瞬間、突然、自分がどこにいるのかわからなくなる。視覚障害のある人たちは、たびたびその恐怖に直面するといいます。風や雨が強まった時、道しるべの「音」が消えてしまうため、通い慣れたいつもの場所が、見知らぬ場所のようになってしまうのです。荒れた天気の日、街角で困っている人に出会ったら、私たちに何ができるのか、考えてみました。(ネットワーク報道部記者 吉永なつみ 大石理恵 高橋大地) 台風24号が日本列島に迫った9月30日、SNS上で、ある「お願い」が話題になりました。 「強い風の中で迷っている視覚障害者を見かけたら無理のない範囲で声をかけてほしい」 そして、風の強い日に道で困っていた視覚障害者を手助けしたことがあるという人からは、「音が聞こえなくなると方向感覚を失うと聞いた」という投稿もありました。