ウクライナでの市民の犠牲が増え続け、凄惨な現場の様子が伝えられる中、最近ニュースでよく聞くようになった“戦争犯罪” “ジェノサイド”というキーワード。 そもそも、国際法ではどういう位置づけなのか、一度、整理してみたい。 そんな思いから国際法の専門家に詳しく聞いてみました。 答えてくれたのは、長年、国際法の研究を続けてきた早稲田大学法学学術院の萬歳寛之教授です。 (聞き手 国際部・鈴木陽平) “戦争犯罪”ってなに? いわゆる“戦争犯罪”というのは、国家の指導者が違法な戦争の意思決定にかかわった場合、そして、現場で戦っている兵士が国際法のルールに反するような形で損害を発生させた場合に「個人の刑事責任」が問われるものです。 いわゆるジェノサイドと呼ばれる「集団殺害犯罪」、「人道に対する犯罪」、狭義の「戦争犯罪」、そして「侵略犯罪」。 4種類に分類できます。 「集団殺害犯罪」(ジェノサイド)という