ブックマーク / blog.tatsuru.com (26)

  • リンガ・フランカのすすめ - 内田樹の研究室

    大学院のゼミで、シェークスピアの受容史について論じているときに(いったい何のゼミなんだろう)通訳翻訳コースの院生から、私の論の中にあった「言語戦略」という概念についての質問を受ける。 言語は政治的につよい意味を持っている。 母語が国際共通語である話者は、マイナー語話者(たとえば日語話者)に対してグローバルな競争において圧倒的なアドバンテージを享受できる。 なにしろ世界中どこでも母語でビジネスができ、母語で国際学会で発表ができ、母語で書かれたテクストは(潜在的には)十億を超える読者を擁しているのである。 自国のローカルルールを「これがグローバル・スタンダードだ」と強弁しても、有効な反論に出会わない(反論された場合でも、相手の英語の発音を訂正して話の腰を折る権利を留保できる)。 だから、自国語を国際共通語に登録することは、国家にとって死活的な戦略的課題である。 ご案内のとおり、20世紀末に、

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    kkbt2 2013/09/26
    「宗主国民を知的に凌駕する人間が出てきてはもっと困る。「文法を教えない。古典を読ませない」というのが、その要請が導く実践的結論」
  • 亀の甲より年の功 - 内田樹の研究室

    個人的には水曜から春休み。 まだ木曜まで大学はあり、週末は入試だけれど、私の授業はおしまい。 三宅先生のところで身体をほぐしてもらってから、『中央公論』のインタビュー原稿に手を入れて、『AERA』の原稿を書いて、明治学院大学での高橋源一郎さんとの対談のゲラを直して、まとめてメールで送信。 それから部屋の掃除をして、アイロンかけ。 それだけやってもまだ日が高い。 あら、うれしや。 久しぶりにちょっと手の込んだ料理を作ろうという気になったので、買い出しに行って、コロッケを仕込む。 コロッケぐらいで「手の込んだ料理」は言い過ぎだと言われそうが、コロッケは油を使う行程が二段階あるので、ウチダ的には「ミートボールカレー」とともに「手の込んだ料理」に類別されるのである。 狭い台所だから、一回油をつかったあとに、全部片付けて、鍋も洗って、また揚げ物をするのはけっこう大変なのである。 下ごしらえができたの

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    kkbt2 2013/05/20
    「年功序列のいいところは評価コストがゼロで済むことと、評価に本人が文句を言わないこと、そしてなによりも「開花するのに長い時間がかかる能力」をとりこぼさないことである」
  • 「En Rich」のロングインタビュー - 内田樹の研究室

    沖縄で出ている『En Rich』という雑誌からロングインタビューを受けた。 沖縄以外ではなかなか手に取る機会のないメディアなので、ブログに採録する。 「いつもの話」で、かつ長いので、お暇なときにどうぞ。 ―大津市のいじめ自殺事件に関するブログで、「いじめというのは、教育の失敗ではなく、むしろ成果だ」と語られていたのが印象的でした。 今回の事件で、学校や教育委員会が情報を隠蔽した理由は、「バレたら叱られる」からです。だから、とにかく目の前の問題解決を先送りしようとする。 ミスがあれば、お互いに責任をなすりつけあって、責任を押しつけられたものが周りからの集中攻撃を浴びる。学校教育そのものがその「いじめの構造」を再生産している。 だから、他者からの攻撃を恐れて身を縮める。嵐が過ぎるのを首をすくめて堪え忍ぶという生き方が日社会に行き渡っている。「何もしない」というのがもっとも合理的な選択だと思わ

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    kkbt2 2012/10/15
    「忌まわしい事件があったとき、そのときほんとうは何が起きたのかを当事者自身の口から語らせる」「「俺が責任をとる」と言えば言うほど責任を取らなければならないような事態が起きる確率は減る」
  • 忠臣蔵のドラマツルギー - 内田樹の研究室

    モーリス・ベジャール振り付けの「ザ・カブキ」のパリ公演のためのパンフレットに「どうして日人は忠臣蔵が好きなのか」について書きました。 まず日語で書いて、それを一文ごとにフランス語に置き換えるという作業をしました。 うまくフランス語が思い出せない言葉は日語を書いている段階ですでに抑制されるので、ふだん日語で書くときとはかなり違う文体になります。 結論も「フランス人向き」にアレンジしてあります。 この夏パリに行って、バレーを見る機会があったら、パンフレットぱらぱらとめくってみてください。 忠臣蔵のドラマツルギー La dramaturgie de “Chusin gura” 日では、毎年暮れになると、どこかのTV局で『忠臣蔵』の映画かドラマが放映される。『忠臣蔵』に題材にした新作映画も飽くことなく製作され続けている。外国人の眼からは、定期的に『忠臣蔵』を見るという行為は、日人が国民

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    kkbt2 2012/05/07
    「中心が虚であるときにパフォーマンスが最大化するように日本人の集団が力動的に構成されている」
  • 格差と若者の非活動性について - 内田樹の研究室

    ある媒体から若者の労働観についてアンケートを受けた。 みじかい回答を期待していたはずだが、やたら長くなってしまったので、たぶんこのままでは掲載されないだろう。 自分としてはたいせつなことを書いたつもりなので、ここに転載して、諸賢のご叱正を乞うのである。 Q1.現在、世界では、経済格差(世代間格差ではなく、金持ちとそうではない人との格差)や社会への不満に対して、多くの若者たちが声を上げ、デモを起こし、自分たちの意見を社会に訴えようと行動しています。翻って日ではここ数十年、目に見える形での若者の社会的行動はほとんど見られません。これだけ若者たちにしわ寄せが行く社会になっているのに、そして政策的にも若年層に不利な方向で進んでいるのに、若者たちはなぜ、社会に対して何かを訴えたり行動したりしないのでしょうか? それは特に不満を感じていないからなのか、それともそうした行動に対して冷めているのか。ある

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    kkbt2 2011/10/18
    「マルクスは自分の才能を「万人とわかちあう公共財産のようなもの」だと見なしていた」この考え方はおもしろい。
  • 妄想の効用 - 内田樹の研究室

    河合塾の島原先生からメールを頂いた。 日曜の講演で、どうすれば知のパフォーマンスが向上するのでしょうか、という予備校生からの切実な質問に苦し紛れに「妄想しなさい」とお答えしたのであるが、これが塾生たちにはたいへん好評だったらしく、塾内では「妄想ごっこ」が流行の兆しだそうである。 つねづね申し上げていることだが、妄想はたいせつである。 強く念じたことは実現する。 「それ、ほんとうですか?」と疑念をもつかたもおられるやもしれぬ。 ご安心ください。 これはほんとうである。 多田先生がそうおっしゃったのであるから、間違いない。 多田先生がそうおっしゃったのは、中村天風先生がそうおっしゃったのを聞いて、「天風先生がそうおっしゃるなら、間違いない」と思われたからである。 天風先生がそうおっしゃったのは、頭山満翁かカリアッパ師からそう聞いて「この人が言うなら間違いないだろう」と思われたからである。 「・

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    kkbt2 2011/06/04
    「「強く念じる」というのは「細部にわたって想像する」ということである。」「想像したことが実現するのではない。想像していたからこそ、実現したことがわかるのである」
  • 移行期的混乱 (内田樹の研究室)

    平川克美くんの近著、『移行期的混乱』(筑摩書房)のゲラを読む。 タイトルは二転三転してまだ決まらないようだけれど、執筆中から、の話をするときは、ずっとこのタイトルで話していたので、私は勝手にそう呼ばせてもらう。 文明史的なひろびろとした展望の中で、現代日の景況・雇用問題・少子化・高齢化・格差といった「困った問題」をわしづかみにするような豪快な議論を展開している。 平川くんによると、今日経済学者や政治家たちはリーマンショック以後の経済危機を「システム運用上の失敗」に過ぎないととらえている。 だから、効果的な経済的な政策さえ実施すれば「再度新たな経済成長が期待できるはずである」という見通しを語る。 それがうまくゆかないのは個別的な政策の当否や為政者の賢愚という正誤問題に過ぎず、正しい政策、賢明な政治家に取り替えれば、問題は解決する、というのが彼ら政治家やメディア知識人たちの見たてである

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    kkbt2 2010/07/29
    けれども、その事例からなにごとかを学ぶことができるし、学ぶべきだと言う人に私はまだ会ったことがない」
  • 池谷裕二さんの講演を聴く - 内田樹の研究室

    池谷裕二さんが中之島の朝日カルチャーセンターで講演をすることになったので、ご挨拶にお伺いする。 池谷さんは講演ということをされないのだが、どういうわけか去年の11月にここで私と対談をしたときに、モリモトさんに籠絡されて、また講演をすることになってしまったのである。 ふだんは郷の薬学部の奥まった研究室にこもって、世間に顔を出さない池谷さんを「なま」で見られる機会を得たことを私どもはモリモトくんに感謝せねばならぬ。 例によってものすごいハイスピードで、最新の脳科学の驚くべき知見を乱れ打ち的にご紹介いただく。 面白かったのは、「トム・クルーズ」ニューロンと「ハル・ベリー」ニューロンの話だったけれど、それは面白すぎるので、また今度。 忘れないうちにメモしておこうと思ったのは、スワヒリ語40単語を覚えるプログラムの話。 それをご紹介しよう。 スワヒリ語の単語40語を学習して、それから覚えたかどうか

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    kkbt2 2010/07/11
    「脳の機能は「出力」を基準にして、そのパフォーマンスが変化するのである。平たく言えば、「いくら詰め込んでも無意味」であり、「使ったもの勝ち」ということである」
  • 労働について - 内田樹の研究室

    月曜の「キャリア教育」の一こまと、専攻ゼミで「働くとはどういうことか」についてお話する。 月曜の方は大教室で180人の学生さんを相手にマイクで講義という、ふだんしないことをする。 お相手は2,3年生。 就活についてはまだ不安だけという学年だけれど、バイトの経験はあるし、キャリアパスのための資格や免状のための科目はすでに履修しているし、セカンドスクールにも通っているものもいるから、「働く」ことについて漠然とした先入観は有している。 けれども、彼女たちの抱いている労働観は家庭教育とこれまでの学校教育の過程でずいぶん歪められている。 彼女たちは「ワーク」を「競争」のスキームでとらえている。 閉じられた同学齢集団内部で相対的な優劣を競うことが「ワークする」ことだと思い込んでいる。 そう教えられて二十歳近くまでやってきた彼女たちには、社会に出てから後は「ワークする」ことの意味が違ってくるという消息が

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    kkbt2 2010/04/29
    「「働く」ことの本質は「贈与すること」にあり、それは「親族を形成する」とか「言語を用いる」と同レベルの類的宿命であり、人間の人間性を形成する根源的な営み」
  • 「なんとなく」の効用 - 内田樹の研究室

    合気道のお稽古に行ったら、入会希望者が7人来ていた。 そのほかに見学者が2人。 このペースで入会されていただくと、遠からず道場は「いかなごの釘煮」状態になってしまうであろう。 四月というのは新しいことを始めたくなる季節であるので、毎年四月第一週の入門者というのは多いのであるが、それにしても・・・ 私のを読んで来ました、という人はそれほど多くない。 ほとんどのかたは「なんとなく」ネットで調べているうちに、家の近所にある道場とか、時間の合う道場を見つけて来られたのである。 だが、不思議なもので、確率的に言うと、はっきりしたモチベーションを持って入門した人と、「なんとなく」入門した人では、「なんとなく」の方が長続きするのである。 『あくび指南』にもあるとおり、「友だちに連れて来られた人」の方が「引っ張ってきた当人」よりも格的になってしまうというのは「ありがち」なことである。 よくタレントのデ

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    kkbt2 2010/04/26
    モヤモヤした印象が残る。結果を出すことを求められているわけでなければ、何となくの自発性を信じようということなのだろうか
  • 入試の季節 - 内田樹の研究室

    入試の季節が始まった。 これから2週間、週末は面接試験で出勤である。 私が受験生だったころ、大学入試は「1回勝負」であった。 今は10月から3月まで、何回もある。 どこの大学も AO 入試からセンター入試まで10種類以上のメニューを備えている。 「受験生フレンドリー」であるとも言えるが、実情は「死にものぐるいの志願者確保」であり、さらにひどい場合には「みかけの志願者数」の水増しである。 だから、各大学の志願者データは今ではあまりあてにならない。 去年、ある大学は「見かけの志願者数」を前年の3倍近く伸ばした。 でも、受験者の実数は変わっていない。 どうしてそういうことが起きるかというと、1学科分の受験料で複数の学科にも同時に志願できるシステムを採用したからである。 結果的にいくつも学科で同一人物が合格者にカウントされた。 だから、「合格者数が受験生数よりも多い」というケースが出てくる。 『大

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    kkbt2 2010/04/07
    「十人のうちの九人に気に入ってもらえなくても、べつにかまわないわけだ。そう考えると気が楽になる。しかしその『一人』には確実に、とことん気に入ってもらう必要がある」
  • マスメディアの凋落 - 内田樹の研究室

    光文社から出る『メディアと知』という仮タイトルのを書いている。 もともとは3年ほど前にやった授業の録音をテープ起こしして、それにちょいちょいと手を入れて・・・というお手軽のつもりだったのだが、書き始めると、「あれも書きたい、これも書きたい」ということで、どんどん話がくどくなる。 まだ第二講なのに、もう3万字。 全体で第七講くらいまでで収めたいのだが、収まるかしら。 メディアに論点を特化している。 マスメディア(テレビと新聞)の凋落、インターネットとメディア、ミドル・メディア、書籍文化、コピーライト、メディア・リテラシー、それにもともと「キャリアデザインプログラム」の中の授業だったので、最初のところではキャリア教育についても語っている。 マスメディア、とりわけ新聞の凋落について今書いている。 新聞メディアの急速な失墜をほとんどの人は「インターネットに取って代わられた」という通信手段のシフ

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    kkbt2 2010/04/02
    「インターネットメディアの利点は「用がなければ黙っている」ことができるということである。 「黙ることが許される」というのは思考する人間において手放すことのできない特権である。」
  • アカデミアと親密性 - 内田樹の研究室

    私大連のヒアリングがある。 飯学長と二人で、いろいろと大学経営についてのご質問を受ける。 聴き手は広島女学院大学の今田寛学長と私大連の職員お二人。 私大連加盟大学のうち、「地方」にある、「学年定員800人以下」の大学はどこも志願者確保に苦戦している。 加えて「ミッション系」の「女子大」の状況はさらに厳しい。 その中できわめて例外的に志願者確保に成功している大学がいくつかある。 学もその一つである。 定員管理が「入学者が多すぎる」というかたちで失敗するというのは、志願者確保に苦労している大学からは「贅沢な悩み」だと言われる。 「どうして、これほど悪い条件が揃っているにもかかわらず、志願者を集めることができているのか」を調べて「成功の秘密」を検知するという趣旨のヒアリングなのである。 改めて訊かれると、さあ・・・どうしてなんでしょうねと学長と顔を見合わせてしまう。 立地条件が特によいわけでは

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    kkbt2 2010/04/02
    「儀礼性や非効率性を差し引いても、「権限を委ねられたこと」が人間にもたらすこの自尊感情を私は高く評価する」どこを見てもポイントは信頼関係。ROIで測ると永遠に浮き出てこないポイントではある
  • 不安というセンサー - 内田樹の研究室

    ひさしぶりのオフ。 何日ぶりだろう・・・カレンダーを見たら、1月27日以来のオフでした。 極楽スキーとか温泉麻雀とか杖道会合宿とか、そういう「楽しい」系のイベントはオフに数えないのか、というトガリ眼のご指摘もあろうかと思うが、「オフ」というのは「予定がない」という状態のことであって、イベントのときの私はとっても忙しいのである。 だから、オフの日にしか「これまでやる時間がなくて積み残してきた仕事」を処理することがかなわない。 そして、そのような仕事の量はすでに1日や2日のオフでどうこうなるような限界をはるかに超えているのである。 10週間ほど「オフ」の日をいただければ、おそらく「不良在庫化」しているバックオーダーもことごとく処理され、担当編集者の顔に笑顔が戻ることになるとは思うが、10週間のオフを私が享受できるのは、おそらく臨終の床について後のことであろう。 私のカレンダーの「To do リ

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    kkbt2 2010/03/18
    「悲観論者や不安症の人を信用しないのは、彼らが「ほんとうに悲観しなければならない状況」や「ほんとうに不安になるべき場面」に機敏な反応をしないから」「暗殺の危機にある独裁者は出勤退勤のコースを変えない」
  • 及び腰ストラテジー - 内田樹の研究室

    普天間基地の移転問題がなかなか解決しない。 問題がなかなか解決しないのは、誰もが満足できるソリューションが存在しないからである。 当たり前のことを言うな、と言われそうだが、「誰もが満足できるソリューションが存在しないとき」に「早く、誰からも文句のでない決定を下せ」と言い立てるのはあまり賢いふるまいとは思えない。 「できるなら、しているよ」 ということである。 「先送り」というのはひとつのアイディアである。 これについてはかつて春日武彦先生から含蓄のあるお話しをうかがったことがある。 精神科に通ってくる患者の中にはしばしば家族関係のしがらみで「どうにも身動きならない」という窮状にあるものがいる。 あちらを立てればこちらが立たずという状況である。 そういうときには「先送り」するという手が有効だと春日先生はおっしゃっていた。 先送りにしているうちに、原因となっていた家族の誰かが死んだり、入院した

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    kkbt2 2009/12/24
    「「手を拱いているだけでよいのか」と憤る人がいるが、「手を拱いているだけで、何とかなってしまった」ということは人生には実はよくある」
  • 配偶者の条件 - 内田樹の研究室

    金曜日。朝、記念賞授賞式。うちの黒田くんが賞をもらったので、お祝いに行く。 大野篤一郎名誉教授による「セネカの幸福論」という講演がある。 ひさしぶりの大野先生のお話を聴く。 どこから始まりどこに行くのかわからない哲学的知性の遊弋。 忘れられかけた「古き良き大学」の空気が大野先生の笑顔から感じられる。 基礎ゼミでは「友人と恋人はどう違うか?」というお題。 おもしろい主題である。 これについては私見があるので、それを述べる。 「友を選ばば書を読みて、六分の侠気、四分の熱」という詩章がある。 知性、気づかい、向上心というようなものが友人を選ぶときの条件であるよということである。 では、配偶者の条件は何か。 与謝野鉄幹のこの「人を恋ふる歌」は広く人口に膾炙した「をめとらば才たけて、みめうるわしく、情けある」で始まる(男性配偶者の条件については言及していないが、同列に論じてよい)。 はたしてこれは

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    kkbt2 2009/10/19
    「自分と「代替可能」であるという自己認識がひとを幸福にすることはありえない」「挙げてこの「人間的価値の数値的・外形的表示」に狂乱している」「致命的に私たちの自尊感情と自己愛を損なっている」
  • 草食な時代 - 内田樹の研究室

    四年生の専攻ゼミでは「草男子から平成雑メンズ」というお題でお話を伺う。 こういう世代論的分類法はどれほど信憑性があるのかしらないけれど、遠く「モボモガ」や「アプレゲエル」の時代から始まって「太陽族」「六木族」「みゆき族」など「族」時代を経て、「○金/○ビ」、「根暗」、「新人類」、など無数のバリエーションがある。 どれも世相をすぱりと切り取って、鮮やかである。 今回の「草系」というのはネーミングが卓越していたので、広く人口に膾炙した。 けれども、それも「もう古い」のだそうである。 一月ほど前にはじめて耳にした世代分類カテゴリーが「もう古い」と言われては、おじさんの立つ瀬がありません。 きみたちの好きにしたまえ。 ただ、高度成長期、バブル期など「お金がだぶついているとき」は肉系の生き方が有利であり、低成長・不況・雇用不安期には草系の生き方が有利であるという大きな流れはあると思ってい

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    kkbt2 2009/04/30
    「自分は相対的には豊かであると思っている人間がそのことについて一抹の「疚しさ」を覚えるような時代の空気になっている」
  • 学びと暗黙知 - 内田樹の研究室

    後期最終日。 朝から忙しい。 11時にアートマネジメントのインターンシップについて連絡のため登校。 お昼ごろに卒業生の福田くん(チナツじゃないよトモカだよ)が来る。卒業後の波瀾万丈(でもないけど)について事情聴取。 社交館でいっしょにご飯をべる。 それから取材が2件、写真撮影が1件。 写真なんか「ありものでいいでしょ」と言ったのだが、ダメだといって、わざわざ撮りに来たのである。 カメラマンと担当の他に、ただ私に名刺を渡すだけのために代理店やメーカーの広報担当など5人来た。 もはやそういう無意味な商慣行が許容されるような経済環境ではないと思うのだが、彼らはまだそれに気づいていないのか、気づいていないふりをしている。 取材はNTT東日の社内報とEsquire。 どちらも、どうしてこんなに日人は「学ぶ」ことが苦手になってしまったのかという話。 そういえば、同じような話を日曜日の神戸国語教育

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    kkbt2 2009/02/07
    まさにその通りと思う。後世から見ればそうとう変な時代なのかもしれない。もっと言うと商品購入だって暗黙知はたぶんある
  • 福翁の「はげしい」勉強法 (内田樹の研究室)

    文部科学省は22日、13年度の新入生から実施する高校の学習指導要領の改訂案を発表した。「英語の授業は英語で行うのが基」と明記し、教える英単語数も4割増とする。 高校の改訂案では英語で教える標準的な単語数が1300語から1800語に増加。同様に増える中学とあわせて3千語となる。中高で2400語だった前回改訂の前をさらに上回り、「中国韓国教育基準並みになる」という。 改訂案は「授業は英語で」を初めてうたった。長年の批判を踏まえ「使える英語」の習得を目指すという。(12月22日朝日新聞) 水村美苗さんの『日語が亡びるとき』を読んで、「英語の言語的一元支配」が「現地語文化」をどのように滅ぼすことになるのかについて暗い予測をしているときに、こういう記事を読まされると、ほんとうに気が滅入る。 すでに現在の日の高校生の英語学力は壊滅的なレベルにある。 それは「文法、訳読中心の授業のせいで、オー

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    kkbt2 2008/12/26
    インセンティブがあればいいというものではないよということか。教育以外でも、そうなのだろうか。うーんよくわからない。
  • Let's downsize (内田樹の研究室)

    久しぶりに平川くんが遊びに来て泊まっていったので、朝ご飯をべながら、日の経済の現況とゆくえについて平川くんの見通しを聴いてみた。 中小企業の窮状は予想以上のものらしい。大企業の生産調整のしわよせを押しつけられた下請けでは前年度比30%の減収というようなのは当たり前だそうである。 彼の周囲でもばたばたと倒産が続いている。 アメリカン・モデルが崩壊した以上、このあと世界は多極化と縮小均衡の局面を迎えるという予測については私も同意見である。 日社会がこれから採用する基戦略は「ダウンサイジング」である。 平川くんのリナックス・カフェではこのところ「企業のダウンサイジング支援」というのが主力のサービスだそうである。 巨大なオフィスを引き払って狭いオフィスに移り、ネットワークを簡略化し、商いのスケールを縮めるためのノウハウを「教えてください」とお客が列をなす時代なのである。 企業は「縮む」とい

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    kkbt2 2008/11/22
    ドラッカーが日本について「人口が減ること」を第一に挙げていた理由が少しずつわかってきた。何もかもが(少しずつでも)増えていくことを想定している社会と、その逆を想定している社会では全然違う。