カリスマ経営者への直談判 ノキアが携帯事業で「北欧の巨人」の名声をほしいままにしていた08年当時、シラスマ氏はすでに迫りくるアップル「iPhone」の脅威を見抜いていた。それまで世界のスマホ市場の過半のシェアを誇っていたノキアにとって、その後のiPhoneのシェア浸食は決定的な痛打となっていたのだ。 しかも「iPhone」はノキアと違い、携帯事業の新規参入者。通信キャリアとのしがらみにがんじがらめとなったノキアが開発に苦しむ中、次々と独自のルールを作り出していった。ノキアの衰亡は決定的となりつつあった。 シラスマ氏は創業したセキュリティ会社・エフセキュアの会長を兼務しながら08年にノキアの取締役に就任したが、そこで見たのは改革の道筋を見いだせない大組織の姿だった。シラスマ氏の著書には衰退をリアルタイムで目の当たりにしながら、全容を把握できずにもがく生々しい記述がある。当時のシラスマ氏の危機
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