90分間全体では、両チームの出来に大きな違いはない。ただ、一場面を切り取ると、片方のチームだけに好要素が数多く整っている。俗にいう「ハマった」試合とは、このような条件の下に生まれるのだろう。 J1第2ステージ第7節のFC東京対G大阪。この試合は、FC東京側から見るとまさに「ハマった」試合だった。 前半15分、右サイドからネーサン・バーンズが仕掛け、そのクロスを米本拓司がゴール前で合わせた先制点。本来はゴール前に顔を出すことの少ないボランチの米本が、ペナルティーエリア内に入り込んだのには訳があった。負傷したセンターフォワードの前田遼一がピッチ外で治療を受けていたことで、スペースが空いていたのだ。 さらに後半13分の決勝点。米本のパスを受けた右サイドの羽生直剛のクロスを、バーンズがヘディングでたたき込んだカウンターからの得点も、マッチアップに恵まれた。 自陣からドリブルで爆走した米本をマークす