テアトル新宿の《喜劇の鬼才・川島雄三 生誕100周年記念特集上映》で、映画『愛のお荷物』(1955年)を鑑賞する。戦後のベビーブームに湧く社会を風刺した、川島監督の才気がほとばしる明るい喜劇映画。監督自身は意識的に子どもをつくらなかったときくが、どんな気持ちでこの映画を撮ったのだろうか。 愛のお荷物 [DVD] 山村聰Amazon 昭和30年、戦後のベビーブームのため増え続ける人口は日本の社会問題になっていた。この人口問題に対処すべく、時の厚生大臣・新木錠三郎(山村聡)は「受胎調節相談所設置法案」の立法を図るため国会の厚生委員会で熱弁をふるう。そうしているなか新木家では、大臣夫人(轟夕起子)の妊娠が告げられたり、長男(三橋達也)が大臣の秘書(北原三枝)とデキ婚することになったり、他にも家族や身内に次々に妊娠がみつかり大騒ぎになる。しかも大臣の隠し子がいたことがわかりびっくり。新木家の人口は