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  • 他山の石: 武藤文雄のサッカー講釈

    朝青龍が引退した。 つい先日、この力士の鮮やかな勝利に感心する講釈を垂れたのだが。巡業をサボって、タレントとボール遊びをしている分には、内輪の約束事を守るか守らないかだから、その処分は内輪で意志決定される事も許されていた。けれども、格闘家が人を傷つけては論外。大変残念だが、どうしようもない。 例のボール蹴りにしても、左手での手刀にしても、土俵でのガッツポーズにしても、敵にとどめを刺す態度にしても、それぞれは社会常識としては許容されても、相撲と言う家風の中では不適切な行動だったのだろう。しかし、高砂親方(2代目朝潮)も、北の湖前理事長も、武蔵川現理事長(三重の海)も、適切な指導を行う事はできなかった。そして、相撲界内での横紙破りの連発により、朝青龍の意識の鈍感さは極まり、社会常識から許されない暴行行為となってしまったと言う事か。 あの鮮やかな相撲がもう見られないかと思うと残念だ。態度や振る舞

    kodaif
    kodaif 2010/02/11
    "深刻な事態が発生し、将来に渡り相撲を見る事が叶わなくなる事だ。そうなる前に、何らかの自浄力がはたらく事を切に望みたい。と、ここまで偉そうに書いてきて、急に不安になってきた。我々は大丈夫なのだろうか。"
  • 武藤文雄のサッカー講釈: 日本代表の右サイドバック

    昨日のベネズエラ戦、右バックで先発した徳永は今一歩のできで、後半序盤に駒野と交代させられてしまった。このところ、定位置を確保していた感のあった内田が体調を崩しがちで、このポジションは確固としたレギュラが固まっていない。 左バックは、ここのところ長友がすさまじい上下動と激しい寄せで、ほぼ定着。バックアップも左右いずれもこなせる駒野、後方ならどこでもできる今野がおり、分厚い印象がある。3人とも左利きではないし、Jリーグでもこのポジションはいずれのクラブも手薄。しかし、来他のポジションの駒野、今野が起用にこのポジションをこなす事でバックアップが問題ないのは興味深い。 ところが右は上記の通り、内田、徳永、そして来ここが定位置の駒野が争うが、もう1つ決定打に欠ける感がある。 ベネズエラ戦、徳永は序盤からかなり積極的だった。前方にある程度スペースが確保できそうと見るや、ファーストタッチをかなり前目

    kodaif
    kodaif 2010/02/10
    "突破力があればFWとして期待されるし、展開力があればMFとして着目されるし、安定した守備ができればCBとして育成される。要は、どのようなタレントをサイドバックにすべきなのか、そのものが難しいのだ。"
  • ベネズエラ戦前夜: 武藤文雄のサッカー講釈

    結局日程問題に突き当たるのだ。 まともに代表選手にオフも提供できない事。 ワールドカップまであと半年になりながらアジアカップや東アジア選手権の日程に振り回され、思うような強化が叶わない事。 どう考えても、適切ではないこの2月上旬に有料国際試合を実施する事。 代表チームの好成績と充実したトップリーグの両立は、その国のサッカー発展に不可欠。そして、そのバランスを全く適切に取れなくなってから、もう何シーズン目になるのだろうか。もちろん、この厄介な問題の解決は簡単ではない。苦労に苦労を重ねて日程調整が行われているのもよく理解できる。視点を変えれば、「調整」部門は当によくやってくれていると考えるべきかもしれない。 けれども、厄介だからこそ、抜的に問題解決を目指さなければならないのに、姑息な調整しか行われない現状はつらい。まあ、この厄介な問題を全く理解できない程度の知識と判断力しか持たない人間がト

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    kodaif 2010/02/06
    "問題解決を目指さなければならないのに、姑息な調整しか行われない現状はつらい。まあ、この厄介な問題を全く理解できない程度の知識と判断力しか持たない人間がトップなのだから...やめよう。前向きに行こう。"
  • 小野伸二と稲本潤一: 武藤文雄のサッカー講釈

    小野伸二と稲潤一がJリーグに帰ってくる。私はこの2人の「現状」を見ると、何とも複雑な気持ちになってくる。若い頃抱いた「期待」と「現状」のあまりの落差に。 小野伸二は1度は欧州あるいは世界の頂点に近付いてくれた。 フェイエノールトでUEFAカップを制覇したし、あのチェコ戦でネドベドと互角の攻防を見せてくれた姿を忘れる事はできない。 私にとっての小野は、「世界にも稀な全軍を技巧と判断でリードできるタレント」だった。フェイエノールトでも、レッズでも、もちろん日本代表でも、体調がよい時には「世界にも稀な」プレイを見せてくれた。そして、その片鱗を最後に見たのは、4年前のワールドカップ直前の試合だった。 以降の小野を語るのはつらい。以前、これだけの事を書いた事がある。そして、残念ながら現状の想いは変わっていない。 その小野が清水に帰ってくる。当に最後のチャンスだと思う。 ただし、小野はまず定位置争

    kodaif
    kodaif 2010/01/29
    "悲しみつつも、この2人が苦闘してもなお幾多の名手が日本に揃っている現実を愉しみたい。そして、この2人が奇跡的な復活を遂げて、若い頃抱いた「期待」以上のプレイを見せてくれたならば、これ以上の喜びはない"
  • サヌアの逆転劇(上): 武藤文雄のサッカー講釈

    若い選手が良好な(失敗経験を含めた)経験を積めた事、色々と課題はあるが平山と言う異才がハットトリックを演じた事、勝ち点3を獲得し大会出場を決めた事など、結果的に結構な試合ではあった。ただし、山田直輝の重傷を除いては。 少々の判定の不平等はご愛敬だが、明らかに選手が大怪我をするようなラフプレイは排斥されなければならない。そして、審判団の重要な仕事は、試合をうまく管理制御する事のみならず、そのようなラフプレイを未然に防ぐ事も含まれる。けれども、アジアの国際試合では、ホームで戦う中国チームの試合を底辺に、このような事態が多すぎる。もちろん、中国チームとは異なり、この日のイエメンのプレイ振りは組織的狼藉ではなかったのだが、何とかしたいものだ。 しかし、ひどい前半だった。 非常に難しい試合になる事は試合前から予想されていた。経験の浅い選手達による、ほほぶっつけ番のチーム構成。天皇杯決勝に出場した

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    kodaif 2010/01/09
    "重要な仕事は、試合をうまく管理制御する事のみならず、そのようなラフプレイを未然に防ぐ事も含まれる。けれども、アジアの国際試合では、ホームで戦う中国チームの試合を底辺に、このような事態が多すぎる。"
  • ピクシーの勇気、花と散る: 武藤文雄のサッカー講釈

    天皇杯決勝、ガンバが大差でグランパスを粉砕した。勝敗を分けたのは、グランパス監督ピクシーの「あくなき攻撃精神」だった。 まずは、グランパスの攻撃的な姿勢に驚いた。ケネディをCFにして、常に玉田、マギヌン、小川のいずれかが両翼に張り出し、中村までが中盤前方に位置取り4-1-2-3とも言うべき配列。1人ボランチの吉村の展開は常識的だが速い。マギヌン、阿部あたりのサイドチェンジは長くて正確。それらを受けて、両翼に飛び出す選手のキープ力は抜群だし、人数もかけているので、えぐれないまでもアーリークロスはしっかり上げる事ができる。そして、そこにケネディが飛び込むだけで好機が作れる。 けれども、その分前に人がかかり過ぎるし、最後のクロスはいつも高精度のボールを入れられるとは限らないから、中央で奪われる事もある。そうなると明神を起点にしたガンバの逆襲は早いし速い。トップから引くルーカス、中盤上がり目から飛

    kodaif
    kodaif 2010/01/02
    "ただ、勝負として見た場合、ピクシーが採った作戦は正しかったかと言うと議論は分かれる事だろう。「攻撃的に戦うべきか、安全策を採るべきか」と言う古典的なサッカーの議論を思い起こさせる試合ではあった。"
  • 倉又寿雄対森山佳郎: 武藤文雄のサッカー講釈

    このままでよいのかどうなのか、幾多の議論はあるものの、明後日はクラブユースの最高峰を決める決勝戦が行われる。育成年代で相応の成果を挙げているFC東京対サンフレッチェ、非常に興味深い戦いとなる事だろう。両軍の若者の奮闘を期待したい。 で、今日のお題は、その質とは全く関係なく、双方の監督が「典型的なファイタータイプ」のサイドバックだった事について。 倉又寿雄が所属していた日鋼管(NKK)は、70年代までは、JSLにおいては必ずしも強豪とは言えなかった。しかし、81ー82年シーズンには大ベテランの藤島信雄を軸に、冷静に中盤後方を固める田中孝司や巨漢CF松浦敏夫らを擁し、天皇杯を制覇したあたりから、次第にJSLでも上位を伺う存在となる。倉又は当時から「闘えるサイドバック」として、チームの中軸を担っていた。そして、80年代半ばから、強烈な左足シュートを持つ藤代信世、中盤で才気あふれる組み立てがで

    kodaif
    kodaif 2009/12/26
    "この2人は知的だったのだ。ファイターだったのだ。そのような共通の印象を持たせてくれた、「見て愉しい」サイドバックが指導者となった。そして、多くの実績を重ねて来た。愉しみな対決である。"
  • Jの拡大路線の是非: 武藤文雄のサッカー講釈

    一昨日、さんざんと講釈を垂れたが、明日は今年最後のユアテックで天皇杯準々決勝を戦う事ができる。ここまで残れたのは戦闘能力の充実といくばくかの幸運が組合わさってのもの。リーグ戦とは別に存在するカップ戦のおもしろさまで堪能できるのだから、何と幸せなシーズンなのだろうか。しかも一戦交える強豪中の強豪には、アジア最高峰の名手や、ベガルタ出身選手がいる。この難敵に勝とうと言うのだから、もうそれだけで心が浮き立ってくるではないか。 そして、明後日は、友人に誘われてベガルタ仙台サポータズカップ フットサル大会に参加する。どういう大会なのか、どういうレベルなのか、さっぱりわからないが、すごく愉しい経験になる事が間違いない事だけはわかる。このようなイベントが存在する事、参加する機会に恵まれた事、それだけで幸せを実感できる。もし、この拙作をお読みで参加される方がいたら、是非声をかけてくださいね。 いや、よい年

    kodaif
    kodaif 2009/12/22
    "スポンサになってもらう事に成功している。このような地方のクラブに「Jの拡大路線」が、決定的な障害になるとは思えないのだ。地方の小クラブは、このような成功例に学び、努力を重ねていけばよいはずだ。"
  • ACLまで、あと2つ。: 武藤文雄のサッカー講釈

    トーナメントのカップ戦、たとえば、ワールドカップ大会でも、アジアカップでも、たまにこのような死闘があるではないか。 共にがっぷり四つに組み、虚虚実実の駆け引きが継続する。苦労して敵のMFを抜け出しても、双方のCBが粘り強く守り切る。いよいよ敵DFラインを突破したと思ったら、GKがファインプレイ。重苦しい展開が継続し、スコアが動かない。もつれるように延長戦に突入し、双方が力の限りを出して粘り合う。少しずつエネルギ切れする選手が出始め、それでも選手は戦い続ける。 たとえば、2006年大会のドイツ-イタリア、ウクライナ-スイス。たとえば、一昨年のアジアカップの豪州戦。 もちろん、天皇杯でも、ナビスコでも、他国のカップ戦でも、若年層の大会でも。いや、レベルは格段に落ちるが、「気で」学生時代にボールを蹴っていた人ならば、記憶にあるのではないか。全国大会を目指した地方の高校や大学の全国大会予選のト

    kodaif
    kodaif 2009/12/22
    "GKがファインプレイ。重苦しい展開が継続し、スコアが動かない。もつれるように延長戦に突入し、双方が力の限りを出して粘り合う。少しずつエネルギ切れする選手が出始め、それでも選手は戦い続ける。"
  • トリニータ経営破綻問題2: 武藤文雄のサッカー講釈

    ふにゃ様のコメントを受け、追記を加えました。ふにゃ様、ご指摘ありがとうございます。(2009年12月18日) 時間がないので、手短に。 トリニータの関係者には、とにかく目を覚まして欲しい。 監督を(怪しげに)選んでいる場合ではないのだ。今やるべき事は、社長を決め、上限人件費を固め、売れる選手を売り、最低限の選手で戦うチームを作る事。 テレビで高松や上村が「この体制では来期契約するかどうか決心できない」との趣旨の発言をしていた。そうではない。君たちが愛してやまないトリニータは、君たちをもう雇用はできないのだ。君たちが愛してやまないトリニータを守りたいならば、己の収入を度外視するか、去る事で貢献するしかないのだ。 現状の署名活動、募金活動は無意味だ。 その署名を誰に持って行くのだ?2億円の返済を反古にされそうになっている自治体にか?既に3億5千万円を供出したJリーグにか?10億円単位の負債を気

    kodaif
    kodaif 2009/12/22
    "集まらなければ、その募金活動は役に立たない。そして、1億円募金を集めるためには、1万人が1万円を支払う必要がある。言い換えれば、そのくらいの気概の人を1万人程度集めなければ、募金は奏功しない。"
  • トリニータ経営危機問題: 武藤文雄のサッカー講釈

    トリニータの経営危機について語りたい。 何よりいらだつのは、多くの報道を読んでも正確な状況が理解できない事だ。ほとんどの報道が、債務超過と赤字とキャッシュ不足を混同して述べているため、(少なくとも私が見つけた限りでは)破綻の状況が正確に理解できない。ただ類推するに、報道されている以上の「何か」があるとしか思えない。また、その割にクラブ周辺からは、あまりに楽天的な声も聞こえてくるのも不思議だが、これも正確な情報が出ていないからかもしれない。 以下、私なりにいくつかの報道を繋ぎ合わせた現状の推定と、トリニータがとるべき道筋を述べたいと思う。解釈の誤りもあるかもしれないし、何よりトリニータのサポータの方が不愉快に思われる事もあるかもしれないが、ご容赦いただきたい。 1.トリニータの財政状態を推測する たとえばこちらによると入場料収入は昨季より約6千万円減少する見込み。広告料収入も、レジャー産業大

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    kodaif 2009/12/11
    "魅力的だった。あのサッカーを継続すればJ1復帰は容易だろう。そして、あのサッカーの発展をじっくりと愉しみたい。そして、あのサッカーが消えてしまうのは、あまりに悲しい。けれども、それは叶わない夢なのだ"
  • まずは守備の充実を喜ぶ: 武藤文雄のサッカー講釈

    ベスト4でも1次リーグ突破でも何でもよいが、南アフリカでよい成績を収める事、いや「日サッカーの全てを出し尽くした」と言うサッカーをしてもらうために、まず何より固めるべきは守備の充実。したがって、この南アフリカ戦で何より確認すべきは、オランダ戦、ガーナ戦で顕在化した守備の課題が解決だった。 そしてこの南アフリカ戦、その課題が複数の面で解決されたのが大きな収穫だった。 1つ目。まず前半、敵にペースを掴まれても危ない場面を作られなかった事。 スタメンに稲、遠藤、長谷部の3枚ボランチ。一層の守備強化へのトライは納得できる。試合後に岡田氏も発言していたようだが、俊輔の体調が今ひとつだった事も、このトライの要因になったようだ。前半序盤こそ長谷部の前進と岡崎の受けの巧さでペースを掴んだ、しかし、30分くらいに田の前線でのプレスと後方のリズムが合わず、南アフリカDFに好フィードを出されて8番のツァバ

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    kodaif 2009/11/16
    "以前も述べたが「本田が全て解決してくれる」的な一部世論はこの選手を逆に苦しめかねない。他の選手にない単純な強さとシュート力を持つだけに、来年6月まで我慢して使い続ければよい。"
  • 南アフリカ戦前夜: 武藤文雄のサッカー講釈

    明日は南アフリカ代表戦。 来年番での経験と言う意味でも、難敵との対戦と言う意味でも、重要な試合となる。 南アフリカ戦と言えば、シドニー五輪を思い出す。あれから9年経ったが、当時の選手としては中澤、稲、俊輔の3人がメンバ入りしている。そして、敵方には当時からのエースのマッカーシーが代表復帰したらしい。 あの試合は、もちろん高原の鮮やかな2得点(それぞれ俊輔と中田英寿のアシストが見事だったが)がすばらしかった。ただ初戦の鮮やかな逆転勝ちの歓喜の印象はかなり強いのだが、結構妙な記憶も残っている。特に前半の事だが、マッカーシーの個人能力に中田浩二が大苦戦するのを俊輔が再三再四カバーして破綻を防いだ場面(うん、あの試合の俊輔の守備はすごかったな)。どこまで当かどうかはわからないが(直前のフランスワールドカップで采配を振るった)フィリップに対して南アフリカの関係者がほとんど近付こうとしなかったと

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    kodaif 2009/11/14
    "日々成長していく期待も大きい。ツボにはまれば抜群の切れ味を持つ左足で、どのような列強からも得点を奪い得る人材。この愉しみなタレントを、いかにチームになじませていくか、岡田氏の采配に期待したい。"
  • 44年目の陥落: 武藤文雄のサッカー講釈

    JSL開幕時から常に国内のトップリーグに所属し、1度たりとも下位リーグに陥落した事がなかった名門中の名門、古河-ジェフの2部リーグ陥落が決定した。 「44年の長き」と言う事ももちろんだが、これで日国内には「下位リーグ所属経験のないクラブ」がなくなる事になる。他国の事例は知らないが(詳しい人がいたら教えて下さい)、正に歴史的な事態と言えよう。 ちなみにジェフの次に長期間トップリーグ在籍を継続しているのは、日産-マリノス。日産は82年にJSL1部に昇格して以降の27年間の継続となるから、古河ージェフの記録に追いつくには後17シーズントップリーグの座を守る必要がある。残り17シーズンと言うと、偶然だがJリーグが開幕してから今シーズンまでとなる。これを長いと見るか、短いと見るかは人それぞれだろうが。ちなみに、Jリーグスタート時に加盟が認められたは10クラブ、今回のジェフの陥落でその10クラブで過

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    kodaif 2009/11/12
    "悲しさもあまり感じていないのも正直なところだ。もちろん、よりによって同じ日に味わう事ができた歓喜があまりに大きいためもあるだろう。ただし、感情と言うものは、足し算引き算で整理できるものでもない。"
  • 浦項のアジア制覇: 武藤文雄のサッカー講釈

    ACL決勝。浦項2ー1アル・イテハド。 世界で最も嫌いなサッカーの代表チームはどこかと問われると「韓国とサウジ」と答える自分がいる(もちろん中国は論外)。しかし、このアジアのライバルと言える2国だが、「嫌い」の次元が正反対に異なる。 韓国は02年の狼藉に目をつむれば、それ以外の「嫌い」には尊敬が入っている。実際この隣国の過去の名手達は、皆忌々しい連中だったが、後年管理職になって再会すると何かしらのうれしさを感じるし(だからこそ、02年の狼藉はこの国のサッカー界にとっては、大暗黒と語るべき汚点であろう)。でも嫌いだ。 一方でサウジに常に感じるのは志の低さ。技術的にも肉体能力的にも優れたタレントを揃えながら、駆け引きばかり考えるスタイル。戦闘能力的に明らかに劣る他国に対しても、守備的に戦うのはイタリアだってウルグアイだって変わりない。けれども、彼らは能動的に敵を引き寄せて逆襲を狙う。その鮮やか

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    kodaif 2009/11/11
    "「勝つ」と言う目的のために、リスクも冒し、ぎりぎりの反則も見せ、最終ラインで粘り、幸運も引き寄せ、粘り強く勝ってしまう。何とも腹の立つ勝ち方を眼前で見せられたものだ。"
  • 武藤文雄のサッカー講釈: 米本のはじまり

    前半20分過ぎだっただろうか、攻撃の起点となった米がハーフウェイライン手前より前進を始めた。この労をいとわぬ知的な若者のここぞと言う時の前進の判断は、常に的確だ。センターサークル後方やや右寄りから左方向に斜行した距離は40mくらいだったろうか、その米に平山がいかにも彼らしい柔らかな落とし。うまくフリーでボールを受けた米は急停止後右斜めに方向を変えながら1度ボールを持ち出し、浮かさぬようによく腰を落として、ミドルシュートを放つ。反対側のゴール裏で見ていた私からは、ボールが枠に飛ぶのはわかったが、距離も相当だし、GK川島を破るのは難しいと思った。 けれども、ボールは川島の手をはじきネットを揺らした。周辺のFC東京サポータの方々も、入るとまでは思わなかったのだろう、一拍おいて歓喜の絶叫とあいなった。 距離が遠かったせいもあり、最初は川島の判断ミスによる得点かと思った。でも私は間違えていた。

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    kodaif 2009/11/04
    "もう1度整理しよう。米本は攻撃の起点となった後、約40m長駆し、ボールを自分が蹴るポイントに正確に止めながら身体の方向を変え、サイドネットぎりぎりに約30mの無回転シュートを放ったのだ。"
  • グランパス敗退に思う: 武藤文雄のサッカー講釈

    グランパスがホームでもアル・イテハドに完敗し、日勢は今期のACLから皆敗退してしまった。大変残念だが、アジア王者を毎年獲得しようと言うのも、随分贅沢な話であり、仕方がないと考えるべきだろう。 もちろん、質的な勝負は敵地でのロスタイムでついていた訳だが、このホームゲームの戦い振りも疑問が多いものではあった。 まずスタメン。アレックス、ブルザノビッチをボランチに並べ(と言ってもブルザノビッチは前に前に行くから、アレックスの1人ボランチと言うべきか)、両翼に玉田とマギヌン、2トップにケネディと巻弟。小川はサイドバックに位置取り。「攻撃的なタレントを揃えて大量点を狙う」と言うと聞こえがよいが、明らかにバランスを欠いた布陣だった。 案の定、分厚く守るアル・イテハドに対し、完全に攻めあぐむ。玉田とブルザノビッチは行き場がなく、中途半端な位置取りで、攻撃のテンポを遅らせてしまう。致命傷となる最初の失

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    kodaif 2009/11/03
    "実に見事な試合だったのだし、存分に愉しい試合だった。組み合わせ抽選に文句を言う事そのものも愉しい事ではあるが、文句を言い過ぎるのは、これらの見事な戦いを否定する事になってしまうような気がする。"
  • 天皇杯の波乱と日程と: 武藤文雄のサッカー講釈

    ベガルタは天皇杯3回戦でアルディージャに勝利。だいたい天皇杯では、ここ最近ロクな成績を収めていなかったのだから、大変めでたい。悔しい事に、地域の中学校の大会の審判などがあり、生観戦できなかった。まあいいや、うちの中学生達の苦闘の末の優勝を見る事ができたし。 2回戦は、リーグ戦が水曜日にあった後の週末で、次にリーグ戦まで1週間空いてはいたとはいえ、ベストでは戦いづらい日程だった。しかし、今日は前後のリーグ戦と完全に1週間空いていただけに、ほぼベストの陣容で試合に臨めたのが大きいのだろう。今日は、ベガルタの他にも、ヴァンフォーレとサガンがJ1クラブを下した訳だが、J2の上位を争うクラブが、比較的余裕のある日程で一発勝負に臨めば、そりゃこのような結果も不思議ではない。 ちなみに、J1の上位を争うサンフレッチェがサガンに苦杯を喫した事が番狂わせ的な評価を受けているようだが、私はそうは思わない。決し

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    kodaif 2009/11/03
    "余裕のある日程で一発勝負に臨めば、そりゃこのような結果も不思議ではない。 ちなみに、J1の上位を争うサンフレッチェがサガンに苦杯を喫した事が番狂わせ的な評価を受けているようだが、私はそうは思わない。"
  • 忘れたいが、忘れてはいけない過去2009: 武藤文雄のサッカー講釈

    また今年もこの日がやってきた。昨年は異国滞在中だったために、件について書く事ができなかったが、毎年この日はあのクラブについて思い起こし、2度とあのような悲しい出来事は起こって欲しくないと考える事はとても大切だと思っている。 あれから11年が経った。当然ながら多くの選手が現役を去った、それでも当時の主力選手だった楢崎誠剛を筆頭に、、三浦淳宏、吉田孝行、波戸康広らは今なおJのトッププレイヤとして君臨している。以前も語ったが、あのクラブの「ある意味において明確な後継クラブ」と言わざるを得ない横浜FCはJ1での戦いも経験した。さらに、そこでは山口素弘がプレイし、そのクラブを最後に彼はスパイクを脱いだ。あのクラブでキャリアをスタートした遠藤保仁は、丹念に自らを磨き日最高の選手と評価されるに至った。いや、他にもあのクラブ出身のサッカー人は、加茂周、ズデンコ・ベルデニック、反町康治、ゲルト・エンゲル

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    kodaif 2009/10/30
    "ほとんどの危機を乗り越える事ができるはずだ。そして、それがサッカーなのだ。経営が苦しくなり、キャッシュが回らなくなり優秀な選手を確保できずに下位リーグに陥落しても、クラブが存続すれば夢は続く。"
  • ピクシーとデヤンと...: 武藤文雄のサッカー講釈

    (修正しました 2009/10/27) すみません。ピクシーの「シュート」直前の軌道をすっかり勘違いしてました。ピクシーさん、皆様、ごめんなさい。自戒を込めて字消し線で間違いを残しました。それにしても、投稿直後わずか15分で3お叱りをいただくとは、感謝感激であります。 少々旧聞になってしまうが、先般のマリノス-グランパス戦で、ピクシーが決めた「ロングシュート」から、あれこれ考えた事を。 それにしても、何とも言いようのない美しい軌跡だった。あのキックの精度を可能にした抜群の技量については言うまでもない。それ以上に、コロコロポワーンとボールがころがってきた飛んで来た瞬間に「これなら決められる、大観衆を喜ばせる事ができる」と判断したのだろうが、この閃きの豊かさを、どう讃えたらよいのか。 あの試合場にいて、あの場面を目の当たりにしたすべての方々(野暮な主審を含めて)に嫉妬するものである。 ところ

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    kodaif 2009/10/30
    "この2人は共にセルビア人ではないか。あのような類似した美しい弾道を、遠く離れた日本とイタリアで、新旧の同国のスーパースタアが、決めてくれた訳だ。その偶然に、サッカーの偉大さを感じずにはいられない。"