ブックマーク / morinaoto.hatenadiary.jp (11)

  • 大学教育の記憶 - もどきの部屋 education, sociology, history

    「最近の学生は勉強しない」「非常識だ(受講態度や勉学姿勢その他に関して)」「学力が低下している」「こんなこともできない」「あんなこともできない」...(以下省略)...とぶつぶつ言ってる大学教員がいた場合,ほぼ例外なく,その大学教員のほうこそ,まったく勉強(=研究)しておらず,研究=教育者として非常識で,学力が低く,無能である――ということを,私は数年間の大学教員生活でのゆるぎない確信として獲得した。 昨日もちょっと他人のついーとを見ていてうっかりスイッチが入ってしまった。学生のレポートにおけるコピペをめぐって「過剰に神経質」になる大学教員に対して,である→http://twitter.com/mnaoto/statuses/17389074009。「過剰に神経質」というのは,そういうコピペレポート防止にむけてその教員がとっている対策が,たいていの場合ほぼ無意味であり,非生産的で,かつ,学

    大学教育の記憶 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2010/07/02
    "だからこそ,どこかに存在するであろう,自分よりも要領よく勘所を押さえた「答案」を探し,それをコピーして,「自分のもの」だとして提示したくなる――なぜなら,そのほうが「確率が高い」から。"
  • 「給食費未納」分は「子ども手当」から天引きするかもの件 - もどきの部屋 education, sociology, history

    鳩山首相が山梨県での自治体首長との懇談後,首長側からの要望を受け,給費滞納世帯については未納分を「子ども手当」から天引きする形で対応する方向で法案を見直す可能性に言及したようです。 私は長期的には,「生まれてきた以上,〈生まれ〉によらずどんな人間にも教育を受ける権利が保障されるべき」という理念を具体化する制度として,親にではなく,すべての子ども人に対して直接に一律の生涯就学費用が給付される制度は実現されてよいと考えています(そのような給付金の(私が考える)理念上,「子ども手当」という名称はまったくもって不適切なのですが)。 けれども,短期的にみて,子ども手当の一律給付が現時点での最優先政策課題であるかどうかについては個人的にも疑問の残るところです。まずもって景気の回復と雇用情勢の維持・確保という課題への有効な対策がうたれるべきではないでしょうか。現在は,税収の急激な落ち込みにどう対処す

    「給食費未納」分は「子ども手当」から天引きするかもの件 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2010/02/03
    "わたしたちの“皮膚感覚”的な現状認識は,ともすれば実態とかけ離れた歪んだ像を描いてしまいがちです。「給食費未納」問題はさしずめ「体感・規範意識の低下」といったところでしょうか。"
  • 野中広務と戦後日本・序 - もどきの部屋 education, sociology, history

    「野中広務」という存在は「戦後日」を理解するうえで有効な切り口になりうると思う.以下,備忘メモ. 昭和初期〜戦時体制下で少年期を過ごす(1925〜1945). この時期の彼の履歴で重要なことは,旧制中学に進学したという事実と,中学卒業後,進学ではなく「国鉄」に就職したということだと思う.なんだか「国鉄」にこだわりすぎ,と思う人もいるかもしれないが,私にはここがきわめて重要であるように思う.ここに彼の最初の「被差別体験」がどの程度影を落としているか,などといったことはさしあたり閑却するとしても,だ.彼が国鉄に就職した理由として,自伝でもこのあいだのシンポでも語っていた理由(「公開」されている理由)は「脚色」(完全なウソではないが,勘所の真実をあえて外した理由)だと思う. 敗戦後直後の混乱期(=職場から青年男性が払底し,きわめて異例の「出世」が可能となった歴史的背景)に“あの事件”を経験する

    野中広務と戦後日本・序 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/12/21
    "旧制中学に進学したという事実と,中学卒業後,進学ではなく「国鉄」に就職したということだと思う.なんだか「国鉄」にこだわりすぎ,と思う人もいるかもしれないが,私にはここがきわめて重要であるように思う."
  • 地方入試会場での思い出 - もどきの部屋 education, sociology, history

    今年の予定も入れるとここ3年ほど地方入試会場(←いや大学体がすでに「地方」なんですけどね)の担当.うちは一般入試3日間行うので(ホテルに軟禁状態),入試最終日には教員・事務職員はもちろんのこと,受験生との間にもなんかしらん「仲間意識」みたいなものが発生する.みんな,よく頑張ったね,最後まで,みたいな. 1回分の受験料で最大3日間とも受験できる,という制度にしているため,どーーしても教師になりたい,でも「国立」は無理だ(センター試験で科目に満遍なく得点する,ということに難があるため),という受験生の多くは3日間とも受験しにくる.というか,そういう受験生が大半.わが大学・教育学部の教員就職率の高さと「面倒見のよさ」の定評に魅かれて.そういう高校生が世の中にはたくさんいるのです. 入試期間中は差し控えているが最終日終了後には開放感も手伝って受験生につい言葉をかけてしまう. かなりガタイのいい,

    地方入試会場での思い出 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/12/14
    "合格したが他の第一志望先にも合格したのでそちらに流出したか,あるいは本学に合格できなかったのか.私の目をまっすぐに見つめた彼の眼光の力を知っている者としては,前者であることを祈るばかりである."
  • Social Class in Contemporary Japan - もどきの部屋 education, sociology, history

    Hiroshi Ishida & David H. Slater(eds.), Social Class in Contemporary Japan: Structures, Sorting and Strategies(Routledge, 2009.11) キタ!...ってか出た! Social Class in Contemporary Japan: Structures, Sorting and Strategies (Nissan Institute/Routledge Japanese Studies) 作者: Hiroshi Ishida,David H. Slater出版社/メーカー: Routledge発売日: 2009/10/16メディア: ハードカバー購入: 2人 クリック: 45回この商品を含むブログ (5件) を見る目次: 1. Social class in J

    Social Class in Contemporary Japan - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/12/05
    "計量的/比較社会階層研究が明らかにする「日本社会」像とはまったく異なる集合表象としての「日本」像のほうが寧ろわれわれの時代認識や日常的判断の基準に浸潤する(ように思われる)......なぜか?"
  • ゆっくりと、振る。 - もどきの部屋 education, sociology, history

    むかし,どのTV局だったか忘れてしまいましたが,「野茂現象」として,メジャーリーグを目指し日のプロ野球界をスキップして(といっても,実際にはそもそも日の野球界で注目されるほどの実力もないまま)渡米する若者を追うドキュメントっぽい特集があったと思います. 解説者時代の現ソフトバンク・ホークス監督の秋山幸二氏が(ご自身がアメリカ・1Aチームへの「留学」経験があったためと思うが)アメリカ・マイナーリーグ(たしか1A)の野球チームで試合と練習を「積み重ねている」若い日人野球選手を取材していた.給料などほぼないも同然,車や部屋はチームメートとシェア,安いハンバーガーで空腹をまぎらし,ぼろバスに長時間揺られてアメリカ各地を転戦する日々.練習はその長距離移動の合間にごく短時間だけ行われる. 面白かったのは,その若者の「練習」風景をみる秋山氏の表情.プロ野球界でも人並み外れた練習量でならした秋山氏に

    ゆっくりと、振る。 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/12/02
    "スポーツの素人は,プロがものすごく細かい動作を俊敏に行ったりするさまに感嘆してしまったりするわけですが,実際は逆で,基本動作を大きく,正確に,ゆっくりと行う,ということのほうが難しくて重要なこと"
  • 思想地図vol.4 - もどきの部屋 education, sociology, history

    エントリが遅れてしまいましたが,編集部よりご恵投いただいておりました.ありがとうございます.遅れているあいだに(そんなことと無関係に)発売初日に増刷が決まりましておめでとうございます.私も読ませていただきまして,今までの誌(全部で4号ですか)のなかでいちばん早く読み終わってしまいました.自分のが載っているのより早いというのもいかがなものかと. テーマ的にいちばん面白く読んだのは黒瀬さんの「新しい『風景』の誕生」ですかね.理由は単純で『日・現代・美術』が論の入り口に置かれていたから. 起源としての「アジア太平洋戦争」によって歴史を剥奪された戦後日という「悪い場所」を論じる視点がすでに(近景と遠景の不気味な接近を特徴とする)「セカイ系」である,と.そこから特有のアニメ表現論が展開されたのち(このあたりで近年のアニメに見られる「定型」性を宿した新しい「風景」の描かれ方(と受容のされ方)が論

    思想地図vol.4 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/12/02
    "人がふつうに見ているものを別様に見えるように転換させる力をどうやって文章に宿すか,っていうことは分野の如何を問わずつねに重要な課題だと思いますが,漠然と思うのは,議論を収束させる「速度」がカギでは"
  • ステイクホルダーの所在,あるいは「構造改革イデオロギーの文明化作用」の問題 - もどきの部屋 education, sociology, history

    事業仕分け,花盛り.仕事柄,科学研究費関連のあれやこれやの議論などを中心に散見.「国民の前で議論を公開する」と言われましても,そもそも,なぜ,他ではない「この」事業が仕分けの対象として選択されたのか,の部分や,仕分け人から繰り出される疑義や意見に対する「利害関係者」からの応答・反批判等々に割かれる時間はそもそもないか,あるいはあまりにも不十分なので,「議論」ではなく「裁定」だけが「公開」されているんじゃないですかという,まあほとんどこの程度の素朴な感想に尽きる. 「議論」が公開されているというよりは,「議題(に決定したあとのもの)」から「議論の入り口(と考えるべきもの)」(←その実,相当程度最初っからあったとおぼしき「議論の結論」(?))のところだけが公開されてる感じ? 公開すべき「議論」というのは,第三者=事業仕分け人からの疑義や意見(そのなかには相当程度真っ当なものももちろん多く含まれ

    ステイクホルダーの所在,あるいは「構造改革イデオロギーの文明化作用」の問題 - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/11/30
    "「時間をかけない」ことで損なわれるものは何なのか,と.これまでは難しかった最適化プロセスも,これからのアーキテクチャなら,ほら可能!っていう,そのための「アーキテクチャ」の進化の言祝ぎであったはず"
  • 社会的排除と教育社会学(もうあきたのでとりあえず最後) - もどきの部屋 education, sociology, history

    「社会的排除」という概念が突破口になるわけではない. そこはくれぐれも勘違いしてはならない.「社会的排除」概念によって研究上の新しいインスピレーションが得られるとしても,そこで得られるもののほとんどは,これまでの教育社会学が「階層」という概念で捉えてきたテーマに尽きる,と私は思う. むしろ,「階層」という概念で捉えるべき問題を,わざわざ「社会的排除」という概念で把握することによって問題の所在が不明瞭になる,と言ってしまってもよい(いったいなんのための「文化」や「社会関係資」という概念の考案だったのか!). 「貧困」という概念で捉えるべき問題を,わざわざ「社会的排除」という概念で把握することが問題の所在を不明瞭にする“場合もある”というのと相同の難点だ. それでもなお,教育研究(とりわけ教育社会学)にとっては「社会的排除」概念がもたらす恩恵があるのではないかと(ぼんやり)私が思うのは,

    社会的排除と教育社会学(もうあきたのでとりあえず最後) - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/11/27
    "でも実際には人は最初,「子ども」として生まれてくる.圧倒的に未熟な「人未満」として生まれてくる.だから,「社会の再生産」というノイズが社会構想や社会設計にはつきまとうことになる."
  • 社会的排除と教育社会学(2) - もどきの部屋 education, sociology, history

    承前. 耳塚氏の報告「揺れる学校の機能と職業社会への移行―教育システムの変容と高卒無業者」は,彼が90年代後半から共同研究として着手していた,70年代末に実施したものと同じ対象高校・同じ内容の質問紙調査を軸とした調査・分析以降の諸研究ひっくるめたダイジェスト版のようなものだった.「トラッキングの弛緩」だの「メリトクラシーの空洞化」だのといったキーワードで内容の主旨は尽きている.かつてあった(耳塚氏世代の学校社会学者が若かりし頃には「高校間格差構造」*1だとして何よりも学術的糾弾の対象とした,あの)「トラッキング」が「弛緩」してしまい(←いいことじゃなかったのか?),高校教育の進路の水路づけ機能が低下するなかで職業への移行に失敗する若者(=高卒無業者)がこぼれおち始めている(それも低階層出身者から)現状を告発する問題提起だった. その後のフリーター/ニート/高卒無業者等を対象とした「教育から

    社会的排除と教育社会学(2) - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/11/27
    "では,それでもなお「教育」を通して現象を読み解く意義はどこにあるのか? あるとすれば,どのように問うべきなのか? それともないのか? ないならもうやめちゃえばいいのに,「教育社会学」なんか."
  • 社会的排除と教育社会学(1) - もどきの部屋 education, sociology, history

    これまでの日では教育問題や教育政策についての議論は社会政策と分離して論じられる傾向が顕著だったように思う.私は入会しているが,社会政策学会に入会している教育学者というのは何人いるのだろう(あ,ぼく教育学会には入ってなかったw.どう見ても教育学者じゃないかw...あはっ).社会学者はそれより多いか.しかし教育社会学者はきわめてわずかであるはずだ."Social Policy" といえばそこに "Education" も含まれているのが当たり前の海外の状況と見比べると際立つ現状なのではないか(←よく知らんけど). けれども現代の経済のグローバル化や情報化に伴う雇用機会の移動・流動化や労働の質的変容のもとで労働と教育(人的資形成)とのリンクはかつてなく重要性を増しているし(education-based society),子世代への教育上の機会均等政策は親世代への雇用・社会保障面での社会政策

    社会的排除と教育社会学(1) - もどきの部屋 education, sociology, history
    kodaif
    kodaif 2009/11/25
    "現実を克服し「排除」されている層を再び社会に「包摂」していく手立てを考えるうえでも,「教育」という補助線を引きつつ労働・雇用・社会政策の問題を考察していく領域横断的な思考法こそ,いま求められている"
  • 1