奈良県大和郡山市で2003年9月、逃走車の助手席の男性が警察官の発砲を受けて死亡した事件の付審判(ふしんぱん)で、殺人と特別公務員暴行陵虐致死の罪に問われた奈良県警の警察官2人に対する裁判員裁判の判決が28日、奈良地裁であった。橋本一(はじめ)裁判長は「殺意は認められず、正当な職務行為だった」と述べ、2人に無罪(求刑懲役6年)を言い渡した。検察官役の指定弁護士は控訴する方針。 検察官が不起訴とした公務員の職権乱用をめぐる事件の付審判は過去50年間で20例あるが、裁判員が審理したのは初めて。市民の安全を守る警察官の発砲行為の範囲を市民自らが判断した今回の判決は、今後の警察活動に影響を与える可能性がある。 2人は当時、自動車警ら隊の巡査長だった東(ひがし)芳弘被告(35)=現・組織犯罪対策2課=と、機動捜査隊の巡査部長だった萩原基文(もとふみ)被告(35)=現・捜査1課。 判決によると、