私が小野伸二を初めて見たのは1998年Jリーグ第2節、フリューゲルス-レッズ戦だった。清水商業高時代から「大変な素材」との噂は聞いていたが、どうしても生で観る機会がなく、初めて観るのがプロ入り後の2試合目だったと言う事。そして、その時の衝撃は今でも忘れられない。 フィールド全域を視野に入れ、ゆっくりとしたボールキープから、振りの速いサイドキックで前線に高精度のスルーパスを次々に繰り出す。攻撃が詰まると、ドリブルで溜めを作ったりもする。中盤で一緒にペトロビッチとペギリスタインがプレイしていたのだが、この2人が完全に小野を信頼し、ラストパスやサイドチェンジのような高難度のパスは小野に任せるのだ。さらに、この2人が不用意に前進した後をカバーし、全体のバランスまで取ってしまう。そして、守備に回った時の読みもボール奪取能力も相当なものがある。そのまま3ヵ月後のフランスワールドカップでのプレイが期待で