2020年3月14日のダイヤ改正で、新しい伊豆方面への観光豪華特急「サフィール踊り子」が誕生する。この列車の登場によって1990年4月以来、長年親しまれてきた観光特急251系「スーパービュー踊り子」(以下、SVO)は姿を消す。 伊豆方面へは戦前から現在に至るまで観光色の強い列車が数多く登場し、観光活性化に大きく寄与してきた。「サフィール」登場、SVO引退というタイミングに合わせ、伊豆観光で活躍してきた往年の列車を振り返ってみることにしよう。 伊豆半島の行楽ルート 首都圏からの行楽地として知られる伊豆半島東部は、伊東、熱川、下田、修善寺といった著名な温泉がある行楽のメッカだ。しかし、明治時代は海岸沿いを通る道はなく、人々は小説『伊豆の踊子』に見られるように、修善寺から天城峠などを経て伊豆半島に至った。 そんな伊豆方面への鉄道は、1938年12月に伊東線・熱海―伊東間の全通によって東京直通列車
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