重要なプロジェクトでの失敗、厳しい業績評価、同僚や上司からの批判―。仕事の現場では、自己価値が脅かされる経験が日常的に起きています。そんなとき、なぜか他者の欠点が気になり始めたり、他部署の仕事ぶりが目について批判的になってしまったりする。こうした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。じつはこうしたとき、私たちの中には“見えない偏見”が生まれていると考えられます。 ここでは、私たちの中にあるこうした"見えない偏見"のメカニズムを、ジェンダーの視点から明らかにした社会心理学の研究を紹介したいと思います。 自分の価値が脅かされると… 私たちは誰しも、自分の価値(=自己価値)が脅かされたとき、何らかの形で自分を守ろうとします。例えば、大切なテストで失敗したり、重要なプレゼンで批判を受けたりしたとき、私たちは自分を守るためのさまざまな心理的防衛反応を示します。 この記事の著者である石井と東京都立大
