今国会成立が見送られた検察庁法改正案が批判されるきっかけとなった黒川弘務・東京高検検事長の定年延長について、安倍晋三首相がインターネット番組で「法務省が提案した」と説明した発言が物議を醸している。法務省が沈黙する中、自身は無関係だと強調する姿勢に、元官僚らからは疑問の声が上がる。 「霞が関の幹部人事は、官邸に握られていることは明白。首相の言っていることは形式論」。検察庁法改正案に反対する前川喜平・元文部科学事務次官は、こう指摘する。 国民民主党の小沢一郎衆院議員も、黒川氏の人事を巡る首相発言について「総理は何事でも平気でうそをつく」とコメントした。