あまり一般の方には知られていませんが、労働業界周りの人であれば誰でも知っている超有名な「労働判例」という雑誌があります。 労働判例(2016年4月1日・1128号)私も労働事件を扱う弁護士の端くれなので、この雑誌を定期購読しているのですが、最新号におもしろいというか、目を疑うような事件が載っていました。 それは、関西で「類塾」を営んでいる株式会社類設計室が被告となった事件です(類設計室(取締役塾職員・残業代)事件・京都地裁平成27年7月31日判決・労働判例1128号52頁)。 ちなみに労働者の代理人は渡辺輝人弁護士です。 全社員を取締役にするという荒技雑誌「労働判例」の表紙に、いきなり「全員取締役制塾職員の労働者性と割増賃金請求」という言葉が躍ります。 ここで、労働業界周りの読者は「え?どういうこと?」と一気に引き込まれます。 そして、「ぜ、全員取締役制?!・・・・だと?」と心を鷲掴みにさ
1億総活躍国民会議で表明 安倍晋三首相は25日、長時間労働を是正するため、労働基準法の改正を目指す考えを示した。時間外労働について定めた労基法36条に基づく労使協定(36協定)のあり方を見直し、労働時間の上限値を設けることなどを検討する。来年の通常国会以降で法改正を目指し、経済界などと調整を進める。 首相はこの日、首相官邸で開かれた1億総活躍国民会議で、「長時間労働は仕事と子育ての両立を困難にし、少子化や女性の活躍を阻む原因となっている」と指摘。労基法の改正に関し「36協定の時間外労働規制のあり方について再検討を行う」と表明した。 36協定は企業と従業員側が結ぶ協定。協定を結べば労基法が定める労働時間(1日8時間、週40時間)を超える労働が可能になるため、上限なく長時間労働させられる問題が指摘されている。
企業の不正を内部通報した人が、解雇されるなど不当な扱いを受けたと訴えるケースが相次いでいることを受けて、消費者庁の検討会は、不当な扱いを行った企業に対し、何らかの行政指導や処分ができるよう、「公益通報者保護法」を見直すべきだという報告書をまとめました。 消費者庁によりますと、法律の施行後も、内部通報をした人が解雇されるなど不当な扱いを受けたとして裁判を起こすケースが相次ぎ、これまでに少なくとも29件確認されているということです。 このため、消費者庁に設けられた有識者による検討会は、内部通報した人を解雇したり降格したりした企業に対して、指導や勧告など何らかの行政指導や処分ができるよう、公益通報者保護法を見直すべきだという報告書をまとめました。また、内部通報をした人を国として適切に守れるように、消費者庁に専門の対応窓口を設けることも求めています。ただ、今回の報告書では、企業や経営者らに刑事罰も
小説投稿サイト「小説家になろう」を運営し、「小説家になろう」の商標権を保有しているヒナプロジェクト(大阪府枚方市)が、山形市で続いてきた文章講座「小説家(ライター)になろう講座」に対して名称の使用差し止めを求めた。これを受け、同講座は名称を変える――3月11日付けの山形新聞のこんな報道が、ネットで注目を集めている。 同社は「小説家になろう」の商標を13年に登録。一方、「小説家(ライター)になろう講座」は97年から続いている。後発の企業が、歴史ある講座の名称に“待った”をかけた今回の事態。ネットユーザーから批判が巻き起こり、失望と抗議の意味を込めて「小説家になろう」から作品を引き上げた作家も現れた。 ヒナプロジェクトは報道を受け、「一般の方などに反響があったことについては承知している」としながらも、「名称の使用を放置すれば、当社の商標権を維持することが実質的にできなくなる」と、差し止めを求め
面白そうな匂いのする話が出てました。 田中ゆうたろう杉並区議(美しい杉並)が理事を務める社会福祉法人明愛会(理事長は田中悦子氏=田中議員の母)明愛保育園(杉並区和田)の新設に区が補助金約1億6420万円を支払った件で、このうち約4700万円が、隣接する明愛幼稚園の経営母体・学校法人山本学園から用地借用に伴う「土地賃借料」の前払い金だったことが情報公開請求によってわかった。 田中杉並区議親族経営の保育園に補助金1・6億円、うち4700万円は身内別法人への「地代前払い金」と判明 – スギナミジャーナル これ、わたし、最初に読んだ時に何が面白いのか分からなかったんですが、ちょっと調べてみるとなかなか勉強になる話だったので記事にします。 経緯 2013年に明愛会が設立 同年に山本学園が国有地を1億9000万円で取得 同年に明愛会が山本学園の土地を賃借。補助金により前払い賃料4700万円を支払う。
【山本一郎】ソシャゲのガチャで,本当にヤバい問題はどこなのか ライター:山本一郎 カメラマン:佐々木秀二 山本一郎です。最近はどこぞから送り込まれたキッズ達を相手に楽しい日々を過ごしておりましたが,皆様はお元気ですか。 ちょうど1か月ほど前に,2016年年末年始に行われたCygamesの大ヒットコンテンツ「グランブルーファンタジー」のテレビ広告やガチャについての騒動と,消費者行政方面の見通しについて議論を整理した記事を書きました。 【山本一郎】グラブルの消費者問題に寄せて――スマホゲーム業界全体に漂う問題を軽くまとめてみる 「全国婦人会館」「消費者教育支援センター」「日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会」などそうそうたる顔ぶれの並ぶビル 読んでいただければ分かるように,スマートフォン向けゲーム市場はそれなりに成長し,また利益率も高いということで,多くの企業がこぞって参入する
ソシャゲ規制に影響あり? 改正景表法の施行規則および“課徴金納付命令の基本的要件”に関する一連の資料を消費者庁が公開 編集部:Gueed 4Gamerでは年始にスマートフォン向けソーシャルゲーム「グランブルーファンタジー」で発生した問題について言及した,山本一郎氏による記事を掲載した。その中で山本氏は,当該記事で扱った問題の一部が,“消費者に過剰な期待感を抱かせて消費を喚起しようとした”という,「不当景品類及び不当表示防止法」(以下,景品表示法)の有利誤認に当たる事案なのではないかと考えているとしていた。実際に有利誤認と判断されるものなのかどうかはさておき,こうした問題が出てソーシャルゲーム界隈を中心にたびたび物議を醸しているのは,4Gamer読者ならご存知のとおりだろう。 そんな中,消費者庁は本日(2016年1月29日),「不当景品類及び不当表示防止法施行規則」および「不当景品類及び不当
ystk @lawkus 実印は、経営者等でしょっちゅう使う人以外は登録しておかない方がよいです。面倒でも、使うときにその都度登録して、使い終わったらすぐに廃印することを強くお勧めします。実印は裁判で高い証拠力を有するので、親族等に実印を悪用されたためにえらいことになってる事件が沢山あります。 (再掲) 2016-01-03 09:30:09 ナスカの痴情ェ @synfunk 自分が知らない内に実印で連帯保証人、公正証書をつくられた例は弁護士でない俺でも多く見聞きしているので実印はローカス先生が言うようにその都度登録するようにしよう。 2016-01-03 10:36:30
【山本一郎】グラブルの消費者問題に寄せて――スマホゲーム業界全体に漂う問題を軽くまとめてみる ライター:山本一郎 山本一郎です。年始に株価は下がりましたが,体重は上がりました。 渦中の「グランブルーファンタジー」。全体の売上がいくらなのかもよく分からない化け物タイトルだ ところで,大型ソーシャルゲームとして知名度も高い,Cygames(サイゲームス)が開発・運営する「グランブルーファンタジー」(通称:グラブル)ですが,年始より盛大にやらかしたということで騒ぎが広がっております。グラブルでトラブルって感じですねHAHAHAHAHA。 冒頭から大爆笑ギャグを披露しておいてなんですが,Cygamesは過去にも問題を起こしております。それは2014年2月4日,スクウェア・エニックスと“共同開発”した「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」において,有償で回す高額ガチャのイラストとして貴重な
安保法制が違憲かについて、朝日新聞が6月に憲法学者209人を対象にアンケート調査を行い、7月11日に発表した。それによると、回答者は122人。うち、違憲回答が104人、違憲の可能性が15人、合憲が2人だった。このことを報道価値として、「安保法案「違憲」104人、「合憲」2人 憲法学者ら」(参照)とする記事が掲載された。 違憲104人に対して合憲2人というと、圧倒的な対比に思われるが、回答が約58%であり、未回答者のついての取材はなされていなかった。ただし、アンケート対象209人に偏りがあったとも思われないことは、有斐閣の判例集「憲法判例百選」執筆者全員を対象としたことから察せられる。該当の朝日新聞報道から理解できることは、憲法学者の大勢が安保法制を違憲と考えているということで、そのこと自体は実態を反映しているだろう。 アンケート詳細も興味深いものだった。なかでも「現在の自衛隊の存在は憲法違
2015.07.15 憲法第九条二項には、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあります。しかし、政府は、「外国からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされる場合にこれを排除するために必要最小限度の実力を行使することまでも禁じていない」という解釈をしており、自衛隊はこれを裏付ける実力組織であります。 このように自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織とされており、「通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものであって、憲法第九条二項が保持することを禁止している『陸海空軍その他の戦力』にはあたらない」というのが政府の解釈です。 自衛隊の任務は、自衛隊法の第三条一項に明記されています。 「自衛隊は、我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、・・我が国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持にあたるものとする」。 つまり、他の国からの侵略行為を受
社員が職務としてなし遂げた発明について、特許を取る権利を「社員のもの」から「企業のもの」に変えられる改正特許法が3日の参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。企業は「発明の対価」をめぐる訴訟リスクを減らせる。一方、社員の発明への意欲をそがないよう企業は特許庁の指針に沿って社員に対価を支払う。改正法は、特許を取得する権利が企業に帰属するのは、あらかじめ権利の取得や対価の支払いを社内規定な
日本国憲法9条は「武力による威嚇又は武力の行使」という文言を用いていることからも、その規範内容には国際連合憲章からの影響が見てとれる(2条4項)。しかし同条は、憲法制定当時の時代状況から考えても、「個別的自衛権」に関して規定するのみであり、「集団的自衛権」の保持・行使については、必ずしも具体的なことを想定していなかったと思われる。そうであるとすれば、少なくとも法解釈論上は、集団的自衛権の行使を可能とする文理解釈が一切成り立たないとまではいえないと考える。もっとも、政府は、集団的自衛権の行使は憲法9条に照らして認められないとする内閣法制局の見解を、昨年7月の閣議決定にいたるまで一貫して維持してきた。したがって、そのような確定的といえる政府解釈を、十分に説得的な論拠を示さずに唐突に変更することは、法的安定性・予見可能性に悪影響を与えるものであり、望ましい対応とはいえない。また、本件閣議決定の内
まず、私は、一般的にいって、現行の9条のもとでも集団的自衛権と呼ばれるものの一部の行使は可能と解釈する余地があると考えています。その意味で、設問1につきCと回答しました。しかしながら、従来の政府見解の変更にあたっては法論理的な説明が十分に尽くされるべきであり、かつ、国会自身もこの点に関するみずからの解釈を示すべきです。たとえば、昨年7月1日の閣議決定における9条の「解釈」の説明は、「従来の政府見解における憲法第9条の解釈の基本的な論理の枠内で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くための論理的な帰結を導く必要がある」としながらも、安全保障環境の変化を指摘したうえで、いわゆる新三要件のうちの第一要件を「従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った」とするのみです。このような説明は、解釈も必要に応じて変更されうるし変更の必要性がある
憲法判例百選の執筆者198人にアンケート調査を行い、151人の方々から返信をいただきました。 (調査期間6月6日~12日 他界した人や辞退した人などを除き、アンケート票を送付) 今回の安全保障法制についてのご意見を、ご自由に、ご回答いただきました。そのなかで、ご自身の見解を実名で公開してもいいとされた方々です。 お名前をクリックしますと、解説内容がご覧になれます。 ※ご回答いただいた順となっています。
日本音楽著作権協会(JASRAC)がテレビ局などと結んでいる契約方法が、独占禁止法違反(私的独占)にあたるかどうかをめぐって争われた裁判で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は28日、JASRACの行為には「他の事業者の市場参入を著しく困難にする効果がある」と認める判決を下した。 この最高裁判決によって、JASRACと放送事業者が結んでいる「包括契約」が、独占禁止法の禁止する「私的独占」にあたるかどうかを、公正取引委員会(公取委)があらためて審判をすることになった。 ●「排除」が争点だった 最高裁で議論されていたポイントは、JASRACの行為が「他の事業者を排除しているかどうか」だった。これは「私的独占」にあたるかどうか判断するときの要件のひとつだ。 最高裁判決はこの点について、「他の事業者の市場参入を著しく困難にする効果がある」としたうえで、特段の事情のない限り「正常な競争手段の範囲を
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