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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI (30)

  • 娯楽業界の苦しい今。「パチンコがアニメだらけになった理由(わけ) - 深町秋生の序二段日記

    ノンフィクションライター・安藤健二の新作「パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)」を読んだ。タイトルがすべてを表しているが、パチンコ業界とアニメ業界の両方の現状を描き切った、安藤健二の新たな代表作だと思う。 「封印作品の謎」でセンセーショナルなデビューを果たした著者だが、デビュー当時からミステリファンの読者が多かった。表現の自由をむしろ潰すほうに回っていた事実に気づいた著者が、新聞記者という職を捨て、なぜ世間から封印される作品が生まれるのかを追ったデビュー作は、まるでヴァクスやルヘインといったネオ・ハードボイルド作品のようだった。円谷プロや藤子不二雄といった強大な敵にひとりでぶちあたるところは、いかにも己しか頼るものがない一匹狼の探偵という感じ。 こうなるとミステリ作品と同じで、敵が強大であればあるほど、読み手にとってはうれしい。今回はパチンコ業界という、秘密主義かつ複雑怪奇な利権がご

    娯楽業界の苦しい今。「パチンコがアニメだらけになった理由(わけ) - 深町秋生の序二段日記
  • 2010年12月19日のツイート - 深町秋生の序二段日記

  • 禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記

    強烈なノンフィクションを読んだ。 05年に発売された石井光太の『物乞う仏陀』である。08年に文春文庫として発売されて、先日それを読んだのだが、かなり感情を揺さぶられる。こんなノンフィクションがあったんだなあと素直に驚いた。 じつは母から「これおもしろいから読め」と半ば無理やり押しつけられたのだが、しばらく放ったらかしにしていた。だって「アジアの物乞いや麻薬売人、ストリートチルドレンらと暮らし、最底辺に生きる人々を赤裸々に描く」という内容だからだ。 ちょっと……なあ、と読むのを保留していた。バックパッカーの旅行記や体験記、社会派ジャーナリストのノンフィクション、人気マンガ家や作家もいろんな形でアジアなるものにトライしている。つまりあれだろ。「どうしようもなく貧乏で法もいい加減だし、人々は筆舌に尽くしがたいほどしんどい想い(それこそ曾野綾子なんかが「当の貧困とはこれだ」みたいにドヤ顔で言い

    禁断に片足突っ込むノンフィクション「物乞う仏陀」 - 深町秋生の序二段日記
    kousyou
    kousyou 2010/08/23
    これ、前々から読みたいと思っていた。
  • ヨシモトと暴力の空気 - 深町秋生の序二段日記

    今週のネット界はこの話題で持ち切りだった。 http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1495370.html(「人志松のすべらない話」で千原ジュニアがした話が、レイプ未遂、傷害罪では?と批判殺到) 放送作家でタレントの木村祐一が、自宅に招いた女性に、カチカチの凍った鶏肉を投げつけたという話。深夜に招いたのに、やらせてくれなかったのに腹を立て、鶏肉を放って追い返したというのだ。 それを千原ジュニアが粗暴な雰囲気ぷんぷんさせながら語るものだから「どこがすべらない話なんだ」「ただのDV野郎じゃねえか」「犯罪自慢かよ」と非難ごうごうなのであった。 リンク先にそのときの模様があった。見たけれど、なるほど、これは誤解を生むだろうなと思った。ニヤっと笑ってしまうところもある。私はゴシップや陰口が大好きなので、「ああ、木村祐一って(文化人ぶってるのに)そんなあぶ

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  • キタノ版ダーウィンが来た! 満腹映画「アウトレイジ」 - 深町秋生の序二段日記

    さてさっそく「アウトレイジ」を見てきた。 いやー、よかったなあ。じつにすばらしい。後期北野映画の最高傑作などという前評判を耳にしていたけれど、評価はけっこう賛否両論(おすぎが週刊文春でやっぱりひとつ星をつけていた。まあ恒例行事みたいなものだが)だったこともあり、見る前はかなり不安があったのだ。 得意としているヤクザバイオレンスでも、過去には「BROTHER」というひどい作品があった。アナーキー気質のたけしさんが、自分でもさっぱり信じていないであろう任侠道を、たっぷりナルシスティックに美しく描こうとした野心作で、ヤー公のくせに、まるで空腹の仏さまのために、自分の身を炎に投じるウサギみたいなやつがいたり、ハラキリしちゃうやつがいたり、「アニキは最高だぜ」なんて黒人に言わせたりと、じつに気持ち悪い珍作であった。 たけしさん自身は、面倒見のいい親分肌で、義理人情に厚い人だといわれているが、義理人情

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  • トーキョー手垢まみれ - 深町秋生の序二段日記

    山形のあるローカル誌で対談をした。 地元山形について喋っていたのだけれど、そのなかで「東京を舞台にして書くのが難しい」という話になった。東京という街自体がすでに手垢まみれで、えらく記号化してしまっている。あまりに語られすぎてもう新鮮味がまったくないというか。 たとえば「若者が暴れた」という、そういう場面があるとする。そこで「渋谷で若者が暴れた」と街の名前をつけるとあら不思議。なんとなくK DUB SHINE のようなコワモテなラッパー不良が暴れているというイメージが勝手にたちあがる。また「秋葉原で若者が暴れた」というと、暗いオタクがカッター振り回しながらメイド店員に襲いかかるようなイメージが湧いてくる。 この記号性を利用して書くこともできるけれど、基的にシヴヤとかアキハバラとか、ちょっとベタすぎて舞台設定として難しいだろうなという話。自分も「東京」と名のついた小説を書いたけれど、けっきょ

    トーキョー手垢まみれ - 深町秋生の序二段日記
    kousyou
    kousyou 2010/05/17
    分倍河原で若者が暴れたり、青物横丁で恋に落ちたり、眠らない街狛江、とか都下に行けばまだなんとか新鮮味が・・・ないか。
  • 非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記

    近所の映画館がまだ「アバター」をやっていたので見てきた。 この時期になるとさすがの大記録映画でも観客はまばら。というか私を含めて二人だけだった。おかげでとてもリラックスしながら鑑賞できた。メガネをつけたり外したりして、「お、浮き上がる。浮き上がらない。メガネをかけると……おー、やっぱ浮き上がる!」と新しいおもちゃを手にしたチンパンジーのように愉しんだ。 なにも考えずに見るとなかなかおもしろい。3D映像のアトラクション的なハッタリ感や後半のド派手な戦闘もよかった。悪い地球人が大量のナパーム弾を叩き込んで、青い部族の人らが大切に大切にしている巨木をぶっ倒そうとするところがお気に入り。ぞくぞくとした背徳感を覚えてしまった。人が大切にしてるものをぶっ壊すのはやっぱ楽しいなあと。 一見するとエコやロハスでインターナショナルかつ道徳的な物語に見える。子供にも見せたいという親御さんも多かったことだろうが

    非実在異文化交流。ハリウッドの俺の空「アバター」 - 深町秋生の序二段日記
  • たちあがってた男の伝説「裏本時代」「AV時代〜村西とおるとその時 - 深町秋生の序二段日記

    http://www.tachiagare.com/(勃チ上ガレ、性欲) うははは。「たちあがれ」が妙な流行語になってしまった昨今。(個人的にはインポテンツ日と言いたくなるけど)先見の明というべきか、たちあがれドットコムというと、村西とおるプロデュースのダイナミックなスタミナドリンクが登場するのだった。都知事のセンスは、伝説のAV監督と似たようなものなのであろう。しかし村西監督、依然として顔が濃い。大仁田かと思った。 村西とおるといえば、団塊ジュニアにとっては忘れられない偉人である。80年代最大の怪人のひとりと言っても過言ではありません……と、つい村西用語が出てしまった。ナイスですね。ブログも書いてらっしゃったけれど、最初だけはすごくおもしろかったのを覚えている。 「AV界の帝王に君臨したけど、無茶な経営で大失敗した」端的にまとめるとそういう感じなのだが、そんな簡単な言葉ではおさまらない

    たちあがってた男の伝説「裏本時代」「AV時代〜村西とおるとその時 - 深町秋生の序二段日記
    kousyou
    kousyou 2010/04/11
    おもしろい
  • 一億総ヤクザ - 深町秋生の序二段日記

    うつくづくなんというかアナーキストでノーフューチャーな気分だ。安全ピンをシャツや耳にいっぱい刺して、発煙筒をもくもくと焚きながら街を練り歩きたい。アンチクライスト。ロンドンコーリング。女王陛下。 朝青龍の引退に続き、スノボ選手の服装問題(べつに問題でもなんでもないことを、さも問題であるかのように扱う世の中がすくいがたい病気だと思う)などを見ると、怒る前におそろしくなってくる。 この恐怖感はべつに今に始まったことじゃなく、成人式に参加した数万人のうちに含まれるごくごくわずかなお調子者のために社会面を数段ぶち抜きで報じた新聞(私の故郷の地元紙は社会面の3分の2ぐらい使って、酔っぱらってガラスを割ったバカに筆誅をくわえていた。社説もばっちり説教モード。新成人を祝福するどころか、みんな憎悪しているのがよくわかった)や、豊田商事会長刺殺事件やロス疑惑や松サリン事件を経てもまるで変わることのないメ

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  • 日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記

    これはやばいなあ。現代日の家族の闇を描いた衝撃作だろう。フジテレビがひっそり流すザ・ノンフィクション「漂流家族 竹下家の9年間」である。 いろんなところで反響があるようで、id:tada-woさんから録画DVDを借りて見たのだが、絶句してしまった。彼のブログから引用する。非常にうまくまとまっている。 http://d.hatena.ne.jp/tada-wo/20090616/1245138703(因果鉄道999・埼玉-北海道(前編) - アマルフィ 日和) 埼玉県に住む竹下一家。家族構成は父母と6人姉妹(全員、女の子)の8人家族。彼らは心機一転として、北海道の浜頓別(はまとんべつ)という田舎町で行われる、街の活性化を目的とした州からの移住計画に参加(いわゆる田舎で暮らそう、というやつ)。この計画は、移住して三年の間に、浜頓別に家を建てて定住することが条件で、その間の住居は地元の自治体

    日本家族の崩壊モデル。ザ・ノンフィクション「漂流家族」 - 深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    上映が終わってからもなかなか椅子から立てなかった。 プロレスやレスラーに対する愛や敬意にあふれていて、作品は悲哀と孤独を濃密に描いているものの、鑑賞中はとてつもない幸福に包まれていた。「おもしろい」「泣ける」というよりも、ここでぴったりくるのは「ありがとう」という言葉だった。アロノフスキー監督や主演のミッキー・ローク、すべてのスタッフに対して感謝を述べたい。ありがとう。 80年代にMSGを賑わせたレスラーの“ザ・ラム”ランディ。だが20年後の今はかつての栄華を失い、ニュージャージー(アメリカにおける埼玉みたいなとこ)周辺のドサ回りで糊口をしのいでいる有様。わびしいトレーラーハウスの家賃すら滞納し、近所のスーパーでバイトをしながらのカツカツ生活を強いられている。家族はすでにバラバラ。ちがう生き方を選ぶ余裕さえ失われている。長年のレスラー生活で、身体は悲鳴をあげ続けている。どんづまりの人生。そ

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  • 深町秋生の序二段日記

    今回は自分にも言い聞かせるつもりで。 というのは、先日「FACTA」誌を読んでいたのだが、そのなかに池田大作の「新・人間革命」がどうも売れていないらしいという興味深い記事があった。どうやら10万部ぐらい(まあ普通にベストセラーだけど)ではないかという。巨大団体トップの大命というべき著書の販売がはかばかしくないようで、世帯数800万を謳ってるけど、そこんとこ果たしてどうなのよ、という話であった。 「へえ、10万部程度ねえ。ふーん、意外としょっぱいもんだな」 と、思ったけど、まあけっきょくはよくわからないのであった。 創価学会という団体は、ご先祖様を大切にしようという従来の仏教の教えとは違い、地方から出てきた孤独な都市在住の次男坊や三男坊とかに向かって「信じていれば生きている間に裕福になれるよ」と現世利益を説いた高度成長期の機運にぴったりの宗教だった……と思う。「裕福になろうじゃないか」と資

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  • 深町秋生の序二段日記

    東京の人口が未だに増え続けているという。もうすぐ1300万人を突破するとか。 仕事を追い求めて地方の人間がぞくぞくと集まっているのであろう。しかしそれだけではなく、リタイヤした高齢者もけっこう東京に向かっているのではないかと思う。仕事ほしさだけで人は上京するわけではないようだ。 先日、TBS系の深夜ドキュメント番組「ドキュメント・ナウ」を見た。この番組はわりと好感が持てて、大衆の現状というものを過剰に(古舘の過剰に深刻ぶった面にはうんざり)伝えることがない。テンポよく淡白にやるから鼻につかない。 先日は札幌における高齢者の集団生活の姿を追っていた。さまざまな理由で田舎で暮らせなくなった高齢者らが、札幌の元学生寮に集まって、スタッフとともに共同で生活するというもの。半介護施設といった感じだろうか。若者の減少によって空いた都会の学生寮に、地方で住めなくなった老人が集まるという姿が大変おもしろ

  • 深町秋生の序二段日記

    お知らせです。 私、深町秋生と「犬にかぶらせろ!」でおなじみの速水健朗さんとでトークイベントを行う予定です。 詳しい内容はまた改めて。お題は「郊外、東京、バイオレンス」といった感じです。映像とかそういったアレも流す予定です。 日時:12月12日(金) 18:30開場 19:00スタート 場所:イベントスペースCo-Net 料金:1000円(ドリンク込み) 場所は(有)バッタネイションさんのイベントスペース「Co-Net」。席は30席ぐらいといったところです。 http://www.web-conet.com/index.html(Co-Net) http://www.web-conet.com/page3/page3.html(会場はこちら) 最寄り駅は東京メトロ銀座線「三越前」駅、もしくは東西線「日橋」駅、もしくは日比谷線の「人形町駅」。 私も先日お邪魔したのだけれど、微妙に再開発から

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    「私は黒人の植民地化を唱えてきたし、実現するまでは訴え続けます。例の奴隷解放宣言は、植民計画の一環だったのです。何千という黒人がもう百年も北部で暮らしていますが、誰一人として白人教会の牧師になった者はいないし、裁判官、知事、市長、大学長―どれもいない。白人はいくつかの人種に区別されているわけではありません。みな混ざっているのです。そこへ黒人が同居する余地などないでしょう。といって奴隷や日雇い労働者、小作人はいりません。白人と黒人が同化するか、追い出すか、二つに一つ。アメリカ国民は、一人一人が最上の国民にしかなり得ないのです。社会生活でも政治の世界でも、黒人を平等に扱うなど、これほど嘆かわしい状況は考えられませんね。奴隷解放のためとはいえ、白人黒人の混血の国になるのは高い代償です」 第一部第四章「大物の衝突」より オバマ上院議員が次期大統領となる。 ということで急に読み返したのが、2年前くら

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    しかし11月になってからワイドショーばかり見ている。 小室、オバマ、大阪の3キロ引きずり轢き逃げ犯(視聴者の予想を超える犯人のクズぶりに、テレビも発情した犬のように昂奮しっぱなしであった)と、盆と正月と岸和田のだんじりがいっぺんにやって来たような賑わいを見せていた。 で、バラク・オバマである。アメリカ大統領選挙という「篤姫」なんか目じゃない超大河ドラマの、しかもすごいラストを目撃したようで、かなり昂奮してしまった。オバマもマケインもドラマ性たっぷりの人物であり、時代の転換を担う若い黒人候補対反骨と信念の長老という図式もおもしろかった。負けたマケインにしても、来の「共和党のはぐれ牛」というキャラをかなぐり捨てて、この2年間はブッシュに取り入り、キリスト教保守派と和解し、挙句の果てにペイリンというブッシュの女版みたいなおばちゃん(彼女似のポルノビデオがさぞや多くリリースされたことであろう)を

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  • 擬音祭り…… - 深町秋生のベテラン日記

    うむ、ダジャレである。 先日、水木しげるの「昭和史」を読み返していたが、水木先生自身の従軍経験やまんが家として成功するまでの長い困窮時代などがとにかく圧巻で、これを読むと「ごはんはのこさずきちんとべよう」とか「せんそうはよくないよなあ」とえらく殊勝な考えを抱いてしまう。 しかしとはいえやっぱり笑ってしまうのはもう水木印と呼びたくなる「ビビビビビ」というビンタ音(「ビビビビビ……ビン」とおまけがつくこともあり)や、きついニュースを知らされて「フハ!」と水木先生が仰天するところだ。あと雑炊や蕎麦をすするときの「ゾロゾロゾロー」という擬音もいい。 コミック文化の発達がとびぬけてすさまじかったせいか、日の擬音の文化というのはずいぶん成熟しているよなと改めて思った。「ビビビビ」「フハ!」だけで「ああ、水木先生の作品かあ」と擬音だけで誰のものかすぐにわかってしまうというのがその証拠である。こういう

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    kousyou
    kousyou 2008/11/01
    車田正美→ザシャアアッ
  • 深町秋生の序二段日記

    ちょっと前の話になるが、自衛隊の特殊部隊における「はなむけ」格闘訓練は驚いたねえ……。 それにしても陰惨な事件であるにもかかわらず、やっぱり思わずぐっときてしまうのは「はなむけ」なる雅やかな言葉が登場したことだろう。学生のときにならった紀貫之の土佐日記を思い出してしまった。馬のはなむけ。 昔から隠語が好きだった。ジャーゴンとかスラング。その世界に脈々と受け継がれる年季の入ったものもあれば、どういう風の吹き回しか、奇跡的とさえ思えるほどポエティックな言葉がひょっこり生まれることもある。 だいたいリンチ殺人一つとっても、自衛隊は「はなむけ」と言い、相撲界は「かわいがり」、オウム真理教は「ポア」と呼んだ。それぞれの世界観がなかなか反映されている。 もともと隠語は、表立って言えないし、縁起も悪く、後ろめたい行為であるからこそ自然と生まれた語句でもある。あと関係者以外の人間を小ばかにする意味でも使わ

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    東京の、とくに風景や散歩関係の書籍となるともう鼻息が荒くなる。 東海林さだお氏はグルメや贈答品のカタログを見ると、いてもたってもいられなくなるらしいのだが、それと同じくらいに私は東京の風景となると、いてもたってもいられなくなる。 というわけで読売新聞の夕刊に掲載されていた「東京の散歩道」が書籍になったというので速攻で買った。これは記者たちが独自の視点で東京のスポットを軽妙な文章と一枚の写真で毎週紹介する名物コーナーで、今回のには141ものスポットが収録されている。 そもそも自分が行ったことのない土地に対して、私は淡くてポジティブな幻想を抱くクセがある。 それはいつもの通学路や通勤路から一外れた路地を目にしたときとか、会社や自宅の最寄り駅で電車を降りるときに、「このまま乗り続けたら、どうなるかな」といった感覚。あるいはまったく聞いたこともない駅名を見たときなどなど。 比較的自由な時間が

    深町秋生の序二段日記
  • 深町秋生の序二段日記

    「東京デッドクルージング」おかげさまで評判がよく、書評も徐々に目にするようになり、取材の申し込みも複数あり、ありがたい状況だ。 去年から今年にかけてとにかく取材(と称して)しょっちゅう上京してはあちこち都内をうろついたが、そこで改めてはっきり感じたのが「東京も充分にださくて貧乏で郊外」ということだった。 http://www.hayamiz.jp/2008/08/post-3dc1.html(【A面】犬にかぶらせろ! 『東京デッドクルージング』東京論としてのノワール小説) 1980年代に、映画『ブレードランナー』や『AKIRA』などが荒廃した未来都市のイメージを提示したけれど、その後に続く未来都市像というとあまりパッとしたものではなかったように思う。その荒廃した未来都市のイメージを、この『東京デッドクルージング』は更新しようという意志が感じられる。この作品で描かれた東京をひと言で表すなら、

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    kousyou
    kousyou 2008/08/25
    よくわかる。けど、それでも首都圏に人は集まり続けるのは何故だろうなぁ。