今月に入り、ある与党議員の事務所に送り主不明の封筒が届いた。中身は、一種の「告発文書」だった。 同封された2枚のコピー紙のうち1枚には、東日本大震災発生の翌日の「3月12日18時3分」に送信された「記録」と、「官邸リエゾン→消防庁」「消防庁 番号618」が記載されていた。さらにこう走り書きで記されていた。 「18:00 総理指示 福島第1原発について“真水による処理はあきらめ、海水を使え”」 「官邸リエゾン」は首相官邸地下の危機管理センター内の一室を指す。各省庁から派遣された危機管理の担当者が詰めており、その一人が総務省消防庁に送信したものだとみられる。 「午後6時の首相指示」は、東京電力福島第1原発事故発生直後に発表された政府の資料には記載されていた。ところが先月、政府は「午後6時の首相指示」を突然否定し始めた。 きっかけは、水素爆発を起こした1号機への海水注入をめぐる首相、菅直人の関与