このページは西谷能英が出版文化の危機を論評し、その再生にむけて考えを展 開する場所として設定 されています。PR誌「未来」で書いてきた[未来の窓] が『出版文化再生――あらためて本の力を考える』としてまとめられたのを機 に、出版に関するコラムをブログのかたちで始めたもので、「未来」掲載分をふ くむすべての文章が収録されています。 最近の取次の書店への取組みの仕方をみていると、市場の冷え込みと不況を反映してか、無駄なコストを極力抑制して効率販売をこれまで以上に上げていこうとする姿勢が顕著である。その最たるものが日販が採用している「インセンティヴ-ペナルティ」というマネジメント理論を取り入れた方式で、要するに一定以上の成績を上げた書店には報償を、それ以下の成績の書店にはペナルティを課すというかたちで、料率に二面的な差配をつけて書店をコントロールするという考えである。 日販はカルチュア・コンビニ