認知症の妻を抱えた夫の無理心中 この日、解剖室に運ばれてきたのは、80代の夫婦──。 警察の話では、心中事件だという。妻は認知症を患っており、夫が介護していた。夫婦は二人暮らし。二人が亡くなっていた部屋には、「ご迷惑をおかけします」と書かれたメモ書きが残されていた。 夫は妻の介護を献身的にしていたようだが、ここ1年くらいは、周りの人に「つらい」と漏らしていたのだそうだ。結局のところ、夫は妻の胸を包丁で刺した。その後、自分で首を吊ったものと思われる。 妻の胸には包丁の傷が残っている。傷は心臓に達しており、死因は「心臓刺創による失血死」とわかった。