昨年に続いて審査委員長を務めさせていただいた草場です。今年は昨年にも増してレベルが上がったと思いますが、逆に飛び抜けた作品がないとも言えました。しかしその中でも、大賞の『ビンジョー×コウジョー』は特に楽しむことができました。それは自分の手番以外にもやることがあるからです。他人の手番にも工場の時計は進み、他工場の発注にも便乗できます。ですから他の工場の設備を睨みつつ、自分の工場の設備投資をし、来るべき注文に備えるのは、「他人の引きにも期待する」という面白さをかもします。 特別賞にさせていただいた『アニュビスの仮面』は、新しい体験を味わえました。授賞式で述べましたように、これをアナログゲームと言ってよいかという問題はありながら、時代の趨勢を見越した新たな可能性の先駆けと見て、特別賞といたしました。その点は優秀作の『たのめナイン』にも一脈通ずるものがあり、アプリがあると遊び易いというのは、これか