原子力の専門家としてその危険性を訴える京都大学原子炉実験所の小出裕章助教の講演会が2011年11月6日、長野大学で行われた。小出助教は原子力発電の危険性に触れ「願望で安全を守れるはずがない」と語るとともに、すでに放射能に汚染された食料品については、「10禁(10歳未満は禁止)」といった年齢区分(レイティング)を設けることで対応すべきだした。 ■「安全神話」の背景にあったもの 1999年、茨城県東海村JCOで臨界事故が発生、被曝した2名が死亡した。2000年度の『原子力安全白書』によると、この事故以前にも原子力関係者の多くは、「原子力は絶対に安全という考えを有していない」状態にあったという。にもかかわらず、なぜ「安全神話」は作られたのか。その理由として、同白書には次の5 つが挙げられていると小出助教は示す。 ・ほかの分野に比べて高い安全性を求める設計への過剰な信頼 ・長期間にわたり人命に関わ