電子書籍なら、簡単に直ぐにぴゅっとできる、と思っている人が多いようだ。在庫リスクがないといういい方がされることが多いが、印刷しないでいいので1冊からでも採算が採れると思っている人もいるのではないだろうか。これも間違いです。 つまり、電子書籍になったからといって、現在の出版が抱える問題を解決できるわけではない、のである。問題は知的なものをどうやって、共有できるか、その時に編集者や出版社、あるいは取次、書店、図書館という書き手以外の存在がどう関わることで読者とつながれるのかという根本的な問題は、電子書籍になることでは解決しないのである。 (解決しないのでやらなくていいということではなくて、紙を捨てれば解決するかのようにいうヤカラは間違っていると言いたいのであります。) 本日、届いた「日本出版学会会報」127に高木利弘さんが次のように言っている。 「電子書籍」であれば、在庫リスクも絶版になる心配