「海外の完成品でも、実はその中身の高機能の素材はほとんどが日本製だ。いまは機能の良さだけでなく、脱炭素に対応できるかが選ばれるポイントになっている」 多くの素材メーカーの展示会に携わってきた関係者はこう話す。 日本が強みを持つ素材産業にも脱炭素や海洋汚染への対応が求められている。環境に配慮した塗装方法など技術革新に挑む企業を取材した。 (経済部記者 猪俣英俊) 最前線の取り組みを取材しようと、私が訪れたのは10月29日から31日まで開かれた素材の分野で世界最大規模の展示会だ。 千葉市の会場には素材メーカーなどおよそ930社が出展し、3日間であわせて4万6000人余りが来場した。 最新の技術を見ようと、中国や韓国などの海外企業の関係者も数多く視察に来ていた。