幼稚園のころのことです。 わたしは小さいころから、寝付きが悪く、悪夢を見る子で、そして一度寝たらなかなか起きないお寝坊さん、という、可愛らしい 子でした。 小さいころに住んでいた家は、古い日本家屋で、風が吹くと扉やどこかがガタガタと音が鳴りました。まるで誰かが入ってこようとしているかのように。 すきま風は誰かが泣いているような音をたてました。風がびゅーびゅーと吹きすさび、裏の木々が叫ぶときは、この世の物でないものが風と一緒に闇の中を泳いでいるようでした。 風の強い日は恐ろしい。 その夜はなかなか寝付けませんでした。いつものことで珍しくはありません。それでも、暗くされた部屋できょうだいと並んで寝ているうちに、眠ってしまったようです。 [広告] その日の夢も怖い夢でした。 ◇ 裏庭に出てみると男の後ろ姿が見えました。 何をしているのか見えないのですが、しゃがみ込んで何かをしている様子がうかがえ
![怖いおじさんが...火事になっても寝ていた時のこと - おうつしかえ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/538f5a02919f79a500e0d7f1d060bc2e29ca8956/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fb%2Fbanban%2F20150728%2F20150728191641.jpg)