昨年のことだが、雑誌「正論」に載ったある文に小さからぬ衝撃を受けた。18歳の女子学生のもの。日本人なのに日本を知らない自分に恥ずかしさを覚え、日本人の国家観はどうなのだろうと若者にアンケートした。自国の建国の歴史について知っていたのは、高校生100人のうち2人。半分以上は回答がなかった。連合国軍総司令部(GHQ)最高司令官、マッカーサーが建国したと答えた者が5人いた(山本みずき「18歳の宣戦布告 国家観なき若者に告ぐ」=平成25年5月号)。 2月11日は建国記念の日。神武天皇が即位した日にちなむ。だが何人がそれを知っており、祝うのだろうか。若者だけが責められるべきなのではない。そもそも若者は建国の物語を教えられていないだろう。 奈良県橿原市の橿原神宮は神武天皇とその皇后を祭神とする。晴れ晴れとした、潔癖かつ壮大な社だ。神武即位を起点として数える数え方で紀元2600年に当たる昭和15(194
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