私はかなりどんくさい。 足は遅い。 体力がこれでもかというほどない。 走り方も歩き方も変だ。 何もないところで転げまくる。 思春期、運動神経は母親側から遺伝すると知り、この呪われた血筋を自分の代で止めることが出来ないことを察した私は絶望感に苛まれた。 運動神経が良かったら私の人生の幸福度はどれくらい上がっただろうと学生の時何度も思った。 また、気が強そうな見た目をしているのか、絶対に「バスケ部?」と聞かれ体力測定の時には期待の眼差しで見られるのだが、こちとら「明日」を「希望」と読むような背筋が凍るポエムを延々と書き連ねていた文芸部である。50メートル走で、「手加減してね〜」と言ってきた隣の子の背中がどんどん遠くなっていく様を、遅い足をバタバタさせながら私は追いかけていた。そこに希望などなかった。 今日のブログはそんなどんくさい私のある日の下校の話である。 私が通っていた学校は山の上にあり、