IBMは人工知能「Watson」を使って医療の世界に革命をもたらそうとしている。今回発表したマージ・ヘルスケアの買収は、その壮大な試みの一端だ。売上高2億2,700万ドル(約280億円)のマージ・ヘルスケアは、医師や病院がCATスキャンやX線写真などの医療画像を保管・分析するサービスを提供している。IBMの目的は、Watsonを使って同社のデータを患者の医療記録と合わせて解析することだ。 これは素晴らしい試みだが、果たしてWatsonにその能力があるのだろうか? 「WatsonはMRIとX線写真やCATスキャンとの違いを認識し、撮影した物体が脳なのか心臓なのかも識別できる」とIBMの研究開発部門を率いるJohn Kelly上級副社長は話す。「我々は、Watsonには十分な能力があると確信している。今回の買収により、これまで我々に欠けていたクライアントや画像へのアクセスを得ることができる」