ブックマーク / hokusyu.hatenablog.com (11)

  • シルバー民主主義なるものは存在しない――Here is no such thing as Silver Democracy - 過ぎ去ろうとしない過去

    世の中には、存在しないものを存在すると言い張って社会を惑わす人たちが存在する。存在しない大量破壊兵器が存在すると主張した大統領は戦争を引き起こしたし、差別やハラスメントをこれからも続けていきたい人々は「キャンセルカルチャー」という存在しない文化が存在すると主張して、被害者の告発を無効化しようとしている。そして、日政治が目下の日の社会問題に対して機能していない理由を「シルバー民主主義」なる造語によって説明しようとしている勢力についても、存在しないものを存在すると言い張って社会を惑わす人たちに分類することができるだろう。 「シルバー民主主義」とは、少子高齢化の進展により有権者の多くが高齢者となり、その結果、高齢者にとって得になるような政治が行われ、若者や子供は置いてきぼりにされてしまう、という現象を表したものであるという。これによって世代間格差が広がり、若者は高齢者に搾取され続けることに

    シルバー民主主義なるものは存在しない――Here is no such thing as Silver Democracy - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 国家/内戦/シン・ゴジラ - 過ぎ去ろうとしない過去

    地の上にはこれと並ぶものなく、これは恐れのない者に造られた ――ヨブ記41.33 近代国家を聖書に出てくる大怪獣リヴァイアサンに喩えたのはホッブズであった。ホッブズによれば、人間の自然状態は万人の万人に対する闘争であり、そこに安息は無い。従って人間たちは自らの権利を国家へと委譲する契約を結び、国家の保護を得る。保護と服従の関係が、国家と国民の関係を規定する。国家はその領域において唯一の主権的共同体である。 カール・シュミットは、『政治的なものの概念』において、国際社会を複数のリヴァイアサンが競合する多元的な空間として考えている。国際間においては、国家の国民に対する保護は、他の国家からの保護でもある。むしろ国民は他の国民に対抗するために国家をつくる。国民の結集は、「政治的なもの」によって行われる。つまり、友と敵の存在論的な区別によって行われる。国家の主権者は、政治の概念に即して、国家の敵を正

    国家/内戦/シン・ゴジラ - 過ぎ去ろうとしない過去
    kybernetes
    kybernetes 2016/09/12
    hokusyu さんに攻撃性のないまっとうな批判を言わしめるシン・ゴジラの凄さ.そして「これぞ左翼」と思わせる完成度.
  • 「一般意志」とは何か - 過ぎ去ろうとしない過去

    紙屋研究所の紙屋氏が東浩紀の「一般意志2.0」をdisっているのだけれど、何か質を外している気がします。 ■架空インタビュー2.0 『一般意志2.0』ふたたび http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20120306/1331001376 特に違和感をもったのが、「差異の総和」について書いている部分。 ――「差異の和」のくだりですね。 そうです。岩波文庫の桑原・前川訳の方で紹介します。 これらの特殊意志から、相殺しあう過不足をのぞくと、相違の総和として、一般意志がのこることになる。(岩波版p.47) この最後の部分「相違の総和として、一般意志がのこることになる」は、フランス語の原文では「reste pour somme des différences la volonté générale.」となるので、東訳よりも桑原・前川訳の方がいいと思いますね。 こ

    「一般意志」とは何か - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 6.11新宿中央公園を中心とする経緯の確認 - 過ぎ去ろうとしない過去

    なぜ針谷氏が登壇すべきでなかったのかについては会のブログ内において何度も詳しく明快に書いてあるので、ここで繰り返し書くことはしません。わかるまで熟読してください。 ただし、問題意識を共有するしない以前に、経緯の認識が「なんでそうなるの!?」というものばかりで、非生産的な議論を生んでいる原因の一端はそこにあると思うので、関係者のひとりとして経緯にたいする見解をちゃんと書いておきます。 経緯に対する典型的なまちがいは、次のブログにあらわれています。 ■ヘイトスピーチに反対する会の行動を支持しません http://d.hatena.ne.jp/fut573/20110619/1308487730 まず、常野さんの発言もぼくの発言も、会としての声明ではなく、6/9の時点の個人的な声明です。これに問題があると感じたならば、常野あるいは北守を批判すればいい話であって、会とこれらの発言を直接結びつけるの

    6.11新宿中央公園を中心とする経緯の確認 - 過ぎ去ろうとしない過去
    kybernetes
    kybernetes 2011/06/21
    平野さん、会議にはちょくちょく顔を出していたよ。
  • とあるアルファブロガーのSophisterei(詭弁)――あるいは正統的な暴力も暴力であることについて - 過ぎ去ろうとしない過去

    はじめに結論から書いておこう。「国家が暴力を独占する」の意味は、国家が自らの暴力の行使に対してのみ、正統性を付与するということである。国家というのは、征服によるものであれ、共和主義的な統合によるものであれ、その集団がある領域内を実効支配した時点で、定義上、その領域内には少なくとも国家に匹敵しうるような暴力を行使可能な集団は存在していないはずである。だが、国家はなお支配のために「暴力を独占」する。それは、自前の暴力組織にのみ正統性を与えることによってであって、そうやって正統性を与えられた暴力組織を「軍隊」や「警察」と呼ぶ。ウェーバーによればその正統性の源泉は、近代国家においては「合法性」である。その正統性(=合法性)に基づいてはじめて、政府は国家内の自律的な暴力集団を規制したり弾圧することができるのである。 軍隊や警察は、人を殺しうる力を持っている。たとえ侵略軍から「国家を防衛」するためであ

    とあるアルファブロガーのSophisterei(詭弁)――あるいは正統的な暴力も暴力であることについて - 過ぎ去ろうとしない過去
  • あ、はんにちだ! - 過ぎ去ろうとしない過去

    16日に、反中の人たちが参加するデモがあったんだって!ぼくは行かれなかったけど、動画を見たら日の丸がいっぱい立っていてタモさんとか西村眞悟とかがいたから、これは悪いデモでしょ。間違いない。 んで、なんとなんと、そのデモに抗議してシット・インを試みた2人の中国人がいたんだって!かっこいいね! ■中国人2人が尖閣抗議デモを妨害 路上に座り込み、行進を中止させようとする http://alfalfalfa.com/archives/1085961.html 都内で16日、中国による日の領土の「侵略」に抗議する右派系団体主催のデモ行進が行われ、1000人以上が参加した。 日の国旗が都内の公園にはためく中、尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島)付近で起きた漁船衝突で過熱した 領土問題をめぐる2度目の抗議デモが開かれ、参加者らは「日の自由が危ない」「中国の尖閣諸島侵略(を)許

    あ、はんにちだ! - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 「国家社会主義」はなぜ支持されたのか - 過ぎ去ろうとしない過去

    ■ナチスの「25カ条綱領」は日人必読では http://mojix.org/2010/10/11/national-socialist-program ■右翼(国家主義)と左翼(社会主義)は反対概念ではなく、独立概念である http://mojix.org/2010/10/14/left-and-right まああらゆるレベルで間違っていると言えてしまうのですが、キリが無いので少しだけ。 ■誰がナチスを支持したのか? ワイマール共和国において、ナチスは政権を取るまで一度も過半数の議席を獲得したことが無い、というのはよく知られているとおりです。1933年の選挙でナチスは288議席を獲得しましたが、それでも全体の4割程度を獲得したにすぎませんでした。退潮傾向にあったとはいえ社会民主党は120議席と3ケタを維持し、共産党も前回から票を減らしたとはいえ81議席を獲得しました。また、カトリック政党

    「国家社会主義」はなぜ支持されたのか - 過ぎ去ろうとしない過去
  • なぜ「男は獣」といいたがる人がいるのか - hokusyu’s blog

    ■「獣」のアウトソーシング http://d.hatena.ne.jp/sk-44/20091204/1259906283 sk-44さんは、性犯罪者に「獣」をアウトソーシングすることで、自らの悪意に対して欺瞞的に振舞うことが可能になっていると主張する。だが、アウトソーシングしているのは当に性犯罪者に対してだけなのだろうか。むしろ、アウトソーシングをするために、自らの中に「獣」を飼っているひとが多いのではないか。 渡辺淳一というひとの書いたものはまったく読んだことがないのだけれど、例のコラムを参照する限り、「先生も獣ですか」と問われたら「そうだね、獣かもしれないよ」と返事をするのではないだろうか。「私はまだ獣ではないが、獣になりうる」という可能性の中にこそ、自らの悪意にたいする欺瞞がある。 「獣」というのは、「私の中にあって、私のコントロールが効かないもの」の象徴にほかならない。われわれ

    なぜ「男は獣」といいたがる人がいるのか - hokusyu’s blog
  • ポストモダニズム系リベラルの世界も大変だ - 過ぎ去ろうとしない過去

    また南京事件で盛り上がってますね。 中国は南京事件政治利用しているという人がいますが、少なくとも日中国交正常化以降、中国が南京事件に関して「謝罪と賠償」を要求したことは一度だって無いし、毒ガス問題など個別イシューを除けば日中間で歴史認識が政治問題になっているのは唯一靖国くらいのものですが、もちろん中国は南京事件があったことをもって靖国神社への参拝に反対しているわけではないのです。 さて、この問題が蒸し返されるときにはきまって、南京事件あったかなかったか「どうでもいい」と思っているのに南京事件「論争」にはいっちょ噛みたいと思っているのが多すぎるのが問題をややこしくしていると思うのですが、それはポストモダニズム系リベラルの問題として表すことができるかもしれません。 つまり、劣化版東浩紀です*1。 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20081215/p1#c122932

    ポストモダニズム系リベラルの世界も大変だ - 過ぎ去ろうとしない過去
  • 雇用の流動性をはかれという議論に欠けているもの - 過ぎ去ろうとしない過去

    「強い」正規社員の保護をゆるくして雇用の流動化をはかれという声がありますが、前提を忘れていると思います。 そもそも、なぜ日では正規社員の雇用が強く守られてきたかというと、それは貧弱な社会福祉制度とセットでありました。高度成長以来、欧州で行われてきた教育や医療を無償化するなどの社会政策のかわりに、「強い」正規社員の父親が「一家の大黒柱」として教育、医療、介護すべての福祉をカバーする「中流」の「家族」を保護することによって、その穴を埋めてきたのです。この点では終身雇用の年功序列というのはなかなか合理的な制度でした。なぜならば、身軽な若年層よりも、子どもの教育や両親の介護がある中高年層のほうがお金がかかるに決まっているので、より負担が大きい層により多くのお金がいきわたるという仕組みになっていたからです。 もちろん、このやり方は構造上すべての人々に恩恵を与えることはできません。さらに、特定の「家

    雇用の流動性をはかれという議論に欠けているもの - 過ぎ去ろうとしない過去
    kybernetes
    kybernetes 2009/01/06
    あとリスクテイクへの対応も必要。北欧がどれだけイノベーションに力を入れているか。
  • 人生いろいろ、BIもいろいろ - 過ぎ去ろうとしない過去

    http://d.hatena.ne.jp/repon/20080507 http://d.hatena.ne.jp/mojimoji/20080507/p1 月額20万のBIですか、大賛成。やりましょう。しかし病気になったり大学に行こうとしたりするとやはりきついので、ついでにぼくがあげた社会保障の充実もやりましょう。所得税60%ですか、素晴らしい。やりましょう。で、それをダンコーガイと議論するんでしたっけ。ダンコーガイが所得税60%に賛成するんですか。 ・・・笑わないね。 このことに関しては珍しくid:inumashさんが正しいことを言っていて、すなわち # 2008年05月07日 inumash inumash 社会 「再分配」を文字通り「金」で行うよりその分を「社会福祉制度の充実」に傾けたほうが費用対効果が良いよ、という話をしないと弾さんとかとは噛み合わなそうな印象。 なのです。しか

    人生いろいろ、BIもいろいろ - 過ぎ去ろうとしない過去
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