本年9月11日までに、アフガニスタン駐留のアメリカ軍は完全撤退することになった。現在アフガニスタンにおいて、ガーニ大統領率いる2004年憲法[1]に基づく政府は、政府内の足の引っ張り合いと国民からの信頼喪失の中、同政府との和平交渉を拒否したタリバーンの攻勢にあえいでいる。アメリカ軍の完全撤退後のアフガニスタンは、内戦の継続か、タリバーンの再支配による極端なイスラーム主義による過酷な支配か、との懸念が同国内外で広がっている。 アメリカのシンクタンク「民主主義防衛財団」(Foundation for the Defense of Democracies)のビル・ロッジオによると、4月末現在、アフガニスタンは、同国34州にある約400の郡のうち、政府が支配する地域が120郡、タリバーンが支配する地域が70郡、政府・タリバーンが支配を競合している地域が全体の半数強という勢力分布になっている。アメリ