物価の安さや非日常感から、2000年代初頭に起こった「アジアンリゾートブーム」。バリ島やベトナム、タイといった東南アジアは日本人の高い人気を集めたが、同時期に台頭したアフリカの「サファリロッジ」には見向きもしなかった……。山口由美氏による著書『世界の富裕層は旅に何を求めているか 「体験」が拓くラグジュアリー観光』(光文社)より、その理由を解き明かしていく。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額 日本人富裕層には不人気だったアフリカの高級サファリロッジラグジュアリーの新たなジャンルとして、2000年代以降、野生動物の生息する大自然を体感するアフリカのサファリロッジが台頭してきたが、では、なぜ日本人は、これに共鳴しなかったのだろうか。 日本人マーケットがアジアンリゾートブームを少なからず牽引していたのは、ほぼ同じ頃のことだ。時代はポストバブル、日本経済の絶頂期は過ぎて
