東京電力福島第一原子力発電所から北に約70キロ離れた阿武隈川河口(宮城県岩沼市)から今年8月、1日あたり525億ベクレルの放射性セシウムが海に流出していたことが、文部科学省の委託を受けた京都大防災研究所や筑波大などの調査でわかった。 東電が4月時点で推計した同原発からの海への総流出量に比べると約10万分の1の値だが、専門家は「流域の生態系などの影響に注意が必要だ」と指摘している。 同川の2地点と、計画的避難区域に指定されている福島県川俣町などを流れる支流の口太川の4地点で8月10~30日、流れる水や土砂の量を調べ、土砂に含まれる放射性セシウムを計測、流下量を計算した。 岩沼市の河口では、放射性セシウム525億ベクレルが流出。上流側に南西約40キロの福島県伊達市内では、計1763億ベクレルに達した。放射性セシウムの9割以上は、水中の土砂に含まれており、河口までのダムで一定量はせき止められたと