若手の弁護士を中心に、働き口を求めて他府県の弁護士会へ移籍したり、登録を取り消して別業種に転職したりする弁護士が増えている。苦労して難関の司法試験を突破しても、弁護士数の増加などによる競争激化で安定した収入を得られるめどが立たず、奨学金の返済もままならない現状が背景にある。(長谷部崇) 日弁連によると、事務所を移るなどして所属する弁護士会を変更する「登録換え」は、2004年は172件だったが、13年は597件と3・5倍に増加した。本人請求による登録取り消しも91件(04年)から345件(13年)と、10年で3・8倍に増えている。 兵庫県弁護士会の武本夕香子会長は「30歳前後の若手が目立つ」と指摘する。4月に登録換えした全国の弁護士のうち、登録5年以内が約7割。取り消しでも約3割を占めた。 司法試験に合格し、修習を終えれば弁護士資格は得られるが、実際に活動するには各地の弁護士会に入会し、日弁