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  • 大貫妙子、坂本龍一とのコラボ作『UTAU』を振り返る。ふたりの特別な関係性を感じさせる演奏の秘密 | CINRA

    今では他人と 呼ばれるふたりに 決して譲れぬ 生き方があった - 大貫妙子“風の道”より(1982年発表のオリジナルアルバム『Cliché』収録曲) 1970年代から作曲・編曲、アレンジ、プロデュースなどを通じた深い関わり、特別な関係性があった大貫妙子と坂龍一。2010年、ふたりは『UTAU』というコラボレーションアルバムを発表。ここには“風の道”をはじめとする大貫妙子の過去の楽曲をはじめ、坂龍一の過去の楽曲に大貫が新たに歌詞をつけたものなどが「ピアノと歌のみ」というシンプルな構成で収められている。 そんな作が14年越しに初のアナログ化、そのライブツアー東京公演を収録した『UTAU LIVE IN TOKYO 2010』も初めてBlu-rayとしてリリースされた。さらに現在、坂龍一が音響監修を手がけた109シネマズプレミアム新宿で限定上映されており、7月15日には大貫妙子が登壇する

    大貫妙子、坂本龍一とのコラボ作『UTAU』を振り返る。ふたりの特別な関係性を感じさせる演奏の秘密 | CINRA
  • 私が選挙に行く理由。折坂悠太、柚木麻子、SIRUP、曽我部恵一、コムアイ、三宅唱ら11人が寄稿《都知事選》 | CINRA

    7月7日に投開票される東京都知事選挙。21回目となる今回は、過去最多の56人が立候補しています。 私たちの暮らしにおいても、芸術文化においても、政治は複雑に絡み合っています。首長や議員を決める選挙は、政治の根幹でもあるでしょう。選挙権がある人にとって、一票に込める思いはそれぞれあるのだと思います。 あなたはどうして選挙に行き、投票をしますかーー。芸術文化に携わっているアーティストやライター、作家の方々の計11人に、その理由を寄稿してもらいました。 ISOさん、折坂悠太さん、コムアイさん、近藤銀河さん、SIRUPさん、SYOさん、鈴木みのりさん、曽我部恵一さん、堀由貴子さん、三宅唱さん、柚木麻子さん(五十音順)が、コメントを寄せてくださいました。 政治家は法を犯しても償わなくてよい。利益誘導は好き放題してよい。税金の使い道を黒塗りで隠匿してもよい。会見で忖度しないメディアは排除してよい。不都

    私が選挙に行く理由。折坂悠太、柚木麻子、SIRUP、曽我部恵一、コムアイ、三宅唱ら11人が寄稿《都知事選》 | CINRA
  • 「ドイツ人目線」で読んだ小説『関心領域』の特異性とは?文筆家マライ・メントラインが紐解く | CINRA

    メイン画像:©Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved. 小説『関心領域』を通例の文脈で「あの映画の原作」と紹介するのにはいささか抵抗がある。というのも、特に日では、公開当初から凄まじい訴求力を見せた映画版(ジョナサン・グレイザー監督)の存在感が大きく、隠喩に満ちたその内容の「解題」を求める意図で書を手にする人が多いと予測され、その場合、キャラ構築や舞台設定など多岐にわたる差異により、読者が面らうこと必至だからだ。 ありていにいえば『関心領域』とは、ナチス第三帝国に関する、ある「共通命題」を突く文芸作品と映像作品のユニット的名称である。双方、観念的な因果関

    「ドイツ人目線」で読んだ小説『関心領域』の特異性とは?文筆家マライ・メントラインが紐解く | CINRA
  • 『虎に翼』制作統括インタビュー。出産場面や玉音放送を描かなかった理由、憲法のシーンに込められたもの | CINRA

    伊藤沙莉主演のNHK連続テレビ小説『虎に翼』。日初の女性弁護士、のちに裁判官となった三淵嘉子の実話をもとにしたドラマで、SNSなどを中心に反響を呼んでいる。 第9週(5月27日〜)は激動の展開だった。終戦を迎え、寅子は兄・直道や父・直言、そして夫・優三を失ってしまう。失意に暮れる寅子だが、公布された日国憲法をきっかけにもう一度法曹界の道へ踏みだすことを決意する。 「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない」。寅子が読んだ憲法第14条の条文にはこう書かれている。 「モデルとなった三淵さんにとっても、主人公の寅子にとっても、日国憲法は人生における最も重要なターニングポイントだった」と制作統括の尾崎裕和は話す。作の魅力や画期性について、合同取材で聞いた。 ―優三さんが出征するときの寅子とのやりと

    『虎に翼』制作統括インタビュー。出産場面や玉音放送を描かなかった理由、憲法のシーンに込められたもの | CINRA
  • 鈴木亮平『シティーハンター』インタビュー。「令和の観客」に愛されるためにアップデートしたこと | CINRA

    北条司による人気漫画を実写化したNetflixのオリジナル映画『シティーハンター』の配信が始まり、Netflix週間グローバルTOP10で初登場1位を獲得するなど反響を呼んでいる。主人公・冴羽獠を務めたのは、作の熱烈なファンでもあり、長年にわたって冴羽獠を演じることを望んでいたという鈴木亮平だ。 配信後初となるインタビューで、並々ならぬ思いを込めた作に参加した感想を聞いた。 『シティーハンター』予告編 / 物語の主人公・冴羽獠は、東京・新宿を拠点にし、裏社会での様々なトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー(始末屋)。無類の美女好きで、美女に出会うとタガが外れてしまうが、いざ依頼を受ければ、並み外れた銃の腕と身体能力、そして冷静沈着な頭脳で、仕事を遂行する。そんなクールでおバカでもっこりの “冴羽獠” を演じるのは鈴木亮平、ヒロイン “槇村香” 役は森田望智、獠の相棒である “槇村秀幸

    鈴木亮平『シティーハンター』インタビュー。「令和の観客」に愛されるためにアップデートしたこと | CINRA
  • 美術館は何のためにあるか。国立西洋美術館初の現代美術展企画者、新藤淳主任研究員にインタビュー | CINRA

    東京・上野の国立西洋美術館で3月12日から企画展『ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ』が開催されている。同館において初めて現代美術を軸に据えた展覧会であり、同館が現代作家の糧となってきたかを検証するという自省的な問いがテーマとなっている。そのため同館だけではなく、美術館という存在や美術界そのものについて切り込むような作品も並んでいる。企画者で同館主任研究員の新藤淳さんに、企画展の出発点をはじめ、作品や作家から受け取った課題、そして国立西洋美術館の存在意義などを語ってもらった。 ―国立西洋美術館は現代のアーティストを触発してきたのか? という問いが今回の展覧会の主題だったと思います。このような自己言及的なテーマにした理由や背景を、あらためて教えてください。 新藤:国立西洋美術館は主に中世から20世紀前半までの西

    美術館は何のためにあるか。国立西洋美術館初の現代美術展企画者、新藤淳主任研究員にインタビュー | CINRA
  • 連帯って何だろう? 高知市のフェミニズム書店主が語る、ゆるくつながる面白さ | CINRA

    四国は高知の中心部で、フェミニズムに関する書籍を中心に取り扱う屋がある。2020年に開店した「フランクに書店」は、高知市出身の中上曜子さんが店長を務めている。中上さんが夫婦で運営する居酒屋の壁からスタートした。 4人の娘を育てる母でもある中上さんは、世間のいう「理想の母親像」の抑圧に苦悩し、「自分が生きるために書店を始めた」と話す。言語化できなかった苦しみは、数々のと出会うことで、霧が晴れるように消えていった。 書店だけではなく、ゲストを招いたトークイベントや語らいの場「スナックおんな」、そして今年2月には仲間とともにZINEを発刊するなど、さまざまな企画を実現している。そんな中上さんにインタビューし、書店を立ち上げるまでのストーリーや連帯について考えることなど、語ってもらった。 「フランクに書店」は、新型コロナウイルスが猛威をふるっていた2019年にオープンした。 同書店は、中上さん

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  • 坂本龍一 追悼連載vol.10:エレクトロニカの季節——アルヴァ・ノト、フェネスらとの深く、対等な交流 | CINRA

    龍一が発表した数々の音楽作品を紐解く連載「追悼・坂龍一:わたしたちが聴いた音楽とその時代」(記事一覧はこちら)。 第10回の書き手は、Shuta Hiraki名義で音楽制作も行なうライターのよろすず。Alva Noto、Fennesz、クリストファー・ウィリッツ、テイラー・デュプリーとのコラボレーション作品群を2回に分けて取り上げる。 IDM/エレクトロニカを経てより抽象的な電子音楽へと手を伸ばしはじめた2000年代後半、坂龍一は突如、文字どおり「現在進行形の音楽家」として私の前に姿を現した。 以降、リアルタイムでリリースされる作品を中心に、まばらではあるものの氏の作品を聴いてきた今となっても、やはり私にとって坂龍一の音楽として真っ先に聴こえてくるのは、Alva Noto、Fennesz、クリストファー・ウィリッツ、テイラー・デュプリーとのコラボレーション作品におけるピアノであり

    坂本龍一 追悼連載vol.10:エレクトロニカの季節——アルヴァ・ノト、フェネスらとの深く、対等な交流 | CINRA
  • 『セクシー田中さん』問題から考える、映像化のトラブルと作家の権利を代弁する「出版エージェント」の必要性 | CINRA

    『砂時計』や『セクシー田中さん』などで知られる漫画家・芦原妃名子さんが、1月29日に遺体で発見された。生前、『セクシー田中さん』の実写ドラマ制作をめぐりトラブルが起きていたことが明らかになっており、原作者が亡くなってしまうという事態に、悲しみの声が広がっている。 『キャラクターとは何か』や『戦争はいかに「マンガ」を変えるか:アメリカンコミックスの変貌』などの著者で、漫画業界の事情に詳しいフリーライターの小田切博氏が、この問題が浮きぼりにした漫画などの映像化の現状、そして出版エージェントの必要性について綴る。 2024年1月29日、漫画家の芦原妃名子氏が遺体で発見されたことが報じられた。 亡くなる直前、芦原氏はXや自身のブログでベリーダンスをモチーフにした最新作『セクシー田中さん』(小学館刊)の実写ドラマについて、最終2話の脚を自ら執筆した経緯を説明する声明を発表していた。それ以前にドラマ

    『セクシー田中さん』問題から考える、映像化のトラブルと作家の権利を代弁する「出版エージェント」の必要性 | CINRA
  • なぜ『ゴーストワールド』は20年以上の時を超え、愛され続けるのか。制作秘話とともに監督が語ったこと | CINRA

    今年、22年ぶりのリバイバル上映が行なわれる映画『ゴーストワールド』(2001年)。ティーンエイジャーのリアルな心模様、アメリカ社会のグロテスクな日常をシニカルな笑いとともに描き出した作は、かつてなかった青春映画として公開当時よりカルト的人気を誇っている。 いまなお伝説的に語られる『ゴーストワールド』は、なぜここまで観る者を惹きつけるのか。テリー・ツワイゴフ監督がインタビューで語ってくれたことを通じて、ライターの村尾泰郎が考える。 『ゴーストワールド』は、2人の鬼才の出会いから生まれた。原作を手がけたのはアメリカのグラフィックノベル(文学性が高いコミック)を代表する作家、ダニエル・クロウズ。そして、伝説的なコミック作家、ロバート・クラムを題材にしたドキュメンタリー映画『クラム』(1994年)で注目を集めたテリー・ツワイゴフが監督を務めた。 物語の主人公は高校を卒業したばかりの2人の少女、

    なぜ『ゴーストワールド』は20年以上の時を超え、愛され続けるのか。制作秘話とともに監督が語ったこと | CINRA
  • 折坂悠太×中村佳穂対談。「日本語の歌」の新局面を告げた『平成』『AINOU』から5年、その歌の現在地は | CINRA

    いまからちょうど5年前、ほぼ同時期にリリースされた折坂悠太『平成』と中村佳穂『AINOU』。 2023年になって振り返ると、この2作はそれまで各地のインディペンデントな音楽の現場で渦巻いていたものが大きなうねりとなって立ち現れて行く未来を予感させ、日の新しい「歌」の行方を照らすような作品だったのではないか、ということ思ったりもする(カネコアヤノ『祝祭』もその重要な作品のひとつだと思う)。その当時の静かな興奮をいまでもたまに思い出す。 そんな折坂悠太と中村佳穂の初対談が『FESTIVAL de FRUE』企画で実現。このふたり、人たちも「真逆」と度々口にするようにステージに立つまでのプロセスや「歌」に対する考え方は大きく異なっている一方で、大事なもの共有しているようでもあった。 個人的だけれど社会的で、だが私小説的ではない——そんなふたりの歌はどのように紡がれているのか。司会・執筆に松永

    折坂悠太×中村佳穂対談。「日本語の歌」の新局面を告げた『平成』『AINOU』から5年、その歌の現在地は | CINRA
  • ノーラン監督作『オッペンハイマー』日本公開の行方と意義 | CINRA

    「原子爆弾の父」と呼ばれたロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた映画『オッペンハイマー』の日での劇場公開をめぐり、注目が集まっている。クリストファー・ノーランが脚・監督を務め、全米での封切り以降高い評価を受けているが、日では公開日が決まっておらず、10月28日時点で一切の宣伝がされていない。 日公開をめぐる現状はどうなっているのか。関係者への取材を通して得た情報や、作が公開されることの意義について、ライターの稲垣貴俊氏が執筆する。 2023年に世界的ヒットを記録した一映画が、日では劇場公開されないままとなってしまうかもしれない――。『ダークナイト』3部作などの人気監督クリストファー・ノーランによる最新作、「原子爆弾の父」こと理論物理学者のロバート・オッペンハイマーを描いた伝記映画『オッペンハイマー(原題)』が話題だ。 作はオッペンハイマーの学生時代から、原爆開発(マンハ

    ノーラン監督作『オッペンハイマー』日本公開の行方と意義 | CINRA
    laislanopira
    laislanopira 2023/10/28
    しかしこの映画を観たアメリカ人の反応がバーベンハイマーなのだから結構薄っぺらい映画なのでは
  • 全盲のeスポーツプレイヤーたちが開発に協力。『ストリートファイター6』のアクセシビリティ向上はどう実現した? | CINRA

    近年のビデオゲームの進化はめざましい。技術の発達で、現実と見まがうようなリアルなグラフィックのゲームがいくつもつくられ、またオンラインを介して国籍や言葉を超えた多様なプレイヤーが仮想世界の冒険や戦いや出会いを楽しんでいる。 しかしそれと並行して、じつは進化し続けているのがユーザーのアクセシビリティ。障がいなどがある人でもゲームを楽しめる工夫の進化だ。その最前線を突き進んでいるのが人気格闘ゲームの最新作『ストリートファイター6』だ。同作では、eスポーツを介した障がい者の就労支援を行なう株式会社ePARAと共同し、対戦相手との距離やお互いのコンディションをサウンドで把握する工夫などが随所に盛り込まれている。 今回、同作を制作したカプコンからディレクターの中山貴之、サウンドチームの渥美格之進、小池義規、ePARAから代表取締役の加藤大貴、ブラインドeスポーツプレイヤーのNAOYA、今回の共同プロ

    全盲のeスポーツプレイヤーたちが開発に協力。『ストリートファイター6』のアクセシビリティ向上はどう実現した? | CINRA
  • TESTSETが「バンド」という肉体を手にするまで。砂原&LEOがMETAFIVEとの連続性と差異とともに語る | CINRA

    砂原良徳、LEO今井、白根賢一、永井聖一によるTESTSETが1stアルバム『1STST』を完成させた。もともと2021年の『FUJI ROCK FESTIVAL』にMETAFIVEの特別編成として出演したことからスタートしたこのバンドは、その後のライブオファーを受けてTESTSETとして再始動。これまでメディアへの露出はごく限られたものだったが、ライブを観た人からは絶賛の声が寄せられていたバンドの全貌がついに明らかになった。 METAFIVEからの連続性も感じられつつ、白根と永井もソングライティングに関与し、よりフィジカルに進化を果たした『1STST』はTESTSETとしての記名性が強く感じられる作品に。そして作は、生演奏とプログラミングを織り交ぜたサウンドデザインで、SNSに端を発する現代の諸問題を歌い、アートワークも含めて自然と文明の対比を描きながら、その複雑さを見つめ、「リアルの

    TESTSETが「バンド」という肉体を手にするまで。砂原&LEOがMETAFIVEとの連続性と差異とともに語る | CINRA
  • 坂本慎太郎と青葉市子の「歌」は、なぜ日本語のまま海外に届いているのか。現場で得た感覚から語りあう | CINRA

    慎太郎と青葉市子。その音楽性から2組をあわせて聴いているリスナーは少なくないのではないか、と思う。じつはこのふたり、対面は実質二度目。前回の現場は小山田圭吾のプロジェクトで、およそ10年前に遡る。 そんなふたりの初対談が『FESTIVAL de FRUE』企画で実現。今年7月8日開催の『FESTIVAL FRUEZINHO』立川公演に出演する青葉市子、2022年に出演した坂慎太郎は、ともに国内のみならず海外からの支持も厚いことから、対談は「両者の歌が国境を越えて聴かれる秘密」をテーマに話が展開した。 ストリーミングサービスの登場をきっかけに少しずつ状況が形成され、2023年現在、国内外に数百万、あるいは1,000万規模でリスナー数を抱える日のアーティストも出てきている。しかし、坂慎太郎と青葉市子の「歌の広がり方」はそういったケースとは異なると言えるだろう(※)。 その様子を対談の

    坂本慎太郎と青葉市子の「歌」は、なぜ日本語のまま海外に届いているのか。現場で得た感覚から語りあう | CINRA
  • YMOが世界に拡散したオリエンタリズムと、テクノ先進国としての栄光と衰退。いま日本文化の選ぶべき道は | CINRA

    いまから45年前、1978年にデビューしたYellow Magic Orchestra(YMO)は、翌1979年にアメリカの大手レーベル「A&M Records」から1stアルバムをリリースした。このUS版1stアルバムには、国内版1stアルバム(1978年)とは異なるミックスが施されたことに加え、独自の、非常に象徴的なアートワークも作成された。 扇子を手に、顔の半分を覆うほど大きなサングラスをかけ、頭からはメデューサを想起させるカラフルなケーブルが伸びた芸者……ジャケットに描かれた鮮烈なモチーフ「エレクトロニック・ファン・ガール」(通称・電線芸者)とともに、YMOは世界に広まっていくことになる。 そのエレクトロニック・ファン・ガールがあしらわれた金屏風が今年3月、音楽レーベル「U/M/A/A Inc.」の設立20周年プロジェクトTechnoByobu』の第1弾プロダクト「Electro

    YMOが世界に拡散したオリエンタリズムと、テクノ先進国としての栄光と衰退。いま日本文化の選ぶべき道は | CINRA
  • 20年で少女漫画はどう変化したのか? 『フルバ』『カレカノ』から令和の作品までひらりさが語る | CINRA

    漫画評論家・米沢嘉博さんが「少女マンガは『愛』『自己と世界』を中心に展開してきたともいえる。それによって、少女マンガは独自のモチーフ、テーマを選びとり、スタイルを完成させていった」(『戦後少女マンガ史』 / ちくま文庫より)と言っているように、少女漫画は明治時代の少女雑誌の誕生以降、独自の発展を遂げてきた。そして近年では媒体の多様化や読者層の変化により、一層複雑な変化を続けているように思う。 カルチャーシーンの「これまで」と「これから」を考える、CINRAメディア20周年特集「Crossing??」。今回は、ここ20年の少女漫画の流れを、個人の体験とともに振り返りたいと思う。ご登場くださったのは、文筆家として活動されているひらりささん。1989年生まれで、雑誌最盛期の90年代から漫画雑誌を読みはじめたというひらりささんの少女漫画史をお伺いしながら、作品やヒロインの変化、そしてそこから見える

    20年で少女漫画はどう変化したのか? 『フルバ』『カレカノ』から令和の作品までひらりさが語る | CINRA
  • ここがceroの本当の始まり――高城晶平&荒内佑が語る『e o』。真新しいものがなくなり、音楽はどこへ? | CINRA

    ここがceroの当の始まり――高城晶平&荒内佑が語る『e o』。真新しいものがなくなり、音楽はどこへ? たとえば、世の中に数多ある音楽作品を「語りやすい作品」とそうでない作品に分けるとするなら、ceroの5作目『e o』は後者にあたるだろう。前々作『Obscure Ride』(2015年)は、ネオソウルやR&B、ニュージャズといったジャンルやサウンドを独自に消化し、コンセプチュアルに制作された傑作であると同時に、人らも公言しているようにある種「語りやすい作品」でもあった。 「語りやすさ」と作品の強度、クオリティーはおそらく何ら関係はない。実際『e o』は、歌詞とサウンドの関係性がこれまで以上に緊密になっている、という一点から見ても、ceroの作品のなかで一番の音楽的到達点にあると思う。なのだが、この作品を説明したり、語ることはとにかく難しい。 そのことは、作がコンセプトや指標のような

    ここがceroの本当の始まり――高城晶平&荒内佑が語る『e o』。真新しいものがなくなり、音楽はどこへ? | CINRA
  • 坂本龍一 追悼連載vol.7:その音楽家人生と「ピアノ」という楽器について。『1996』を通じて考える | CINRA

    初めて坂龍一という音楽家を意識したのは1992年のバルセロナオリンピックだったから、私は散開以前のYellow Magic Orchestra(YMO)をリアルタイムではほとんど知らない。ピアノを習っていたものの、ハノンやツェルニーといった練習曲にうんざりしていた15歳の私にとって、坂は「外の世界」へと窓を開いてくれる存在だった。 坂龍一(さかもと りゅういち) / Photo by zakkubalan ©2022 Kab Inc. 1952年東京生まれ。1978年に『千のナイフ』でソロデビュー。同年、Yellow Magic Orchestra(YMO)を結成。散開後も多方面で活躍。2014年7月、中咽頭がんの罹患を発表したが、2015年、山田洋次監督作品『母と暮せば』とアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督作品『レヴェナント:蘇えりし者』の音楽制作で復帰を果した。2017年春には8

    坂本龍一 追悼連載vol.7:その音楽家人生と「ピアノ」という楽器について。『1996』を通じて考える | CINRA
  • 賛否の先で論じる『シン・仮面ライダー』。現実と符合してしまった「宗教二世」の物語 | CINRA

    映画『シン・仮面ライダー』が興行的に苦戦しているらしい。公開前から商品タイアップも多数なされた話題作で期待感も高かったものの、公開第1週の興行収入は2位スタートに終わり、翌週には5位に転落。レビュー等での評価も賛否両論あるようだ。 作品を鑑賞してみたところ、これまで感じたことのない妙な居心地の悪さを感じて、その違和感について友人相手に何度か話をし、SNS映画レビューサイトもチェックしたのだが、どうもほかには自分が抱えるようなモヤモヤを感じている人はあまりいなさそうで、そのことがより私自身の心持ちの落ち着かなさに拍車をかけている。 この感覚を率直に言葉にすると「気持ち悪い」だが、あらかじめお断りしておくと、だからといって私はこの映画を批判したいわけではない。逆に肯定や賞賛をしたいわけでもなく、私の感じるこの「気持ち悪さ」は、映画としての評価とは別なところで「結果として偶然生じてしまった」、

    賛否の先で論じる『シン・仮面ライダー』。現実と符合してしまった「宗教二世」の物語 | CINRA