このコラムでは、マンガ『天幕のジャードゥーガル』の舞台となった地の歴史や文化を連載形式で解説しています。最新話の第20幕で描かれたトルイの死。彼が大カアン(オゴタイ)の身代わりになって死んだと明記する歴史書もあれば、そうではない歴史書も存在します。また、身代わりになったと記すいくつかの歴史書の間でも、身代わりの経緯を巡って違いがあります。今回のコラムでは『集史』、『元史』、『元朝秘史』、『世界征服者の歴史』でトルイの死がどのように描かれているのか、それぞれの歴史書の成り立ちとともに紹介します。 『集史』 14世紀初頭にイル・ハン国の宰相ラシード・アッディーンが編纂した歴史書です。全3巻あり、第1巻は「モンゴル史」、第2巻は「世界史」、第3巻は「世界地誌」という構成でした。このうち第1巻の内容は、イル・ハン国第7代君主ガザンの命令を受けて編纂されたもの(1307年完成)、第2〜3巻の内容は第
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