直流給電とは、建物内にある電子機器に対して直流で電力を送る給電システムのこと。一部のデータセンターでは2008年から導入が始まっている。サーバーなどのコンピュータや、ルーターやスイッチといったネットワーク機器へ供給する電力を抑えることが目的である。 現在のサーバーやネットワーク機器は、内部で交流から直流に変換している。電力会社から送られてくる商用電力が交流であるためだ。一方で最近のデータセンターでは、商用電力の瞬断や停電の対策としてUPS(無停電電源装置)の採用が必須になっている。UPSの場合、(1)交流の商用電力を直流に変換してバッテリーを充電し、(2)バッテリーの出力(直流)を交流に変換してサーバーに送り、(3)サーバー内部で交流から直流に変換して駆動──の合計3回の変換を行っている。 変換の回数が多くなれば、それだけ変換ロスが発生する。それならサーバーやネットワーク機器を直流で直接受
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