女社会はルッキズム容姿至上主義によって支配されている、というのは今やひとつの常識だろう。 男社会がメリトクラシー(能力至上主義)を基礎する価値観に強くビルドインされているように、女社会では容姿こそが最も重要な価値基準となる。スポーツに秀でていても、学業成績が優秀でも、絵がうまい歌がうまいなど何か一芸を持っていても、その子が「ブス」であるなら女社会ではおしまいだ。運動や勉強の得意なブスに憧れる女子は存在しない。逆にどれほど運動や勉強が苦手でも、美人であるならそれだけでその女子には価値があると女社会では見做される。 少女が憧れる童話といえば今も昔も「シンデレラ」がその筆頭だが、シンデレラがなんの能力的卓越も示さないのはわかりやすい一例だ。彼女はただ状況に流されるままに舞踏会に向かい、そこで王子様に見初められる。頭脳や身体能力ゆえではない。シンデレラは美人だった。シンデレラが幸福を掴み、いじわる