20世紀は「ものをつくる」時代でしたが,21世紀は「イノベーション」の時代であるといわれます。それを牽引するのは,いわゆるIT産業でしょう。 エンリコ・モレッティ著『年収は住むところで決まる』でいわれている基本命題の一つは,「旧来の製造業都市の大卒者より,イノベーション都市の高卒者のほうが稼いでいる」というものです。衰退の途をたどる製造業都市と,これから伸びる可能性のあるイノベーション都市とに分化しつつある事態を物語りますが,IT産業のようなイノベーション産業は特定地域に集積する傾向があるのだそうです。 本書では,アメリカ国内のデータを使ってそのことが実証されていますが,日本ではどうなのでしょう。『年収は住むところで決まる』の追試作業第3弾として,わが国におけるIT産業の地域分布の様相を観察してみようと思います。
![首都圏のIT産業マップ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2ec547866a8d26bf7dae4c37c3cee6f903a31e35/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fblogger.googleusercontent.com%2Fimg%2Fb%2FR29vZ2xl%2FAVvXsEgbSpDCdzcOJh1yOisWiM2QJ3NhHwB67SoK-U5UsVncQniGBrEVDh976wI4tduOv7KdDm4BEE7jnoDybU3bkp6M3g_CbHZG0fKZrz4nygKkpB6MkdGm6PDViMxZHHW60veE7WGpJ6BL328T%2Fw1200-h630-p-k-no-nu%2FIT%25E2%2591%25A0.png)