岩村暢子(いわむら・のぶこ)/1953年、北海道生まれ。大正大学客員教授。キユーピー顧問。食と現代家族の調査・研究を続ける。『家族の勝手でしょ!』で、辻静雄食文化賞受賞。著書に『変わる家族 変わる食卓』『普通の家族がいちばん怖い』など(撮影/写真部・小原雄輝)この記事の写真をすべて見る 岩村暢子さんの最新作『残念和食にもワケがある 写真で見るニッポンの食卓の今』は、日本の家族の食卓を長年にわたって調査・分析してきた軌跡をまとめた一冊だ。膨大な食卓写真の収集・分析や、インタビューを通して「和食」の変容とその驚くべき実態を描き出す。 今、ニッポンの食卓はどうなっているのか? ご飯と味噌汁は必須のメニューではない。一汁三菜の意味が分からない。手巻き寿司に菓子パン、おにぎりにカップ麺といった「主食重ね」は当たり前。ペットボトルの麦茶で食事を流し込む。箸よりスプーン、茶碗は不要、マグカップで味噌汁。