システム開発プロジェクトでは規模を表す単位として「人月」という単位がよく用いられる。これは技術者一人が1カ月労働することを意味し,人を数える助数詞「人」と,時間を数える単位「月」を掛け合わせたものである。数学的な見地から見ると「人」は分離量であり「月」は連続量である。この分離量と連続量の違いとは,例えば計算機について考えれば,分離量はデジタル計算機であり,連続量は計算尺である。つまり,「人月」とは分離量と連続量を掛け合わせた特殊な単位であり,どちらかというと「概念」に近い。 この「人月」という概念を「人」×「月」という単純な数式で考えると大きな失敗を犯す。例えば,プロジェクトの後半で問題が発覚し納期遅延が発生しそうな場合,あとどのくらいの工数が必要かを算定し,追加要員を投入して遅延を挽回しようとすることがある。 これは,遅延挽回対策として非常に危険な方法である。遅延を挽回できるどころか,当
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