神戸市の連続児童殺傷事件の加害男性が刊行した手記「絶歌」の取り扱いをめぐり、公立図書館の対応が割れている。二十三区では七区の図書館が購入しておらず、都立図書館も未購入。理由に社会情勢や、不買を求める区民の声をあげる図書館もあり、周囲の干渉に左右されたり自己規制したりせず資料を広く収集する「図書館の自由」が失われないよう、専門家や図書館関係者らはあらためて確認している。 (石原真樹) 手記は六月、著者名を「元少年A」として太田出版(新宿区)が出版。被害者遺族が出版の中止と回収を同社に求めたが、出版は継続。「加害者が印税を手にするのは許せない」など批判がある中、九月末現在で二十五万部出版された。 事件の地元の神戸市は購入しないと決め、滋賀県の教育長は未成年への閲覧制限を表明した。こうした動きに対し、図書館の全国組織、公益社団法人日本図書館協会(会員は公立や大学図書館、図書館員など)は六月末、協